パスコの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
同社の経営方針には「革新的な思考と行動により、常に変化を創造し行動する」とありますが、社風は堅実で保守的だと感じる社員が多いようです。社員の声を見てみると「革新性は低く、新しい体制や方針にはやや消極的」「良くも悪くも堅実な組織運営」「よく言えばのんびり、わるく言えばスピード感がなく、事なかれ主義」といった評価が多くみられました。創業時から官公庁に向けてサービスを提供してきたパスコ。1999年にセコム傘下となり、民間向け事業を開始したとはいえ、現在も同社の売上のうち約8割は国内公共部門。顧客の風土や性質に影響される部分は少なくないかもしれません。
また同社の特色として、個人の裁量が大きいことをあげる社員も多くみられました。「組織規模は大きいが個人の裁量は大きく、ある程度自由に仕事を進められる」「完全な個人プレーゆえに、できる人からは学ぶことが多い」「個人商店のような雰囲気」という声がみられました。特に営業職では「結果を最重視する」という風潮が強いようですので、結果に向かい個人の裁量は大きく仕事をしたい方には向いている特色といえるでしょう。
以上をまとめると、「堅実で保守的。個人の裁量は大きい」こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
内定までに2回の面接と1回のWeb適性検査があります。適性検査の実施は1次面接通過後。1次面接に出てくる人物は採用担当者や課長など場面場面で異なるようですが、2次面接は必ず役員が担当します。1対1ではなく、応募者1名に対して2~4名の面接官および場合によっては書記担当も登場するケースがあるようですので、相手方の人数が多いと緊張しやすい方はそうしたケースもあると認識し事前に緊張をほぐしておくようにしましょう。
中途での募集職種は、技術系から営業系、管理系など多岐にわたります。文化財の発掘調査や人工衛星の運用など、同社ならではの職種もありますので、同社が要件とするスキル・キャリアを持つ方は一度詳細を確認されることをおすすめします。
■面接内容の傾向は?
面接の傾向としては、志望動機や前職退社理由などの一般的な質問と共に、パスコならではの質問をされているようです。
一般的な質問では、回答内容から同社にどれくらいマッチしているか見るだけではなく、回答同士の整合性を見られていると感じた応募者が多かったようです。あらかじめ自己PR、志望動機、退職理由などを簡単に書き出してみて、それぞれの回答内容同士に矛盾がないかを確認しておきましょう。
パスコならではの質問では、例えば「地図は好きですか」のような同社事業内容ならではの質問がよく出ています。こうした質問は意表を突かれ「好き」か「嫌い」かの簡易な回答しかされない方も多いのですが、あらかじめ準備として「なぜ地図が好きか」の理由も考えておくことをおすすめします。
パスコの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
パスコの面接攻略法(面接対策)
■パスコの経営戦略を理解した上で自己分析をする
パスコの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
パスコの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
例えば、同社は経営戦略の冒頭に「利益体質への変革」という言葉を掲げています。そして、そのための施策として2019年3月期の方針に「経費の削減」および「技術革新」をあげているのがみえますね。特に管理コストについては「今までのやり方にとらわれることなく、抜本的に見直してく」と明言しています。
以上のことから、従来の「堅実で保守的」な社風から変化しようとしている同社の姿勢がうかがえるでしょう。そのため面接では「現状を変えるためにどのような取り組みをしたのか」問われる可能性があります。ご自身のキャリアの中で起こったトラブルや外部環境の変化などに対して、どのように対峙し、どのように解決し、どのような実績が出たのかを整理しておくことをおすすめします。個人の裁量が大きい同社の社風を意識するとすればチームの実績というよりは「自分はどのように動いたのか、貢献したのか」を意識してPRすることをおすすめします。
また技術系を志望される方は「技術革新」が経営戦略にあがっていますので、同社がこれまでに取り組んだ技術革新について、パスコの沿革などを見て理解を深めておくとよいでしょう。
東証スタンダード市場のパスコ(9232)は、航空測量分野の最大手企業です。セコム(9735)グループの会社としてもよく知られています。1953年創業の歴史ある企業です。時価総額は196億円、また、PER7.87、PBRは0.89(2022年4月14日取材)でした。
■「なぜパスコに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
パスコの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜパスコか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、パスコという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 国際航業株式会社
- アジア航測株式会社
パスコの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、パスコの採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「堅実で保守的。個人の裁量が大きい」という社風を意識しながらも、必要があれば現状を変えるために自ら動き解決できる人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代後半女性/技術関連職【結果:最終面接を辞退】
40代前半男性/建設コンサルタント【結果:入社】
30代前半男性/代理店営業【結果:入社】
30代後半男性/プロジェクトリーダー【結果:入社】
[30代前半・男性/システムエンジニア] 【結果:内定を辞退】
[30代後半・男性/経理] 【結果:入社】
パスコの採用面接に向けて
パスコの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「堅実で保守的。個人の裁量が大きい」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- パスコの行動指針を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜパスコか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大学キャリアセンターに対する就職支援コンサルティングに従事後、経団連会員企業で採用戦略の立案や面接官指導などを担当。