小田急電鉄の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
お客さまに「かけがえのない時間(とき)」と、「ゆたかな時間」を提供することをモットーとする小田急電鉄。通勤路だけではなく、都内と観光地を結ぶ箱根ロマンスカーなどの路線に力を入れているのも、こうした理念の表れかもしれません。
何百万人もの旅客の命を預かり、定刻に目的地に運ぶという使命に対し、多くの社員が意欲を燃やしています。社内は「体育会系」との声が多く、先輩と後輩というよりは師匠と弟子の関係に近いとの声も。
また、入社時のポジションが総合職か専門職かによって、その後のキャリアが大きく異なる点や勤続年数に応じてある程度まで出世しやすい点は、安心感がある反面、官僚的と感じる方も多いでしょう。
こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
新卒の場合は小田急電鉄株式会社にて一括採用が行われ、各グループ会社に振り分けられますが、中途採用は違い、各子会社と小田急電鉄株式会社本体では採用が別になるので注意しましょう。
しかも、小田急電鉄株式会社本体は子会社と比べ中途採用の求人数自体圧倒的に少ないのが現状です。どうしても小田急電鉄本体に行きたい場合は、少し違ったアプローチも視野に入れておきましょう。
というのも2017年以降少なくとも2回、「社員登用前提のアルバイト」の採用が行われているからです。正社員のみに絞って求人情報を当たっていると、このような情報を見逃す可能性があります。
採用行程は、書類審査に面接2回。結果が出るまでの期間は二週間から一カ月程度です。
会社の事業が多岐にわたるため、面接では特に企業研究が重視されている様子。実際に企業研究にどのように取り組んできたかについて聞かれた人もいます。外からは社内の構造までは見えませんが、一体何を求められている求人情報なのか、それに対して自分が貢献できそうかどうか、わかる範囲で徹底的に調べ、どのような質問に対しても、落ち着いて、論理的に回答できるよう、準備をしておきましょう。
■面接内容の傾向は?
小田急電鉄の面接でよく聞かれる内容に、「なぜ小田急電鉄なのか」というものがあります。
鉄道会社の就職は倍率が高いため、「電車が好きだから」といった当たり前の理由では通用しません。「なぜ小田急でなければいけないのか」というしっかりとした動機を持つ人材が求められています。
また、今までどのような仕事をしてきて、それが小田急でどのように役立つのかを聞かれる可能性も高いでしょう。鉄道会社といっても、内部では都市開発事業や不動産賃貸業に広告業と、幅広い分野で多角経営が行われています。
中途で求められるのは「即戦力」であること。今までの業務の実績を振り返り、即戦力として活躍できそうかどうか、会社に何を提供できるのかを、わかりやすく、かつ簡潔に説明できるようにしておきましょう。
小田急電鉄の面接攻略法(面接対策)
■小田急電鉄の経営戦略を理解した上で自己分析をする
小田急電鉄の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
経営理念である『お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現』に向けて、2020年度までに事業基盤をより強固なものとし、成長の種を蒔き育て、躍動的な企業グループを目指して、挑戦します。
小田急電鉄の経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
今後の事業展開としてはまず、2017年度の複々線完成に備え、ターミナル駅の再開発事業が予定されています。人口減少が叫ばれる中、鉄道会社にとって沿線人口の増加は大きな課題。駅周辺や住環境を魅力的に整備していくことが不可欠となっているのです。
さらに、既存事業の発展にとどまらず、M&Aや海外進出などによる事業規模の拡大も企業としての大きな目標となっています。
会社自体は古くから存在するため、小回りの利く体質ではなくなっている中、どのように変化を起こしていくのか。今後こういった分野で経験のある人材の募集がかかることも考えられるでしょう。
ただし、こういった上流工程への採用は非公開求人になる可能性も高く、情報を得ること自体難しい面があります。複数の人材会社にキャリアシートを登録し、ヘッドハンティングを待つのも一つの手と言えます。
■「なぜ小田急電鉄に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
小田急電鉄の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ小田急電鉄か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、小田急電鉄という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 京王電鉄株式会社
- 東急電鉄株式会社
- 東日本旅客鉄道株式会社
小田急電鉄の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、小田急電鉄の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。
また、現場では個人ではなくチームで結果を出していく精神が欠かせません。総合職でも上下関係は厳しく、「男子校のようだ」との声も見られます。年齢層も幅広いため、老若男女を問わず全員が一致団結することも必要です。体育会系の雰囲気の中で多くの人と力を合わせて何かを成し遂げた経験があれば、エピソードとしてまとめておくといいでしょう。
面接の場では、「上下関係が厳しい体育会系」という社風を意識して、「求人情報に書かれた職種に即戦力で活躍できる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半男性/経営企画【結果:2次面接で不採用】
20代後半男性/カウンターセールス【結果:入社】
20代後半男性/カウンターセールス【結果:入社】
30代前半男性/物流サービス【結果:不採用】
小田急電鉄の採用面接に向けて
小田急電鉄の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- そもそも正社員の中途求人が少ない。アルバイトから正社員になる方法も検討する。
- 「上下関係の厳しい体育会系」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 小田急電鉄の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ小田急電鉄か」に対する答えを明確にしておく。
- 今までのキャリアの中から、小田急で即戦力として使えそうなスキルをピックアップし、説明できるようまとめておく。
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慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。