2021年06月21日
たばこだけではなく医薬品や加工食品の分野まで事業を拡大しているJTへの転職。途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しましょう。
日本たばこ産業(以下、JT)は、1985年専売制の廃止に伴い、株式会社として設立されました。1999年、当時世界最大規模のM&Aにより、世界第3位のたばこメーカーへと躍進しました。「ウィンストン」「メビウス」など有名なブランドを多く販売し、日本では6割以上のシェアを誇り、国外でも130の国と地域で事業を展開しているグローバル企業です。またたばこ事業だけではなく、医薬品、加工食品といった事業も展開しています。
そんなJTの社風は「風通しが良い」「和気藹藹としている」「チームワークが良い」といった口コミが多く見られます。また、育児や介護の支援制度が充実しており、住宅補助が手厚い他、残業時間が少なく、有給が取得しやすいことからも働きやすい環境であるといえます。各種研修が充実しており、中でも若いトップマネジメント輩出やグローバル人材輩出を目的とした公募プログラムが設けられていることから、安定した環境の中でも志次第で出世のチャンスを得られることがうかがえます。
一方グローバル企業として展開しているとはいえ、部署、事業所によっては昔ながらの日本の大企業ならではの風土が残っているところもあるようで、体育会系、縦社会、飲み会が多いといった声も見受けられます。社内では昔の社風では昨今の変化に対応はしていけないと考え、ダイバーシティの推進や働き方改革の取り組み、グローバル人材の配置などが行われているようです。
たばこの増税など事業環境は厳しさを増し変化を続けていく中で、JTはお客様の大切なひとときや大切な時間に思いを馳せ、グローバルにかつ高い水準でお客様に信頼されるJTならではのブランドを生み出し、育て、高め続けていくことを目指しています。面接では、こういった社風にマッチする人材であるかが見極められるでしょう。
JTの選考プロセスは、Web登録後、2回以上の面接です。面接の前に工場見学が行われることもあるようです。面接官は、人事部のスタッフと部長クラス、応募部署の部長クラスが担当します。選考期間は、概ね2週間から1カ月ほどですが、3カ月ほどかかるケースもあります。転職希望時期を明確に伝え、選考プロセスの中で気になることがあれば自ら人事担当者とコミュニケーションをとるなど工夫するようにしましょう。
面接は集団で行うこともあるようです。周囲の様子をうかがうことも大切ですが、人間性や資質をよく見ていることから、他者の意見に惑わされず、自分の意見を素直にしっかり伝えられるように準備しておきましょう。
中途採用の募集職種は、総合職(法務系スタッフ・医薬事業部)、研究開発職(医薬事業部)があります。
研究開発職に関しては、自分の研究内容のプレゼンもありますので、準備が必要です。また、英語のコミュニケーション能力も求められます。
自分の経歴や専門分野とマッチする応募職種を明確にし、なぜその職種に応募したのかという点を明確に説明できるようにしておきましょう。
JTの面接では、当たり前ですが「なぜたばこ業界か」「たばこ会社での仕事をどう捉えているか」「今吸っているたばこの銘柄は」「あなたにとってたばことは」など、たばこに関する質問は必ずといっていいほど出ます。また面接開始前に、たばこを吸うか・吸わないかを確認され、喫煙者の場合、たばこを吸いながら面接を受けることができます。控室にも1人1個灰皿が用意されています。吸う吸わないは合否に関係ないですが、どれだけたばこに愛着があるのか、たばこへの強い思いを確認していることは明らかでしょう。自分が持つたばこに関する思いや考え、知識などをしっかり伝えられるようにしておきましょう。
面接はとてもフランクな印象で難解な質問はほとんどないです。フランクな会話の中で応募者の人間性や資質など本来の姿を引き出し、確認していることもうかがえますので、ありのままの自分をみせつつも、自分の強み、会社の社風にマッチする人材であることのアピールを忘れずに行うようにしましょう。
日本たばこ産業の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
JTの面接を受ける上では、行動指針である「JTグループミッション&JTグループWAY」を理解しておくことが不可欠です。これは以下で構成されています。
これは、JTの企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
日本たばこ産業は、お客様の視点に立った信頼される商品・サービスの提供、JTならではのブランドを生み出し、育て、高め続けていくことを求めています。
前職における、お客様の視点に立った行動をエピソードとしてあげることにより、JTグループWAYの「お客様を第一に考え、誠実に行動します」に繋がり、アピールとなります。
また妥協することなく進めてきたこと、多様な人々と協力し合って成し遂げた経験などがあれば、エピソードとして紹介することにより、JTグループWAYの「あらゆる品質にこだわり、進化し続けます」「JTグループの多様な力を結集します」に繋げられ、アピールとなるでしょう。
たばこの増税や禁煙が広がる逆風のなかだからこそ、世の中の多様性を認め、お客様にとって価値ある「ブランド」を生み出すことができる。そしてその「ブランド」とはお客様に信頼される商品・サービス・行動のすべてと考えられています。お客様の大切なひととき、大切な時間に思いを馳せ誠実に取り組む信頼できる人材であることをしっかり伝えることで、大きなアピールとなるでしょう。
JTの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ日本たばこ産業か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
最近では、健康意識が高まる世の中の流れに合わせて、受動喫煙に配慮した新しいスタイルのたばこの開発に注力していることから、この取り組みに対する自分の意見や商品の知識についても準備しておくと良いでしょう。
業界理解や職種理解の枠を超えて、JTという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●フィリップモリスジャパン合同会社
●ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社
このように、JTの採用面接を受ける前には、JTグループミッション&JTグループWAYに基づいた自己分析や他社研究を踏まえた、志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、このミッションを理解したうえで、「お客様を第一に考え誠実に行動できる」「品質にこだわり進化し続ける」「多様な力を結集することができる」人材であることが印象付けられる、具体的な行動やエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
JTの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●JTグループミッションを理解して、社風にマッチした人材であることをアピールする。
●JTグループWAYを意識した、前職での具体的な行動やエピソードを準備して自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜJTで働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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