2022年08月26日
【年収研究シリーズ】小田急電鉄社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。
小田急電鉄の有価証券報告書によると、平均年収は697.3万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考に小田急電鉄の年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で470〜520万円、30歳代で610〜660万円、40歳代で690〜740万円となりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.41倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 697.3万円 | 41歳 | 20年 | 3758人 |
2021年3月期 | 720.3万円 | 40.3歳 | 19.3年 | 3760人 |
2020年3月期 | 760万円 | 40.3歳 | 19.2年 | 3847人 |
2019年3月期 | 764.3万円 | 40.1歳 | 19年 | 3792人 |
2018年3月期 | 755.5万円 | 39.8歳 | 18.9年 | 3726人 |
出典:小田急電鉄・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
小田急電鉄の平均年収は前年を下回り697.3万円でした。
過去5年間では最低の額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 485.7万円 | 29万円 | 109.5万円 | 437.13万円 |
30代 | 626万円 | 37万円 | 141.3万円 | 563.4万円 |
40代 | 712.9万円 | 42万円 | 161万円 | 641.61万円 |
50代 | 739.1万円 | 43.5万円 | 166.9万円 | 665.19万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
小田急電鉄の年収の高さの理由は、賞与の金額の大きさです。口コミを見ると、「月給はそこまで高くないが、賞与が高い」という声が多数見られ、支給水準についても、「5.9ヶ月でほぼ固定」「7ヶ月分もらえることも」という水準の高さです。他業界も含めても、トップクラスの水準であることが分かります。実際に、「ボーナスは同業他社に比べても多くもらっている」と社員も実感しているようです。
後にご紹介しますが、諸手当類についても充実しているため、「基本給は低い」と言われているものの、それらの上乗せによって月給も高水準となっています。賞与と諸手当類により、同社の年収の高さが実現しているのです。
小田急電鉄の給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回の賞与で構成されています。諸手当としては、交通費、役割手当、扶養手当、教育手当、育児手当など、様々な手当が整備されています。さらに福利厚生としても、買物割引制度や財形貯蓄制度、福利厚生サービスの「べネフィットステーション」(年間3万円分利用可能)など、充実した制度内容です。
口コミを見ると、「沿線内乗り降り自由の定期がもらえる」という制度もあるようで、これは鉄道業ならではと言えます。さらに、「ディズニーランドや横浜ベイスターズ主催試合の割引などがある」と魅力的なサービスもあり、「福利厚生が手厚い」と社員からの評判も上々です。
小田急電鉄社員の給与明細(キャリコネ)
20代から30代で約250万円アップ
20代物流(非管理職)の 給与明細
30代物流(非管理職)の 給与明細
30代で800万円超えも
20代物流(非管理職)の 給与明細
30代物流(非管理職)の 給与明細
小田急電鉄の職種は、大きく「総合職」と「エキスパート職」に分かれます。「総合職」はさらに、「事務系」と「技術系」の2コースに分かれ、「エキスパート職」は運転・駅務・車両・土木建築・電気などの専門分野ごとにコースが分かれます。賃金体系はこの「総合職」「エキスパート職」それぞれ別の制度が適用されており、初任給についても職種別・学歴別に設定されています。
<初任給実績(2020年4月)>
(総合職)
●院卒:月給 226,000円
●四大卒:月給 215,000円
(エキスパート職)
●院卒:月給 202,400円
●四大卒:月給 193,200円
●短大・専門・高専卒:月給 187,200円
総合職に絞ると、年代・職位別の年収目安としては、20代が350~500万円、主任クラスが600~650万円、課長クラスになると900万円を超える水準となります。
小田急電鉄社員の給与明細(キャリコネ)
同年齢でも諸手当と賞与で100万円の差
20代管理部門(非管理職)の 給与明細
20代技術(非管理職)の 給与明細
年功序列とは言え、大きく差がつくケースも
30代営業(非管理職)の 給与明細
30代物流(非管理職)の 給与明細
小田急電鉄の賃金制度は、口コミによると「社内資格は8段階」あり、それぞれの給与については「号俸表によって決められている」とのこと。つまり、資格を上げることが、年収を上げるためには必要になります。昇格については、「自動で昇格できる場合と、試験に合格する必要のある場合とが、交互にある」とのことですが、その実情については「完全な年功序列」であることが多数の口コミから伺えます。
評価は5段階で付けられる制度ではあるものの、「ほぼ全員が普通の評価」「優秀な人もそうでない人も、そこまで差がつかない」とのこと。さらに、「総合職は9年勤めれば、10年目に管理職に」なれ、さらに「管理職になると給料が一気に跳ね上がる」という仕組みです。評価によって大きく差がつかないことに不満を持つ社員もいるかもしれませんが、全員が安定的に高い年収を得られる制度設計であるとも言えます。
小田急電鉄社員の口コミ(キャリコネ)
エキスパート職はコミュニケーション能力も重要
「総合職は殆どの者が主査まであがる エキスパート職では、仕事よりも、いかに先輩社員に気に入られるか……」
社歴を重ねれば確実に出世が可能
「公私共に問題を起こさなければ平等に出世できる 経験を積んでいけば段階的に管理職になれる……」
小田急電鉄の競合や同業界である東日本旅客鉄道、京王電鉄、東武鉄道の4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、小田急電鉄が697.3万円、東日本旅客鉄道が639.3万円、京王電鉄が649.6万円、東武鉄道が633.7万円です。
この4社の中で最高額は小田急電鉄の697.3万円で、最低額が東武鉄道の633.7万円。その差はおよそ64万円で、そこそこの差があります。
この比較企業の中では小田急電鉄は1番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
小田急電鉄 | 697.3万円 | 41歳 | 20年 | 3758人 | 1313.65億円 |
京王電鉄 | 649.6万円 | 41.2歳 | 17.8年 | 2449人 | 1057.13億円 |
東日本旅客鉄道 | 639.3万円 | 38.2歳 | 15.6年 | 43013人 | 14241.5億円 |
東武鉄道 | 633.7万円 | 4702歳 | 26.1年 | 3470人 | 1888.51億円 |
小田急電鉄の競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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