2021年06月21日
スイスを本拠とするグローバルバンク、UBSグループの日本法人として、投資銀行業務や株式業務、債券業務などを担うUBS証券への転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
スイスに本拠を置く世界有数の金融機関、UBS。その日本における株式業務の拠点がUBS証券です。投資銀行業務・債券業務もおこない、UBS銀行東京支店とともにUBSインベストメント・バンク(UBSの投資・証券部門)の日本国内における業務を担うほか、ウェルスマネジメントに関する業務、アセットマネジメントの一部業務も扱います。
そんなUBS証券の口コミには「オープン」「フラット」「公平」といった言葉が並び、自由闊達で風通しの良い企業風土があります。「魅力的な人ばかりで刺激を受け、公私ともに勉強になる」「パフォーマンスに対するプレッシャーは大きいが、やりがいがある」といった口コミから、実力が公平に評価される環境の中で、切磋琢磨しながら仕事に励む社員の様子がうかがえます。
また「協力し合いながらチームで仕事を進める」「外資系にしては協力的な人が多い」との声も多く、外資系ならではの実力主義的な風土と同時に、協同的な企業文化も根づいているようです。社内イベントなどを通じて社員同士のつながりが生まれ、社内人脈づくりができるという意見も。大らかな人が多いため、和気あいあいと仕事が進められるという口コミも散見されました。成果を挙げるための努力だけでなく、周囲との協働を惜しまない人に適した環境だと言えるでしょう。
しかし、「結果を重視されるため、女性が第一線で働くにはなかなか厳しい」との意見も。ダイバーシティへの理解はありますが、長く働き続けたい女性はライフステージに変化があってもキャリアを継続できるよう、周囲のサポート体制を整えておくことが必要です。
「協同的かつフラットで、実力が公平に評価される」。UBS証券のこうした社風にフィットし、周囲と協力し合って成果を出せる人物であるかどうかは、面接時に重視されるポイントです。自己分析・企業分析はもちろん、自分の働き方のスタイルも見つめ直し、最適な自己PRを練りましょう。
2021年4月現在UBS証券では、UBSグローバルサイト内「Find a job」ページ経由で中途採用をおこなっています。UBSグループの事業部門ごとに求人が掲載されているため、UBS証券で取り扱っている事業部門を確認したうえで応募するようにしましょう。
さらに、採用情報ページには「経営陣からのメッセージ」「社員紹介」など、企業理解を深め、面接対策を進める際に役立つコンテンツがいくつも用意されています。中途採用で求める人材について明確に記述された箇所もあるため、じっくりと目を通し、自己分析に落とし込んでおきましょう。
選考プロセスの詳細については明記されていませんが、実際に面接を受けた人の中には「面接が6回ほどあった」「(イレギュラーで)部長が一次面接の面接官だった」という人もいました。選考に時間がかかる場合があることや、多少イレギュラーに選考が進む場合があることを想定しておく必要があります。
口コミによると、UBS証券の面接では、実務に必要となる能力や思考力を問う傾向が見られます。外資系らしく実力を公平に評価する同社の選考では、実務を着実に遂行できる能力と思考力を備えているかどうかが明暗を分けるでしょう。
実際には、英字新聞を音読するように指示された人や、「会社の組織を変えるにはどうしたらいいか」と聞かれた人などが見受けられました。業務に必要となる英語力、実務的なスキルについて問われることを想定し、しっかりとアピールできる準備をしておきましょう。思考力を問われた場合も的確に対応できるよう、日頃からロジカルな思考を心がけ、その都度検証する習慣をつけましょう。
さらに「M&Aの利点とその重要ポイントは?」と聞かれた人や、ウェルスマネジメント業務において「いくら(顧客の)資産を持ってこられるか」と問われた人は、論理的・実践的な回答や具体的な数値を示した回答をすることで内定を獲得しています。回答は業務に即した具体的な内容となるよう、話し方や論理の展開を工夫するとよいでしょう。
面接を受けるにあたって、UBSグループの事業戦略を理解しておく必要があります。UBSグループの日本法人5社のうち、UBS証券が担う事業分野は下図のように規定されています。
UBS コーポレートサイトより
これらの業務分野のうち、経営戦略に関する金融面でのアドバイザーとして、顧客企業と真のパートナーシップを築くことを目指すUBSは、多様なニーズに的確かつスピーディーに対応し、最良のソリューションを提供するとしています。世界中で高い評価を受けるM&Aアドバイザーとして、時にはM&Aに積極的に関与していく姿勢です。
10年以上にわたり、株式アナリストランキングで外資系トップの座にあるUBS。株式業務においても、客観的で信頼性の高いリサーチ力・分析力をベースに、顧客への有用なアドバイスを提供していく方針です。
こうした事業戦略の中で、UBSが重視するのは「人材力」と「執行力」です。個人の短期的な成果のみではなく、一人ひとりの能力がチーム力を向上させ、さらに専門分野の異なるチーム同士の連携によって総合的に成果を挙げることも重視しています。中途採用においても、「協同的な文化の中で、個人の成果だけでなく総合的な成果を求め、向上心をもって業務に取り組む人材」を求めていると言えるでしょう。チーム単位で業務のクオリティを向上させるために努力した経験や、自身の成果をチームへ還元した経験などがあれば、積極的にアピールしすることをおすすめします。
UBS コーポレートサイトより
またUBSでは、上図のように企業責任について明確に定められ、ビジネスにおいても企業市民としての公正な姿勢を保つ心がけが求められます。公正さを備えていることを示せるよう、自己PRの内容に気を配りましょう。
中途採用面接において、志望動機は重要なポイントとなることが多く、UBS証券の選考も同様です。志望動機を通じて面接官は、入社後の業務に対する意欲だけでなく、「いかに同社とそのビジネスについて理解しているか」を知ろうとしています。これらの項目についてクリアにしておけば、入社後のミスマッチを防ぎ、スムーズに成果を挙げられる可能性が高まるからです。
こうした質問に対応するには、「他社と比較したUBS証券の独自性」という視点に立った企業研究をおこない、「同社で自分は何ができるのか」を具体的に伝えることが重要です。以下のような外資系証券会社について研究し、比較することで、同社のカラーや独自の事業戦略を把握しておきましょう。
●ゴールドマン・サックス証券株式会社
●バークレイズ証券株式会社
●シティグループ証券株式会社
●クレディ・スイス証券株式会社
UBS証券がどのような人物を求めているのか、またどのような方針なのか、具体的につかめてきたのではないでしょうか。
UBS証券の採用面接を受ける際には、「協同的かつフラットで、実力が公平に評価される社風」を意識して、「協同的な文化の中で個人の成果だけでなく総合的な成果を求め、向上心をもって業務に取り組む人材」と印象づけられるようなエピソードを用意しておくと役立ちます。具体的な数値や例などを盛り込み、実践的な語り口になるよう工夫するとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
UBS証券株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
UBS証券の採用面接を受けるにあたって、その社風や事業戦略など、押さえておきたいことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「協同的かつフラットで、実力が公平に評価される社風」を意識して、「協同的な文化の中で、個人の成果だけでなく総合的な成果を求めて、向上心をもって業務に取り組む人材」であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
●UBS証券の事業戦略に沿った自己分析を行い、有効な自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究することで、「なぜUBS証券なのか」という質問に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備を進め、面接当日は「UBS証券で自分は何ができるのか」「成果につながる自分の強みはどのような点か」などを、具体的に伝えられるようにしておきましょう。
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