トレンドマイクロの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
トレンドマイクロはアメリカで創業されたのち、本社が日本に移ったという経緯を持つ会社。そのため社内の雰囲気は外資系企業という性質を持っています。「女性の管理職が多い」「服装もカジュアル」「名前はさん付けで呼び合う」「男性でも育休を取っている」など、フラットな雰囲気を感じるコメントが多数寄せられています。残業も強制される雰囲気の部署は少ない様子で、まるで外資のような文化が伝わってきます。GPTWの調査でも「仕事に対する誇りをもって働いている会社」の上位にランクインしたという実績を持っています。
しかし、「一度出世しても成績が悪いと降格になることもある」「パフォーマンスが落ちてきたら即刻クビになる」と厳しさを示すコメントも。「退職の挨拶もなく、ある日突然同僚がいなくなる」という光景に身震いすることもあるようです。
毎日のように何万という新たな脅威が生まれているセキュリティ業界。会社のポリシーにも「変化を受け入れる」「革新を推奨する」とあり、自分自身も世界の変化に遅れることなく成長し続ける柔軟性と意欲が求められることは必至です。
こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
トレンドマイクロの中途採用では書類選考の後、筆記試験があり、面接数回が行われます。選考期間は2週間から1カ月と平均的。筆記試験の内容は職種によって異なり、技術者は技術試験、コンサルタント志望は英作文、難解な数学の問題が出された人もいて様々です。
ほとんどの職種で語学力を重視。TOEIC600レベルの読み書きはもちろん、「ビジネスレベルの英語力尚可」「四か国語以上尚可」など、国際的に活躍できる人材が求められています。
面接で英語面接やプレゼンが行われることも。実際に面接を受けた人の口コミによると、「聞き取れなかった場合何回でも繰り返してもらえた」とのことで、必ずしも実務レベルでなくても合格した例はあるようですが、英語力があるに越したことはないでしょう。TOEIC未受験の方は、まず受けてみて自分の点数を把握しておくといいかもしれません。
面接の場では、英語力と総合的なコミュニケーション力両方が問われます。英語がうまく話せなくてもコミュニケーションをとろうとする気概が必要。筆談をしてみたり、絵を描いて説明するなどして伝える努力をするようにしましょう。
■面接内容の傾向は?
「最寄り駅の利用者数は」「日本にあるPCの個数はいくつか」など、数字を挙げる質問をされることがあります。合格者も不合格者も推定で数字を答えていますが、なぜその数字だと思ったのか論理的な思考力を問われている模様。数字を答えるだけではなく、どのように推定したかを合わせて答えるとよいでしょう。
質問タイムも長めで、重視されている様子。事前にHPで調べればわかることを聞くのはNGなので注意しましょう。質問をする時間というより、自己アピールにつなげる時間と考えましょう。「私に足りないスキルはありますか」などスキル獲得への意欲を見せる質問、「御社で活躍している社員の特徴を教えてください」など成長意欲を見せられる質問は好印象。
また、「研修後の流れを教えてください」など業務を具体的にイメージする質問をすることで、入社意欲をアピールすることができます。労働環境について聞きたい場合は「体力はあるほうですが、残業時間はどれくらいですか」など、自己アピールを含めた言い回しを工夫することでイメージダウンを防ぐことができるでしょう。
トレンドマイクロの面接攻略法(面接対策)
■トレンドマイクロの経営戦略を理解した上で自己分析をする
トレンドマイクロの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
① 企業の事業プロセスに沿った組織横断型のセキュリティソリューションの提供
② 規模/業種に最適なSOC(Security Operation Center)支援
③ IoT関連ビジネスの推進強化
トレンドマイクロの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
戦略3本柱の一つ目は、BtoBのソリューションシステムの充実。個人向けではなく法人の保護システムへの注力が掲げられています。次に、業種別のセキュリティ対策。最近のインターネットの脅威は「医療」「製造」など、各業界ごとに最適な保護対策を講じていくことが必要とのこと。そのため、「パートナーセールス」の人材を積極採用中で、顧客の現状を把握し、最適なプランを組み立てて提案する力のある人材が求められています。法人への提案営業の成功経験があればぜひPRしたいところ。
最後に、「IoTの推進」。具体的にはスマートファクトリー(工場の機械とインターネットを結び付け、作業の自動化・効率化を図る)の分野に進出しており、今後も力を入れていくという内容です。これに伴い、他業種への技術支援を行うことができる人材を募集しています。「人に教える」ことが得意であればPR材料になりそうです。
■「なぜトレンドマイクロに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
トレンドマイクロの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜトレンドマイクロか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、トレンドマイクロという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- シマンテック・コーポレーション
- ソースネクスト株式会社
- 日本マイクロソフト株式会社
トレンドマイクロの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、トレンドマイクロの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「外資系企業のフラットな雰囲気」という社風を意識して、BtoBのコミュニケーションに強みを持つ人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
元々が外資系企業であり、現在も外資系企業に分類されることもある会社。ロジカルシンキングやクリティカルシンキングの能力を問われていると感じた応募者が多数います。エピソードを語る際には「なぜ成功したか」「なぜ失敗したか」「なぜその行動を選択したか」を分析したうえで、論理的に話せるように工夫しましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半・女性/カスタマーサービス【結果:結果待ち】
30代前半・女性/マーケティング関連職【結果:2次面接で不採用】
20代前半女性/ルートセールス【結果:最終面接を辞退】
20代後半女性/広報【結果:入社】
トレンドマイクロの採用面接に向けて
トレンドマイクロの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の6つです。
- 「外資系企業のフラットな雰囲気」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 英語面接に向けて準備を。自分の英語力が分からない場合はTOEICを受験しておく。
- 質問タイムを活用して自己PRにつなげる。
- トレンドマイクロの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 回答はロジカルシンキング・クリティカルシンキングを重視。
- 競合他社についても研究し、「なぜトレンドマイクロか」に対する答えを明確にしておく。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。