2021年06月21日
電力大手10社の一角で、主に北陸3県への電力供給をおこなう北陸電力への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
主に北陸3県で電力の小売りや発電などをおこなう北陸電力。発電キャパシティとしては火力発電が過半を占め、年間26,060百万kWhの電力を販売しています(2018年度)。
インフラを支えてきた歴史ある企業ゆえに、その社風は堅実です。例えば、「コンプライアンスの遵守は絶対視される」というように、社員には高い倫理観を持った意思決定と行動が求められます。また、「決断のスピードが鈍重だと感じる」「ペーパーによるやりとりが非常に多く、中途採用の方からいつも驚かれる」などの口コミからもわかるように、保守的で安定を重視した企業風土が築かれてきました。しかし、近年、古い体質から脱却を図る動きが見られます。具体的には、「年功序列は少なくなってきた」「女性管理職を増やす流れになってきてる」「ハラスメントの根絶が重要視されている」といったコメントがそうした動きを表していると言えるでしょう。
社員間の交流に関しては部門によって雰囲気に違いがあるものの、「風通しが良い」「人間関係が良好で働きやすい」「先輩後輩という枠にとらわれずに、よい意味で自分の意見や主張を言い合える」といった声が聞かれます。そして、その根底にあるのは、北陸を盛り上げようとするマインドだといいます。
総じて、堅実な社風と風通しの良い職場環境が特徴の北陸電力。面接にあたっては、高い倫理観を持って行動できる人材であることはもちろん、古い体質からの脱却の局面でどう行動できるかという視点を持って臨む必要があります。さらには、北陸への貢献意欲を熱意を持って伝えたいところです。
コーポレートサイトに選考フローに関する記載はありませんが、口コミ等の情報によると、書類選考を経て、筆記試験と2回程度の面接がおこなわれるようです。一次面接では部長クラス、二次面接では役員クラスが面接官を担当するという口コミが見られました。
内定までの期間は2週間から3ヶ月程度と幅があります。現職との調整などにより面接日の設定に間隔が空いてしまうこともあるため、スケジュールには余裕を持たせると安心です。
同社の中途採用は、専門性を重視した「中堅人材コース」と将来性を重視した「若手人材コース」に分かれます。いずれのコースもさまざまな職種で通年採用をおこなっていますので、コーポレートサイトで確認してください。
口コミ情報によると、オーソドックスな質問が多いということです。志望動機や入社後のビジョン、自己PRについてはしっかりと自分の言葉で伝えられるように準備をしておく必要があります。
そのためには、企業研究と自己分析を徹底的におこない、同社のビジョンと自分のビジョンとの整合性や、同社の戦略と自分のやりたい仕事との整合性などを見極める必要があります。そのうえで、自分の経験や強みをどう生かすことができるのかを論理的に語ることが大切です。加えて、北陸出身でない場合には、「なぜ北陸なのか」が問われます。同社では、北陸への貢献意欲を重要視しているため、この問いに対しては明確な回答が必要でしょう。
面接は和やかな雰囲気の中でおこなわれることが多いということです。入社に対する熱意を伝えられるようにしっかり準備を進めましょう。
北陸電力グループでは、将来の事業環境や社会ニーズの変化を踏まえ、2030年度に向けた長期ビジョンとして「北陸と共に発展し,新たな価値を全国・海外へ」というありたい姿を打ち出しています。これは、北陸地域の持続的な発展に主眼を置いたうえで、その価値を北陸のみならず、その他の地域へと展開させることを目指したものです。
北陸電力グループ 2030長期ビジョン・第一次中期経営計画資料より
このビジョンに向けた2つの基本戦略が「北陸を基盤とした総合エネルギー事業の拡大」と「新たな成⻑事業の開拓」です。この基本戦略のもと、2019年度から2030年度までを「回復・挑戦期」「成⻑期」「飛躍期」の3つの期間に分けて、ありたい姿の実現を目指します。
北陸電力グループ 2030長期ビジョン・第一次中期経営計画資料より
第⼀次中期経営計画にあたる2019年度から2022年度までの4カ年は「回復・挑戦期」であると同時に、長期ビジョン実現に向けた最重要期間と位置づけられています。当該計画では、「安定供給の確保」「総合エネルギー事業の競争⼒強化」「グループ総⼒による事業領域拡大」「企業文化の深化」の4つを経営方針に据え、既存事業の利益拡⼤に加えて、新規事業への積極投資をおこなう方針です。
北陸電力グループ 2030長期ビジョン・第一次中期経営計画資料より
面接準備として、長期ビジョンや第一次中期経営計画を理解し、これに沿った自己分析を進めることが大切です。経営方針のひとつに挙がっている「企業文化の深化」では、他業種との提携による出向のほか、中途採⽤の活⽤や社内外研修等の実施により、創造⼒のある多様な人材の育成と確保に取り組むとしています。積極的な中途採用の活用は、中途社員に対する期待の大きさを意味すると言えるでしょう。
選考を通じて聞かれる質問のひとつに「なぜ北陸電力なのか」というものがあります。面接官はこの質問により、「入社への熱意」「社風にフィットした人材か」「ビジョンや経営計画に沿った人材か」といった点に加え、「北陸に貢献できる人材か」ということを判断しています。
同社の事業内容や経営計画などを理解するとともに、競合他社についても情報収集をおこなうことが重要です。そうすることで、事業展開についてはもちろん、組織文化や風土、目指す姿にそれぞれの違いがあることがわかるでしょう。多数の電力会社が存在する中で、「なぜ北陸電力なのか」についての考えを明快に語れるように準備を進めてください。
ここでは、参考として以下の3社をご紹介します。
●東京電力ホールディングス株式会社
●中部電力株式会社
●関西電力株式会社
北陸電力が目指している方向性や、求める人材像が見えてきたのではないでしょうか。
堅実な社風と風通しの良い職場環境が特徴の北陸電力。同社は電力供給をおこなうインフラ企業であることから、企業の社会的責任について正しく理解して行動できる人材が求められます。また、「北陸」に対して貢献する意欲が重要視されます。それは、「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」という同社の長期ビジョンにも繋がるポイントです。
面接にあたっては、「高い倫理観を備えて北陸に貢献できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
北陸電力の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●高い倫理観を持って行動できる人材であることや、北陸への貢献意欲を具体的なエピソードを交えてアピールする
●2030⻑期ビジョンならびに第一次中期経営計画に沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。
●競合他社についても情報収集をし、「なぜ北陸電力なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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