2021年06月21日
世界中で愛用されているノートPC「ThinkPad」で知られるレノボ・ジャパン。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
2005年4月、IBMのPC部門と中国レノボとの統合によって誕生したレノボ・ジャパン。「ThinkPad」を代表とするThinkブランドのPCやタブレットを開発し、PC市場における世界No.1シェアを持つ企業です。2011年にはNECパーソナルコンピュータとともに「NECレノボ・ジャパングループ」を発足させ、グループとしてThinkブランドやNECブランドのPC・タブレットを取り扱っています。
その社風は「グローバルでオープン」。上下関係に関わらず「さん」付けで呼び合う文化であり、基本的に常にドアが開けられたエグゼクティブ・ルームには社員がいつでも立ち寄ることが可能です。グローバル企業として人材の多様性を重視しており、性別、国籍、障がいの有無などによる差別はありません。
また、テレワークを推進するなど、ワークライフバランスに対する取り組みも進めています。口コミには、「自由に時間はマネージできる」「夕方までに終わらなかった分は、子どもたちと食事をした後に自宅で再開すれば問題ない」というコメントが見られ、従来の残業体質からの脱却がうかがえます。さらに、給与や福利厚生などの待遇面でも満足しているとの声が多く聞かれました。
一方、社内では英語が必須であり、数字に対しても厳しいようです。「常に高いパフォーマンスを求められる」という状態のなか、プレッシャーに押しつぶされずに、これを成長の糧とするマインドが必要だと言えるでしょう。
選考プロセスは、以下のとおりです。
応募 → 書類類審査(1~2週間)→ 面接(2~3回)→ 審査 → 採用通知 → 入社
選考に要する期間はポジションや状況により異なるものの、通常1~1.5ヶ月程度となっています。また、海外在住の場合でも応募は可能で、オンラインまたは帰国のタイミングで選考がおこなわれます。
2020年6月現在、同社のコーポレートサイトでは多数の中途採用が募集されています。職務内容や応募資格をしっかりと確認の上、自分の経験やスキルと照らし合わせて応募しましょう。なお、同社の案件を扱う転職エージェントもありますので、こうしたサービスを利用するのも一案です。キャリコネにも情報が掲載されていますので参考にしてみてください。
一般的な内容から実務上での意思決定を問われるような内容まで多岐にわたっていますので、幅広く準備をおこなって臨みましょう。
「矢継ぎ早にいろいろなことを質問された」という面接経験者は、「とにかくテンポよく答えられるかどうかがキーだった」と振り返ります。テンポよく答えるためには、基本的な質問に対する事前準備が不可欠です。少なくとも、自分の「やりたいこと」「できること」は明確にしておきましょう。その際、話を掘り下げられることもありますので、具体的なエピソードを用意しておくことをおすすめします。
また、あるケースに対して、「あなただったらどうしますか?」と問われることもあります。こうした質問では、どういう判断軸で意思決定するのかを見ていますので、環境分析を適切におこなった上での論理的な回答が望まれるでしょう。
そのほか、「海外のディレクターとの電話のインタビューがあったため、想定問答や質問の英語メモを作成した」という口コミもありますので、事前準備の参考にしてみてください。
レノボ・ジャパンの面接を受ける前に、同社のビジョンを理解しておきましょう。
レノボでは、「多くの人々が所有したいと思うようなパーソナルデバイスの創造」「より多くの人々が分かち合いたいと思うような文化の醸成」「世界中から尊敬を集めるような永続的で信頼される事業の推進」を目指しています。その実現に向け、グローバル企業として力を入れているのが、下図のような取り組みです。
レノボ コーポレートサイトより
また、自社について「中国企業」や「米国企業」でもない「新しい真のグローバル企業」だとしているのが特徴です。本国の中央集権的な意思決定とローカルへの画一的な指示・オペレーションという従来型のグローバル企業の場合、ローカルでの裁量余地がないために、社員のやりがいの低下を招くと考えています。そのため同社では、ローカルとしての裁量を相当程度認め、ローカルのユニークさや多様性を尊重する方針です。これにより、日本市場に適した戦略策定と実行を可能とし、組織の活性化につなげるとしています。だからこそ、各社員においても、自らが考え、主体的な仕事によって成果を出していく必要があるのです。
面接にあたっては、同社のビジョンやグローバル企業としての考え方を理解し、その上で、仕事に対する姿勢を伝えられるようにしましょう。
選考を通じて聞かれる質問のひとつに「なぜレノボ・ジャパンなのか」というものがあります。面接官はこの質問により、「入社への熱意」「社風にフィットした人材か」「ビジョンへの共感」などを見極めます。
この質問に答えるためには、同社について深く理解するだけでなく、競合他社についても情報収集をおこなわなければなりません。そうすることで、事業についてはもちろん、組織文化や風土、目指す姿にそれぞれ違いがあることがわかるでしょう。
少なくとも以下のような企業について情報収集をおこなって、理解を深めてください。そして、「なぜ他社ではなく、レノボ・ジャパンを選ぶのか」について自信を持って語れる状態にしておきましょう。
レノボ・ジャパンの社風やビジョンを理解することで、どんな人材が必要とされているかが見えてきたのではないでしょうか。同社の選考では、その社風を理解することはもちろん、真のグローバル企業人として主体的に仕事に取り組める人材であることを伝える必要があります。論理的かつ具体的にアプローチできるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
ここからは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接対策の総仕上げとして、これらの質問を参考に面接シミュレーションをおこなっておきましょう。
レノボ・ジャパンの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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