2021年06月21日
フランス発の世界的化粧品メーカー「ロレアル」の日本法人、日本ロレアルへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめ転職を成功させましょう。
同社はフランスに本社を置く、コスメ、ヘアケア・ボディーケア商品、香水などを扱う総合化粧品メーカー「ロレアル」の日本法人(外資系企業)です。ランコム、ヘレナルビンスタイン、メイベリンニューヨーク、シュウウエムラ、ボディショップといった人気コスメブランドや、高級志向のジョルジオ アルマーニ コスメティックスやラルフ ローレン フレグランスなど、たくさんのブランド製品を取り扱っています。
2020年時点で34ブランドと圧倒的なブランド数を誇っていることから、化粧品市場において上位にあり、世界の7大美容ブランド企業の一角を担っています。
同社での主な仕事は、本国より各ブランドの商品を仕入れ、国内に展開させること、また徹底したマーケティング活動です。口コミを見ると、「社内の力関係においてマーケティング部門が強い」という声が聞かれます。国内での展開先は、美容サロンや化粧品専門店など代理店への販売(BtoB)と、百貨店などのテナント(直営店)で専属美容部員による販売(BtoC)があります。
国内の研究所で開発され、製品化された商品もたくさんあります。一例として、洗い流さないトリートメントや、世界的なヒット商品となったマスカラなどがあげられます。
仕事の進め方は、経営部門より発信される事業戦略に基づき、自分が所属するフィールドの中で、個人の裁量で動くことが多いようです。口コミには「一人ひとりの能力が高い」「自主性に任されている」「自分の判断で進められる」といった声が多く聞かれます。
また、同社の商品は女性向けが大半であるため、従業員の男女比を見ると女性の方が多く、他業界と比べると女性管理職も多いようです。このことから、ジェンダーに関係なく能力とやる気があれば出世ができる職場環境であると思われます。
一方で、美を追究する業種であるため「感性重視」の面もあるようです。「ロジカルだけでは納得してもらえない」「感性重視のマーケティング」「半年かけて準備してきたことが上司の感覚でキャンセルされた」といった口コミも見られます。一般的に欧米企業ではロジカルであることが重んじられますが、同社の場合はエモーショナルな表現力も兼ね備えた人材が必要とされているようです。
さらに、「フランス文化」として、ディスカッションの長さをあげる人がいます。顔を突き合わせてとことん話し合えるのはよいことですが、その反面、「細かいことにこだわりすぎていて、なかなか進まないことがある。このようなとき、日本人にとってはやりにくいと感じることがある。」という口コミが見られました。
以上のことから同社の社風は、「フランス文化をベースに、ロジカル思考力とエモーショナルに伝える力のバランスが取れた自立心の高い人が多く、ジェンダーに関係なく活躍できる職場」ということが言えるでしょう。
同社の中途採用は、書類選考の後、3次面接まで行われます。1次は人事担当者、2次は配属予定先の上司、3次はさらにその上の上司、となるようです。
選考期間は、1~2週間で内定をもらった、1ヶ月くらいかかったなどさまざまです。転職エージェントを介して応募した人は比較的はやく結果が出るようです。中には2次と3次が同日で、その日のうちに内定をもらったという人もいます。
同社は外資系ということで、面接では英語によるやりとりもあります。語学が必須条件ではない職種でも、英会話ができると有利になるという口コミが多く見られるため、中途採用ではこの点をふまえておく必要があるでしょう。経営陣にフランス人が多いことから、フランス語ができるとなお有利なようです。ビジネスレベルの英語力が必須となる職種では、日英の履歴書を提出するところから採用プロセスがスタートします。
同社への応募は公式サイトから行うことができますが、エントリーサイトは英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語でできており、日本語サイトはありません。英語サイトでは、一部の職種紹介のみ日本語で表示されるようになっています。この点からすると、同社社員の語学力は「暗黙の了解」と言えるのかもしれません。
外資系企業と聞くと、「日本企業の面接とは異なる質問をされるのでは?」といった不安を抱く人がいるかもしれませんが、「志望動機」「前職での成功・失敗例」「前職での業績や成果」といったオーソドックスな質問が中心となるようです。面接が進むと、前職での実績に関して深堀りされることも多いようなので、事前にキャリアの棚卸しをしっかり行っておきましょう。
中にはプレゼン資料を作り、面接の場で披露したという人もいます。同社への転職を望む人は、独自のPR方法を考えてみるのもよいかもしれません。
なお、女性に対しては「あなたにとって美とは」「肌荒れはしやすいか」「どこの化粧品を使っているか」といった質問がされています。これらの質問から、美容に対する意識の高さと同社への本気度を見極められていると考えられます。ブランドビジネスに携わる人には「自社ブランド愛」が求められますので、同社を志望する人は面接までにいくつかの商品を使ってみて、商品力を見いだしておくとよいでしょう。
ロレアルグループは2020年現在、34もの個性あるブランドで形成されているため、グループ共通の中長期計画といったものは見られません。では何を参考に自己分析をしていくかというと、同社の文化を深く理解することが重要なポイントとなります。ここでは、同社の「企業理念」と採用情報に掲載されている「日本ロレアルの文化」について見て行きましょう。
日本ロレアル 企業理念
日本ロレアル VISION
日本ロレアル MISSION VALUES
日本の伝統企業における企業理念は、「経営理念・社是・行動指針」または「企業理念・ビジョン」で作られているのが一般的ですが、外資系企業の多くは「ビジョン・ミッション・バリュー」で表されているのがポイントです。
さらに同社の文化について、下記の4つの視点で表現されています。
日本ロレアルの文化(日本ロレアル公式サイト内 採用情報より)
興味深いのは「詩人と農夫」の箇所です。地道に働くことを「農夫」に例え、また夢を追う人を「詩人」に例えている点は、いかにもフランス的な感性と言えるでしょう。
これらを意識しながら自己分析を進めてみましょう。グローバルな視点で国内マーケットを見据え、さらに日本のよさを融合したブランド作り・商品開発を目指す情熱を持っている。そして「ロレアリアン」、「ロレアリアンヌ」としての美意識を育みながら、飽くなき探求心とチャレンジ精神で挑んでいく。このような姿勢でアピールしていけば、面接の場で好印象を与えることができるでしょう。
面接では「なぜ日本ロレアルなのか」という質問は間違いなくされると思います。同社は世界の7大美容企業の1社であることから、誇り高い面があることが想定されます。そこで、同社の魅力や強みを明確にするために、他社研究もしっかり行っておきましょう。
比較対象として、7大美容企業を押さえておきましょう。中でも、ブランドラインが似ている企業と、国内で競合となり得る化粧品メーカーを見ておくことをおすすめします。下記は競合と考えられる企業の一例です。
●株式会社資生堂
●ELCジャパン株式会社(エスティ―ローダーの日本法人)
●花王株式会社
●プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社(P&Gの日本法人)
日本ロレアルが目指している方向性や、どういった人材が求められているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。日本ロレアルの場合、グローバルセンスや「ブランドを創っていくメンバーの一員」という高い意識を必要とされる点から、「自立心と柔軟性を持ち、ロジカルな思考力とエモーショナルに伝える力を兼ね備えた人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
日本ロレアルの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●フランス文化と美容ブランドという社風を理解し、ロジカル思考力とエモーショナルに伝える力を持つグローバル人材であることをアピールする。
●同社の「ビジョン・ミッション・バリュー」を深く読み解き、自己分析につなげる。
●他社研究を通して同社の魅力を自分なりに分析し、ロレアリアン・ロレアリアンヌになることをアピールする。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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この記事の執筆者
編集ライター業の傍ら、大学や企業でインターシップ支援・キャリア支援を行う(企業研究方法・マーケティング・面接対策・マナー講座等)。インディーズの音楽シーンで活動していたという異色の経歴を持つ。