2021年06月21日
国内化粧品大手で、数々の人気ブランドを擁するコーセーへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめ転職を成功させましょう。
「美しい知恵 人へ、地球へ。」という企業メッセージを掲げ、「コスメデコルテ」「雪肌精」「ヴィセ」など、数々の人気ブランドを展開するコーセー。戦後間もない1946年に、故・小林孝三郎氏が小林合名会社を創業したことに始まり、以来、美の創造企業として社会に貢献してきました。小林氏は、「正しきことに従う心」を座右の銘にしていたと言われ、これがコーセーの企業精神の根幹となり、現在もコンプライアンス経営の要と位置づけられています。
2017年には4代目として小林一俊氏が社長に就任し、創業から続く小林一族による経営が同社の風土にも影響しています。口コミには、「(同族経営のため)軸が一本通っている」「舵取りする方が代わり方針が急転換するよりは、今の同族経営に賛成しています」というように、経営の安定性を評価する声が聞かれる一方、経営スピードの遅さを指摘する向きもあります。
また、ビューティーコンサルタントと呼ばれる販売員を中心に女性従業員が多く在籍する同社には、「育児と仕事の両立が無理なく可能」という口コミがある一方、営業職に関しては「ロールモデルになる女性が少ない」という声も。
社内の雰囲気については「かなりアットホーム」「社員を大切にする」という声があり、良くも悪くも、平穏で安定した企業であると言えるでしょう。
ビューティーコンサルタントには「店頭スタッフ」の他、担当企業従業員に対して、顧客づくりに必要なスキル向上をサポートする「専任スタッフ」、支店における美容教育の責任者である「教育スタッフ」、本社における美容教育の責任者である「本社スタッフ」という職種があります。
選考は基本的に、筆記試験と2〜3回程度の面接が行われます。面接は「集団面接だった」という口コミが多く、その中で「好きな化粧品をプレゼンしてください」というテーマが与えられることが多いようです。結果については、1ヶ月以内に通知された人が多いようです。
なおコーポレートサイトによると、ビューティーコンサルタントの募集形態は契約社員となっています。勤続1年以上で登用試験に合格した場合、その年の10月より正社員登用するとしています。研修制度やキャリアパスは整っているものの、社員として入社を希望する人は注意が必要です。
お伝えしたように、ビューティーコンサルタントの場合には、好きな化粧品をプレゼンする時間が設けられることが多いようです。その場合、必ずしもコーセーのブランドである必要はないようですが、聴衆を納得させられるプレゼンであることが大切です。当然、話す際の表情や言葉の選び方、コミュニケーションの仕方も評価の対象になってくるでしょう。
また、化粧品を手掛ける会社であるため、「メイクもきちんとしたほうがいい」という面接経験者からのアドバイスもあります。ブランドイメージとの整合性を見られる可能性がありますので、ブランドについてしっかりと研究して、イメージに相応しいメイクと服装で面接に臨むと良いでしょう。全般的に奇をてらった質問は少なく、和やかな雰囲気の中での面接となるようです。
コーセーの面接を受ける前に、中長期ビジョンである「VISION2026」を理解しておきましょう。
コーセーでは、創業80周年に向けてさらなる成長ステージを目指した中長期ビジョン「VISION2026」を策定し、この中で、売上高5000億円、営業利益率16%以上を目指しています。それに向け、「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化(Phase Ⅰ)」「世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求(Phase Ⅱ)」「世界のひとりひとりに存在感のある顧客感動企業への進化(Phase Ⅲ)」という3つのフェーズによるロードマップを描き、数値目標の達成を実現していく考えです。
2020年3月期第2四半期決算資料より
コーセー コーポレートサイトより
面接でよく聞かれる質問のひとつに、「なぜコーセーなのか」というものがあります。面接官はこの質問を通じて、「志望者のやりたいことは何か」「キャリアは生かされるのか」「コーセーのブランドイメージと合致しているか」など、採用に際して必要な様々な要素を見極めます。特に、化粧品会社はブランドイメージを大切にしていますので、「コーセーでなければいけない理由」を語れなければなりません。そのためには、競合他社との違いを明らかにする必要があります。ここでは、国内化粧品会社3社をピックアップしますが、これら以外にも外資系を含めてたくさんの競合が存在します。必ず他社研究をしてから面接に臨みましょう。
●株式会社資生堂
●花王株式会社
●株式会社カネボウ化粧品
コーセーが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
コーセーの場合は人柄に加えて、ブランドを理解しているかという点や、アットホームな社風にフィットしているかという点が見られる傾向にあります。また、化粧品を通じて「美」を追求する企業である以上、従業員には高い感性や美意識が求められます。日頃から様々なものに触れて感性を磨いたり、自分なりの「美」について考えたりしてみるのもいいかもしれません。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりとシミュレーションしながら面接対策をおこなってみてください。
コーセーの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●ビューティーコンサルタントの場合、美に対する高い意識はもちろん、表情や立ち居振る舞い、コミュニケーション能力が問われるので、これらを意識した自己研鑽が必要。
●中長期ビジョン「VISION2026」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜコーセーなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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