2021年06月21日
都市空間移動システム(エレベータ・エスカレータ・動く歩道)の専業メーカー、フジテックへの転職。中途採用は新卒とは異なり、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間としても評価されるので事前にしっかり対策しましょう。
1948年設立のフジテックは、昇降機(エレベータ・エスカレータ)に特化し、研究・開発、販売、据付から保守(メンテナンス)そして改修(リニューアル)にいたるまでを一貫して行う会社です。
日本国内に50数万台あるエレベータやエスカレータですが、市場の約9割を上位5社(三菱電機、日立製作所、東芝、フジテック、日本オーチス・エレベータ)が占めていると言われています。製造とメンテナンス業務をグループ会社内でそれぞれ行うという形態が多い中、フジテックは1社ですべてを担っているのが特徴です。
ビルやマンション、駅など私たちの暮らしの中に溶け込んでいるエレベータやエスカレータですが、製品のたしかな品質と適切な保守が行われなければ安全かつ快適に利用することはできません。それらを担うフジテックは、実際に働く社員の口コミから「強固な人間関係が強み」「風通しのよさ」「安全を守る意識の高さ」をうかがい知ることができます。また、オリンピックの影響もあり新設需要の高まりを受け、技術職員は据付業務の応援に加わることもあるなど、全社として忙しく働く社員が多いといえそうです。つまり、安全・快適のために努力し続けるアットホームな環境。このような社風で力を発揮できる人材かどうかを、採用面接では見極められることになると考え準備をすすめましょう。
公式ホームページでは、選考フローや内容の詳細は公開されていません。しかし、実際に選考を受けた方の口コミによると、書類選考後、適性検査と面接で構成されているようです。
一次面接官は、管理部門(人事担当者)と応募先部門が担当。中途採用面接は1~2回が一般的なので、二次面接の際には部門長など役職の上の方が面接官として対応すると想定して準備をすすめるとよいでしょう。
現在募集中の職種は技術職と営業職です。技術職は、エレベータやエスカレータの据付・改修の担当であり、基本的には緊急の呼び出しはありません。営業職は、新規導入提案・既存顧客対応・リニューアル提案と3種類募集されています。具体的な仕事内容や就業環境などが求人情報に掲載されているので、同じ営業職であっても自身の希望する仕事内容や働き方と合致するものに応募することが大切です。求人の採用勤務地は東京・名古屋・福岡とさまざまで、いずれの職種も将来的に転勤の可能性があるようなので、気になる方は範囲についても確認しておきましょう。
面接内容は一般的な内容がほとんどのようです。「転職を希望するきっかけや理由」「志望動機」「入社して実現したいこと」「職務経歴や実績」などについて、自身の考えをまとめておくことで対応可能といえます。
また、「転職理由」について繰り返し何度も質問されることもあるようです。面接官は、応募者がなぜ転職しようと考えているのか?理由によっては、仮に入社しても同じ理由でまた転職してしまうのではないか?などさまざまな思いを巡らせます。応募者自身の気持ちや考えが明確になっていなければ、繰り返しの質問に対して回答がぶれてしまう恐れもあるので注意が必要です。また、「この業界を選んだ理由」について質問があることも。この質問に対応するためには、業界の仕組みや特徴についてある程度理解している必要があります。
面接は穏やかで話しやすい雰囲気のようなので、安心して臨めるでしょう。
フジテックの面接を受ける前に、中期経営計画"Innovation, Quality & Speed"を理解しておきましょう。
同社は2019年4月に2019年度から2021年度の新中期経営計画"Innovation, Quality & Speed"を発表しました。掲げている目標数値は、売上高1800億円、営業利益130億円(内日本は62億円)です。具体的には、以下の画像にある4つの行動ビジョンを通じ実現を目指しています。
フジテック公式HPより
1つ目の行動ビジョンは地域戦略であり、日本・東アジア・南アジア・北米と欧州の4つに分類し、マーケットそれぞれの要望をしっかりと把握しニーズに沿った製品販売を強化していく方針です。2つ目は、商品・技術戦略で、エレベータ・エスカレータそれぞれ独自の先進技術開発をすすめ、付加価値の創出を行います。3つ目は、オペレーション戦略で生産体制を自動化し効率化を追求することや、デジタル技術を活用した拠点の連携強化です。4つ目はコーポレート戦略で、経営資源の適正配分などを掲げています。その中でグローバル人材の育成については、東京・シンガポールにおけるサービス品質向上について言及していました。
つまり、これまでにグローバルで活躍してきた経験のある方は、自身ができることを具体的なエピソードを踏まえてアピールするとよいでしょう。さらに面接の際には、同社の求める人材像でも触れられている通り、「一人ひとりが積極的な姿勢で自律的に行動する」ことで、行動ビジョンを実行し目標の実現を目指していることを意識することが大切です。
面接で必ずといっていいほどよく聞かれる質問のひとつに「なぜフジテックなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいことは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向です。それと同時に、「募集しているポジションにマッチするかどうか」や、「業界や職種、会社についてどの程度理解しているのか」を見極めているといえます。
面接の前には、上記のような質問の意図を自分なりに想像し、考えを整理しておきましょう。また、会社理解を深めるにあたって、競合となる他社も含めた業界研究が不可欠です。具体的には、以下のような企業について調べておくとよいでしょう。
●三菱電機ビルテクノサービス株式会社
●株式会社日立ビルシステム
●東芝エレベータ株式会社
●日本オーチス・エレベータ株式会社
フジテックが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。フジテックの場合「安全・快適のために努力し続けるアットホームな社風」といえます。このような環境において、実力を発揮できる人材であると、具体的なエピソードをふまえ伝えることが大切です。また、中期経営計画を理解したうえで、どのように貢献できるのかをまとめておきましょう。
以下では面接経験者が、実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
フジテックの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「安全・快適のために努力し続けるアットホームな社風」であることを理解し、そのような環境で力を発揮できる人材であることをアピールする。
●経営計画を理解してこれに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜフジテックなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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