0 編集部が注目した重点ポイント
① 受注高と営業利益で過去最高額を更新する
2026年3月期第2四半期において、受注高は1,400億円、営業利益は114億円に達し、過去最高額を更新しました。日本国内や米州・欧州での好調が全体を牽引しており、特に営業利益は前年同期比で25.4億円の増益となるなど、収益性が大幅に向上しています。転職者にとっても、成長性と安定性が両立した事業環境は大きな魅力といえます。
② 新型機の出荷と設計業務の自動化を推進する
2025年4月に販売を開始した国内向け標準型エレベータ「エレ・グランス」を9月に初出荷しました。さらに、自社開発のシステムにより図面作成の自動化を実現。顧客への対応スピード向上と設計品質の安定化を図っています。技術革新による業務効率化は、現場の負担軽減と高付加価値な仕事への集中を可能にするポジティブな変化です。
③ インドでの研修施設拡充でグローバル成長を狙う
成長市場であるインドにおいて、チェンナイ本社の研修施設刷新に加え、アーメダバードに新たなスキル開発センターを新設しました。合計で一度に130名規模の研修が可能となり、今後の事業拡大に向けた人材育成基盤を強化しています。グローバルな舞台で専門性を磨きたい求職者にとって、教育体制の充実は心強い要素です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期第2四半期連結業績概要 P.4
売上高
1,154億円
(前年比 ▲1.1%)
営業利益
114.1億円
+28.8%
営業利益率
9.9%
+2.3pt
当第2四半期の累計実績は、売上高1,154億円と前年同期をわずかに下回ったものの、為替影響を除くと実質的な増収を達成しています。特筆すべきは利益面で、営業利益、経常利益、中間純利益のすべての利益項目で過去最高を更新しました。日本市場での採算改善や、米州・欧州での保守サービス(アフターマーケット)の価格改定が功を奏し、営業利益率は9.9%まで向上しています。
通期予想に対する進捗について、営業利益(229億円予想)に対し当中間期で114億円(進捗率49.8%)となっており、業績は概ね順調に推移しています。下半期に向けても、新型機の普及やデジタル化による効率改善が利益を押し上げる見通しです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期第2四半期連結業績概要 P.5
日本
事業内容: エレベータ・エスカレータの研究開発、製造、販売、据付、保守サービスを展開。
業績推移: 売上高470億円(前年比+7.8%)、営業利益61億円(同+24.5億円増)と大幅な増益を達成。
注目ポイント: 新設事業では受注台数と平均単価が上昇し、保守・修理・モダニゼーション(改修)の全事業が好調です。特に新型機「エレ・グランス」の本格稼働に伴い、据付作業の効率化や設計のデジタル化を推進できるIT・エンジニア人材の需要が高まっています。
東アジア
事業内容: 中国、香港、台湾、韓国を中心とした製造・販売・保守事業。
業績推移: 売上高317億円(前年比▲9.3%)の一方、営業利益20億円(同+7.9億円増)と収益性は改善。
注目ポイント: 中国市場の不動産不況による減収を、香港での保守事業拡大や工事損失引当金の減少がカバーしました。厳しい環境下でも利益を確保するためのコスト管理と収益改善のノウハウを持つ人材が求められるフェーズです。
南アジア
事業内容: シンガポール、インド、インドネシア、マレーシアでの事業展開。
業績推移: 売上高186億円(前年比+2.7%)と増収ながら、営業利益21億円(同▲11.7億円減)。
注目ポイント: インドやインドネシアでの需要増を捉えていますが、マレーシアでの採算悪化やインドでの人員増による人件費増加が利益を圧迫しました。スキル開発センターの新設により、現地スタッフの教育を通じた生産性向上が急務となっており、教育・研修の知見を持つ人材への期待が高まっています。
米州・欧州
事業内容: 米国、カナダ、英国を中心に据付・保守サービスを提供。
業績推移: 売上高252億円(前年比▲7.1%)だが、営業利益は9億円(同+2.8億円増)で過去最高益。
注目ポイント: 米国での工事進捗遅れの影響を受けたものの、カナダでの採算改善や米国での保守価格改定が利益に大きく貢献しました。「アフターマーケット主導」の安定収益モデルを確立しており、顧客との長期的な関係構築を担える人材が活躍できるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期第2四半期連結業績概要 P.9
同社は2028年度までに売上高2,830億円、営業利益440億円、営業利益率15.5%を目指す中期経営計画「Move On 5」を推進しています。今期はその「3つの柱」である「地域/事業ミックスの選択と集中」「高品質と高収益性の両立」「強靭な事業基盤の構築」において着実な成果を上げています。
特に注目すべきは、2025年4月に本格稼働した品質評価施設「ウィズダム スクエア」を通じた品質管理体制の強化です。これにより、日本国内だけでなくグローバル全体で共通の高品質なサービスを提供することが可能になります。また、設計の自動化などDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資も継続しており、製造・設計現場のワークスタイル変革に興味がある方にとって、変革期ならではの挑戦機会が豊富に存在します。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「世界を、もっとフラットに。」という新ブランドビジョンへの共感を中心に据えると良いでしょう。同社は単なる移動手段としての昇降機ではなく、社会の物理的・心理的バリアを取り除くインフラとしての価値を再定義しています。特に「エレ・グランス」の展開や、設計業務の自動化による生産性向上など、具体的な技術変革に触れながら、自身の専門性をどのように「高品質と高収益性の両立」に貢献させるかを伝えると効果的です。
面接での逆質問例
・「設計自動化システムの導入により、現場のエンジニアがより注力すべき創造的な業務や高度な設計課題にはどのようなものがありますか?」
・「インドでの研修施設拡充などグローバルでの人材育成に注力されていますが、日本の拠点から技術指導や海外拠点管理に携われるチャンスはどの程度ありますか?」
・「『ウィズダム スクエア』の稼働により、製品の品質向上だけでなくメンテナンス・サービス面でどのような変革を目指されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
誰もが知っているような建築物に関わることができる
最近は大規模な再開発案件を獲得する方針のため、誰もが知っているような建築物に関わることができる。自社の製品が納品されてると感じると、やはり嬉しい。
(30代前半・購買・資材・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期連結業績概要(フジテック株式会社)
- 2026年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(フジテック株式会社)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。