2022年08月25日

【平均年収941.8万円】トレンドマイクロの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【年収研究シリーズ】トレンドマイクロ社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。


トレンドマイクロの平均年収は941.8万円

トレンドマイクロの有価証券報告書によると、平均年収は941.8万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考にトレンドマイクロの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で480〜530万円、30歳代で730〜780万円、40歳代で950〜1000万円となりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.9倍の額です。

トレンドマイクロの平均年収推移

グラフが表示されない場合はこちら
トレンドマイクロ・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移
決算月平均年収平均年齢平均勤続年数従業員数
2021年12月期941.8万円40歳9.1年792人
2020年12月期921.8万円39.47歳8.6年787人
2019年12月期871.1万円39.49歳7.8年747人
2018年12月期882.4万円39.7歳7.8年744人
2017年12月期915.2万円39.4歳7.4年726人

出典:トレンドマイクロ・有価証券報告書

過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
トレンドマイクロの平均年収は前年を上回り941.8万円でした。
過去5年間では最高額になりました。

トレンドマイクロの年代別平均年収と中央値

トレンドマイクロの年収中央値は30代で752.3万円

続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。

トレンドマイクロの年収実態
年代平均年収平均月収平均ボーナス年収中央値
20代499.2万円32.5万円89.6万円449.28万円
30代752.3万円48.3万円135.1万円677.07万円
40代966.6万円61.7万円173.7万円869.94万円
50代1052万円67万円189.1万円946.8万円

※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出

トレンドマイクロの年収が高い理由

営業職のインセンティブと「パフォーマンスボーナス」

トレンドマイクロの年収の高さの理由として、後にも詳述しますが、営業職の「インセンティブ」があります。これは、成果によって大きく年収を変動させるものであり、口コミを見ると、「インセンティブで技術系より年収が二倍くらいになる」「同じ階級でも給与レンジは300万円程度の幅がある」というほどのインパクトの大きさです。

さらに、業績次第とはいうものの、「パフォーマンスボーナス」という株価連動の賞与が支給されることも、年収を高くする一つの理由になります。前項の通り、同社の業績は増収増益を続ける見込みもあるため、この「パフォーマンスボーナス」の金額についても、増加が期待できます。

トレンドマイクロの給与体系・内訳

年俸制、賞与は年4回

トレンドマイクロの給与体系は、年俸制であり、年俸額の1/15が月給として支給され、残り3/15が4分割され、年4回の賞与として支給されます。また、これ以外に会社の業績次第ではあるものの、追加で「パフォーマンスボーナス」が支給されます。

しかし年俸額の内訳は、職種によって異なります。技術職や管理部門の社員は、上記のルールがそのまま適用されます。しかし営業職の場合は、年俸額が、「基本給」と「インセンティブ」の2つの要素で構成され、その比は7:3となっています。目標の達成度具合で「インセンティブ」金額が変動するため、成績次第で大きく年収が上がることもあり得ます。一方で技術職は数字目標が課せられない代わりに、インセンティブはなく、年収は固定的です。

それ以外の諸手当としては、通勤手当以外には大きなものはありません。しかしその代わりに、社員のスキルアップに関しては充実した手当があります。
●技術資格報奨金制度:会社指定の資格取得・認定者に対して、報奨金(10,000円~100,000円)と、1回分の受験料金を支給。
●eCampus:毎年カフェテリアポイントを支給、自身のキャリアプランと今年の業績目標に応じて、ポイントの範囲内でトレーニングを受講可能。
住宅手当や家族手当といったものがない代わりに、社員の成長支援に大きく比重を置く制度設計であり、会社としての姿勢が感じられます。

トレンドマイクロ社員の給与明細(キャリコネ)

30代で1000万円超えも

20代営業(非管理職)の 給与明細

30代営業(非管理職)の 給与明細

グレード次第、年齢と年収が逆転することも

20代技術(非管理職)の 給与明細

30代技術(非管理職)の 給与明細

トレンドマイクロの職種別年収

年俸制だが、営業職はインセンティブで大きく変動

上述の通り、営業職とそれ以外の職種(技術職・管理部門等)では給与体系が異なっており、同じグレード・役職であっても、職種によって大きく年収が異なるケースもあります。

年俸額の決定方法は、全職種共通であり、年度末に当年の評価結果に基づいて、翌年度の年俸額が決まるというもので、改定は年1回です。営業職以外は、その年俸額から変動することはありませんが、営業職の場合、その年俸額の3/10は「インセンティブ」であり、目標の達成度によって変動します。「圧倒的に売上をあげる者の場合、20代で1000万円を遥かに超える年収を得る若者も」いるようです。

初任給は、全職種共通で以下のように設定されています。
<初任給>
●年俸制/ 400万円(大学院卒:430万円)※ 賞与を含む

営業職の年代別の年収目安は以下の通りですが、上述の通り同じグレード・役職でも年収が大きく異なるため、目安となる年収レンジも広くなります。
●20代:400~800万円
●30代:600~900万円
●30代後半~:1000万円を超えることも
営業職以外(技術職他)の場合は、インセンティブの変動がないことを考えると、上記年収レンジの中央値が平均的な年収であることが推測できます。

トレンドマイクロ社員の給与明細(キャリコネ)

同じ20代でも300万円近い年収差も

20代技術(非管理職)の 給与明細

20代営業(非管理職)の 給与明細

30代では年収差も大きく広がる

30代技術(非管理職)の 給与明細

30代営業(非管理職)の 給与明細

トレンドマイクロで年収を上げる方法

グレードを上げるためには、カルチャーフィットも重要な要素

トレンドマイクロは、「グローバル・グレーティング・システム(GGS)」という19段階のグレードに分かれた職務等級制度を導入しており、このグレードと年収が連動する形をとっています。そのため、年収を上げるためには、まずはグレードを上げる、ということが必要になります。グレードの昇降格は評価結果に基づいて決まります。評価方法としては、年初に自分で決めた目標に対し、半期ごとに達成度を確認されるものと、それに360度評価が加わる、というのが基本的な形です。しかし評価要素として、成果のみならず、「カルチャーフィット」も少なからず評価に反映されるという口コミも多数見られます。企業文化を理解し、それに沿って会社に貢献できる人材であることが、同社では昇格者に求める要素だということが分かります。

また、前項の通り、営業職の場合は、「コミッション」が年収の金額に大きく影響を与えます。したがって、営業職に限っては、しっかりと目標数値を達成することが、短期的に年収を上げるためには必要不可欠です。

トレンドマイクロ社員の口コミ(キャリコネ)

営業職のインセンティブは大きいが、目標達成は難しい?

「営業はとにかく数字次第 100%達成することはほとんどあり得ない……

目標達成すれば、20代1000万円も可能

「20代で1000万円を遥かに超える年収を得る若者も多い 現状維持にあたるC評価の目標値は厳しめに設定される……

トレンドマイクロと競合他社の平均年収を比較

トレンドマイクロの競合や同業界であるソースネクスト、インターネットイニシアティブ、ネットワンシステムズの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、トレンドマイクロが941.8万円、ソースネクストが751.6万円、インターネットイニシアティブが738.1万円、ネットワンシステムズが869.1万円です。
この4社の中で最高額はトレンドマイクロの941.8万円で、最低額がインターネットイニシアティブの738.1万円。その差はおよそ204万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではトレンドマイクロは1番目に位置します。

社名平均年収平均年齢平均勤続年数従業員数(単体)売上高
トレンドマイクロ941.8万円40歳9.1年792人7662.8億円
ネットワンシステムズ869.1万円39.8歳9年2245人1466.16億円
ソースネクスト751.6万円37.5歳7.1年138人99.29億円
インターネットイニシアティブ738.1万円37.7歳9.1年2344人1901.8億円

トレンドマイクロの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください

出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」

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この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。