コーセーの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

コーセーの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

コーセーの2025年12月期3Q決算は、売上高2,405億円(前年同期比+0.7%)と微増。「DECORTÉ」等のハイプレステージが好調な一方、ピューリ社の新規連結や海外投資増で営業利益は135億円(-27.8%)となりました。「なぜ今コーセーなのか?」、新領域のOTC医薬品やグローバル展開における役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

新規連結のピューリ社がアジア成長を牽引する

2024年12月期より新規連結されたPURI CO., LTD.(パンピューリ)の業績が当3Q累計期間より寄与しています。タイを中心に「グローバルサウス」でのプレゼンスを強化しており、免税チャネルの不調を補う重要な成長エンジンとなっています。転職者にとっては、M&A後のPMI(統合プロセス)や海外ブランドのグローバル展開に携わるチャンスが拡大しています。

中国事業の構造改革により黒字を維持する

前年同期に実施した事業整理等の構造改革の成果が着実に現れており、厳しい市場環境が続く中国本土において当3Q累計でも黒字を維持しています。単なる拡大路線から、効率性と収益性を重視した運営体制へシフトしており、経営管理やマーケティングの最適化に関心がある専門人材にとって、改革の完遂を支える魅力的なフィールドとなっています。

日本国内のハイプレステージが大きく伸長する

国内事業では、旗艦ブランドの「DECORTÉ(コスメデコルテ)」やアルビオンが好調で、売上高は前年比+1.0%の増収を確保しました。特に新製品のヒットが貢献しており、高付加価値なブランド価値の構築とカウンセリングスキルの向上が進んでいます。ハイエンドな顧客体験を追求する営業・販売・商品開発職にとって、やりがいのある環境が整っています。

1 連結業績ハイライト

ハイプレステージブランドの成長で売上高は微増を維持。積極的な投資により営業利益は減益。
連結業績サマリー

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料 P.2

売上高 2,405億円 +0.7%
営業利益 135億円 -27.8%
親会社純利益 93億円 -0.3%

2025年12月期第3四半期の売上高は2,405億円となり、前年同期比で0.7%の微増となりました。「コスメデコルテ」やアルビオンなど、日本国内の主要ブランドが大きく売上を伸ばしたことが寄与しています。一方で、営業利益は135億円27.8%減)となりました。これは新規連結されたピューリ社ののれん償却費や、タルト社における物流費、ブランド認知維持のためのマーケティングコスト増が主因です。

通期計画の売上高3,360億円に対する進捗率は71.5%、営業利益200億円に対しては67.8%となっており、業績の進捗は概ね順調と言えます。下期にかけては日本での新製品展開や、北米におけるタルト社のホリデーコレクションなどが収益を押し上げる見込みです。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

ハイプレステージ領域への集中投資と、グローバル展開の加速が鮮明。
セグメント別実績

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料 P.8

化粧品事業

事業内容:ハイプレステージ(百貨店・専門店等)及びプレステージ(量販店・ドラッグストア等)のブランド展開。

業績推移:売上高1,899億円(前年同期比+1.3%)、営業利益116億円24.6%減)。

注目ポイント:「DECORTÉ」やアルビオンなど、単価の高いハイプレステージブランドが堅調です。新規連結のパンピューリもこのセグメントに寄与。中長期ビジョンに向け、付加価値を理解してもらうための店頭カウンセリング力の強化や、グローバルでのブランド育成に高度なマーケティングスキルを持つ人材が求められています。

注目職種:ブランドマーケティング、海外営業、ビューティコンサルタント(教育・トレーナー職)

コスメタリー事業

事業内容:コーセーコスメポート(株)等を通じたヘアケア、スキンケア、シートマスク等の日用品展開。

業績推移:売上高483億円(前年同期比2.1%減)、営業利益52億円22.7%減)。

注目ポイント:競争激化の影響を受け減収減益ですが、「メイクキープ」シリーズなどは好調に推移しています。成長領域(ヘアケア)と重点領域(クレンジング等)の競争力強化を掲げており、11月には新製品「ソフティモ ブラック」を投入。ドラッグストア等の激戦市場でシェアを奪回できる、データ分析に基づいた販促企画やSCMの最適化が課題です。

注目職種:リテール営業、販売促進企画、サプライチェーンマネジメント(SCM)

地域別動向(日本・アジア・北米)

日本:売上高1,570億円+1.0%)。「DECORTÉ」やアルビオンの主要ブランドが成長を牽引しています。

アジア:売上高298億円0.4%減)。免税チャネルの不調を、新規連結のピューリ社(+34億円)が打ち返しました。

北米:売上高474億円+1.5%)。「タルト」は実店舗での苦戦を、大手ECとの取引開始や自社ECの好調でカバーしています。

注目ポイント:(注:ピューリ社は前年同期は未連結のため単純比較不可)。海外売上比率は34.7%に達し、地域ごとに異なる課題を解決できるグローバルな事業管理能力が必要です。

注目職種:海外事業管理、Eコマース戦略、グローバルロジスティクス

3 今後の見通しと採用の注目点

グローバルサウスへの拡大と、OTC医薬品領域への新規参入で事業領域を拡張。
今後の戦略

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料 P.26

コーセーグループは、構造改革の完遂と基盤再構築を進めています。今後の注目は、化粧品以外の「ウェルビーイング領域」への拡大です。9月にはマルホ(株)との合弁会社より、グループ初となるOTC医薬品「ヒフニック」を発売しました。これは単なるスキンケアを超え、医療に近い視点で肌悩みに応える新たな挑戦です。

また、海外展開ではタイの「パンピューリ」を起点にグローバルサウス市場への浸透を加速させる方針です。北米市場でも主要空港の免税店へのポップアップ展開など、認知度向上に余念がありません。既存の「美」の枠組みを飛び越え、グローバル×ヘルスケアの領域で新しい価値を創出できる変革リーダーの存在が、今後の成長のカギとなります。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

コーセーは現在、高付加価値ブランドへの集中と海外展開の質的向上を掲げています。単に「化粧品が好き」だけでなく、「パンピューリとの相乗効果をどう生むか」「OTC医薬品という新領域でのブランド価値をどう構築するか」といった、事業成長に直結する視点を盛り込むことが効果的です。

Q&A 面接での逆質問例

「中国市場における構造改革を経て、現在はどのような投資判断の基準を持たれていますか?」や、「OTC医薬品事業への参入により、既存の化粧品開発プロセスや研究開発部門との連携にはどのような変化が生じていますか?」など、将来の戦略を深掘りする質問が好印象を与えるでしょう。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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自分の提案が役立ったときの達成感は大きい

お客様の声を直接聞く機会が多く、自分の提案が役立ったときの達成感は大きいです。新商品が次々と登場するため、どのように販売するかを考えるのが楽しいです。本社での研修は非常に有意義で、学びが多くモチベーションも高まります。自分の成長は自分次第という環境ですが、やる気があれば多くのことを学べる職場です。

(40代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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業務の進行速度が他社と比べて遅い

大手企業であるため、安定した職場環境が期待できるのも魅力の一つです。しかし、全体的な業務の進行速度が他社と比べて遅いと感じることがあります。特に一部のブランドを除いて、時代の流れに追いついていない印象を受けることもあります。

(20代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2025年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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