2022年08月25日
【年収研究シリーズ】パスコ社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。
パスコの平均年収は645.2万円です(パスコ有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考にパスコの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で430〜480万円、30歳代で560〜610万円、40歳代で640〜690万円という結果になりました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.31倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 645.2万円 | 43.2歳 | 11.5年 | 2316人 |
2021年3月期 | 655.5万円 | 43.2歳 | 11.6年 | 2236人 |
2020年3月期 | 655.4万円 | 43.4歳 | 11.5年 | 2148人 |
2019年3月期 | 643.6万円 | 43歳 | 11年 | 2116人 |
2018年3月期 | 631.9万円 | 42.5歳 | 10.8年 | 2068人 |
出典:パスコ・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
パスコの平均年収は前年を下回り645.2万円でした。
過去5年間では3番目の額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 449.5万円 | 30.3万円 | 72.8万円 | 404.55万円 |
30代 | 579.3万円 | 38.6万円 | 93.9万円 | 521.37万円 |
40代 | 659.8万円 | 43.8万円 | 107万円 | 593.82万円 |
50代 | 684万円 | 45.4万円 | 110.9万円 | 615.6万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
パスコの年収に関する口コミで、多く見られるものが「年収に占める残業代の割合が大きい」というもの。「基本給は抑えられている」ようですが、「かなり厳密に残業時間を管理されて」おり、その残業代は「青天井で支給される」とのこと。人によっては、「残業代が基本給を上回る」というケースもあるようで、大きく年収を押し上げる要素の一つであることが分かります。
もう一つの高年収を支える理由は、充実した諸手当の存在です。特に住宅手当については、「独身で3.2万円、既婚では5.5万円」支給され、また会社都合で転勤した場合は、家賃補助が7割支給されます。基本給には不満の声が見られるものの、残業代、そして諸手当が上乗せされることで、同社の高い年収が実現できていることが分かります。
パスコの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回の賞与で構成されています。基本的には賞与は年2回ではありますが、業績によると期末賞与も支給されることが特徴です。
諸手当は、前項でも触れましたが、住宅手当と通勤手当、時間外手当が主だったものです。時間外手当については、口コミによると、一般社員の間は残業時間分が支給されますが、管理職になると「みなし残業制」に移行され、40時間分の手当が固定的に支給されるようです。
またこれ以外に福利厚生として、独身寮や借上社宅、資格取得のバックアップや充実したクラブ活動など、社員のスキルや生活へのサポートも充実しているようです。
パスコ社員の給与明細(キャリコネ)
20代から30代で約100万円アップ
20代営業(非管理職)の 給与明細
30代営業(非管理職)の 給与明細
残業手当の差により、年齢と年収が逆転することも
20代技術(非管理職)の 給与明細
30代技術(非管理職)の 給与明細
パスコの職種は、大きく「技術」「営業」「事務」の3つに分類されます。「技術」は測量や計測、建設コンサルタントなど、「営業」は官公庁・民間向け営業および営業企画、「事務」は総務、人事、法務などの職場で活躍します。
初任給は全職種共通で以下の通り学歴別に設定されており、職種による差異はない模様です。
<初任給>
●総合職 専卒初任給:213,500円
●総合職 大卒初任給:236,000円
●総合職 修士初任給:249,500円
●総合職 博士初任給:279,000円
※ 東京地区独立生計者の住宅手当を含んだ金額。
新卒採用募集要項には、注意書きとして「地域総合職を希望する場合は、説明会や選考時に詳細を確認ください」という記載があります。「地域総合職」に関する処遇などについて、詳細は確認できませんが、基本給が別体系となっていることが推測されます。
年代別の年収目安としては、新卒入社3年目(25歳前後)で約450万円、20代後半~30代で500~600万円、管理職になると650~700万円、といった当たりです。
パスコ社員の給与明細(キャリコネ)
残業手当の差が大きな年収差に
20代技術(非管理職)の 給与明細
20代営業(非管理職)の 給与明細
業績により賞与支給額に大きな差が
30代営業(非管理職)の 給与明細
30代技術(非管理職)の 給与明細
パスコの給与体系は、口コミによると、「細かいグレード管理がされている」とのこと。1グレード上がるごとに基本給が500円程度アップするとのことで、大体1年間で3グレード上がることが平均的なようです。10グレード上がると、一段上の資格に昇格する、という仕組みになっています。したがって、年収を上げるためには、評価を得たうえで、グレードを上げていくことが必要になります。
同社の評価の仕組みとしては、年初に目標を設定、半期・期末に上長と面談を行い、その結果で評価結果が一次的に決まります。さらに事業部ごとに調整が入り、最終評価が決まるというもの。「個人がどんなに頑張っても評価されず、結局は相対評価になる」という声も見られ、個人ごとに大きな差はつけられないようです。
パスコ社員の口コミ(キャリコネ)
諸手当類と残業代で月給が高額に
「住宅補助なども手厚いので手取り金額はそこそこ 給与の伸びはそんなに良くないらしい……」
個人ごとの評価結果は大きく差はつかない
「8割以上の人間は昇給があるが成果によって差はあまりない 管理職になると一般社員よりも昇給幅は小さく……」
パスコの競合や同業界であるアジア航測、長大、オオバの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、パスコが645.2万円、アジア航測が752.3万円、長大が675.3万円、オオバが656.2万円です。
この4社の中で最高額はアジア航測の752.3万円で、最低額がパスコの645.2万円。その差はおよそ108万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではパスコは4番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
アジア航測 | 752.3万円 | 44.3歳 | 14.1年 | 1183人 | 297.22億円 |
長大 | 675.3万円 | 44.5歳 | 12年 | 841人 | 186.8億円 |
オオバ | 656.2万円 | 42歳 | 15.3年 | 472人 | 151.03億円 |
パスコ | 645.2万円 | 43.2歳 | 11.5年 | 2316人 | 514.38億円 |
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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