2021年06月21日

【面接対策】マツダの中途採用面接では何を聞かれるのか

ロードスターをはじめ、多くの人気車種を世に送り出してきた自動車メーカー、マツダへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、共に働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。


マツダの採用面接前に知っておきたいこと

社風への理解

かつてはロータリーエンジン技術、現在はスカイアクティブテクノロジーを駆使した自動車づくりで高い評価を獲得してきたマツダ。「走る歓び」をブランドエッセンスとして生み出される自動車には根強いファンがおり、ロードスターやCXシリーズは安定した人気を誇ります。2020年1月30日に創立100年を迎えた老舗であり、広島県を代表する企業のひとつです。

そんなマツダには、独自性を追求する企業風土と実力主義の評価制度があります。「マツダらしさ」を追い求める自動車づくりと同様、業務においても「他社がやらないような新たなやり方が提案・実施できることが求められる」(口コミより)とのこと。独創的なアプローチで成果を上げられる人が評価され、等級に応じて給与に反映されるという明朗な制度があります。こうした実力主義の評価制度が「モチベーションアップにつながっている」という口コミが散見され、社員から支持を得ていることがうかがえます。また、独自路線を貫く自動車づくりに関われることにやりがいを感じる社員も多いようで、「マツダブランドにこだわりを持てる人ほど仕事が楽しくなる」という口コミも。

実力主義の一面もある中、社内の風通しは概ね良好、福利厚生制度も充実、有給休暇も取りやすい……など、働きやすい環境も整っています。残業も抑制傾向にあることから、限られた時間の中でいかに効率的に成果を上げられるかが、働く上で重要なポイントとなってきます。中途採用面接においては、こうした独自性と効率性を重視する実力主義的なマツダの社風にうまく馴染める人材であるか、その中で成果を出せる人材であるかどうかを見極められます。

選考は何次まで?

コーポレートサイトの採用情報ページによると、マツダの選考プロセスはエントリー→書類選考→適性検査→原則として1回の面接、の流れとなっています(ポジションによっては面接2回)。面接官は部門責任者と人事担当者で、面接は原則この1回であることから、「濃い内容の面接だった」という口コミも見られます。事前に入念な準備をおこなってから臨む必要があります。

現在マツダでは、研究開発やIT技術開発といった技術系職種から、法務や購買などの事務系職種まで、幅広く中途採用をおこなっています。中途採用情報ページには、募集要項だけでなく、マツダの戦略や「広島で働く魅力」まで多彩なコンテンツがあります。企業研究の一環として目を通し、職場の雰囲気やマツダの自動車づくりのポリシーをつかんでおきましょう。

面接内容の傾向は?

口コミによると、マツダの中途採用面接では「入社後のビジョン」「独自性を重視する自動車づくりのポリシーに共感できるかどうか」を問う傾向が見られます。これまでのキャリアを活かして、入社後はどのようにマツダに貢献できるのか。自己分析と企業研究の結果をきちんと落とし込んだ、具体性のある回答が要求されます。

「(入社後は)たくさんの人に喜ばれるものづくりをしたい」と答えたところ、「当社では『たくさんの人に喜ばれる』ものづくりではなく、『本当に車が好きな人に喜ばれる』ものづくりをしている」と切り返された人も見受けられました。他の自動車メーカーとは一線を画すマツダのものづくりへの姿勢や戦略について、根本的な理解ができていることが前提となります。その前提の上で、「マツダの自動車づくりのポリシーに沿って仕事に取り組み、成果が出せる」ことをアピールできれば好印象です。

また、上記以外にも志望動機や自己PRなど一般的な質門内容も多く、人物評価も重視されているようです。自分の志向や性格と「マツダらしさ」のマッチングポイントを探りながら自己分析をおこないましょう。

マツダの面接攻略法(面接対策)

マツダの中期経営計画を理解した上で自己分析をする

面接に臨む前に必ず押さえておきたいのがマツダの中期経営計画(2020年3月~2025年3月期)です。

マツダ 中期経営計画資料より

変革期を迎えた自動車業界におけるトレンド「CASE」(Connected=接続性、Autonomous=自動運転、Shared & Services=カーシェアリングとサービス、Electric=電動化または電動自動車)にダイナミックに対応できる事業展開を目指すマツダ。「2030年-2040年 ありたい姿」の実現に向けて、「人と共に創る」をテーマに戦略を展開していく方針です。

マツダ 中期経営計画資料より

技術面でのCASE対応は順調に進んでおり、引き続きこれら技術を搭載した新商品開発をおこない、市場に投入していく予定です。また、技術・商品ラインナップ面でもサービス面でもこれまで以上に独自路線の自動車づくりを推進することで、個々の製品としてではなく、「マツダ車」としてのブランド価値向上に取り組みます。これらブランド価値向上施策とともに、販促費や販促サービスの見直し、品質問題の発生を未然に防ぐ仕組みづくりなど、ブランド価値を「下げないための施策」にも注力していくとしています。

現状遅れをとる領域への投資も積極的におこなっていく姿勢で、他社と共同での新技術開発・協業、大学や地域との連携も進める方針です。人材育成にも力を注ぎ、ヒューマンリソースの最大活用を目指します。

こうしたマツダの戦略の根幹にあるのは、独自性を重視する精神です。マツダの強みでもある独自性を、マツダに関わるすべての人々と創り上げていく。これが中期経営計画の骨子となっています。中期経営計画を理解した上で、マツダの独自性をさらに高めるために尽力できる人材であることをアピールできれば、面接での評価は高まるでしょう。

「なぜマツダに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要

マツダの面接でよく聞かれる質問のひとつとして「なぜマツダか」というものがあります。独自性を重んじるマツダの場合、志望動機を問うことで面接官は「マツダの自動車づくりのポリシーをどの程度理解しているか」「マツダの独自性を高めることに貢献する意思があるかどうか」を見極めようとしていると考えられます。

業界理解や職種理解の枠を超えて、マツダという企業についてしっかりと理解する。そのためには競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。「なぜ他社ではないのか」という視点で志望動機を理路整然と説明できれば、マツダの戦略や方向性を理解していることも併せてアピールできます。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

●三菱自動車工業株式会社
●スズキ株式会社
●株式会社SUBARU

マツダの採用面接で実際に聞かれた質問内容

マツダが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。マツダの場合「独自性と効率性を重視する実力主義的な社風」を意識して、「マツダの独自性を高めるために独創的かつ効率的に仕事に取り組むことができる人材」と印象づけられるよう、自己PRの方法を練っておくとともに、人物を端的に表すエピソードをいくつか準備しておくとよいでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。質疑応答シミュレーションの一環として、これらの質問をされたらどのように答えるか、自分なりの回答例を作ってみてください。

[30代後半・男性/電気・電子回路設計] 【結果:一次面接で不採用】

質問

やったことがないこと・望まないことでもやれますか?

回答

「やる意義があるならやります」と回答した。すかさず…(口コミの続きとアドバイスを見る

[20代後半・男性/機械設計] 【結果:最終面接で不採用】

質問

この会社でどの様に活躍したいと思いますか?

回答

「良い設計をしてたくさんの人に選んでもらえるような…(口コミの続きとアドバイスを見る

[30代前半・男性/販売アドバイザー] 【結果:入社】

質問

外部から見た当社のイメージは?

回答

地場に密着して堅実なイメージ。革新的ではないが、…(口コミの続きとアドバイスを見る

[30代前半・男性/マーケティング] 【結果:一次面接で不採用】

質問

あなた自身を5つの言葉で表してください

回答

時間に正確・外交的で新しいことを好む・上昇…(口コミの続きとアドバイスを見る

マツダの採用面接に向けて

マツダの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

●「独自性と効率性を重視する実力主義的な社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。

●マツダの中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析をおこない、自己PRへとつなげる。

●競合他社についての理解を深め、「なぜマツダなのか」に対する答えを明確にしておく。


上記3点について情報を整理し、自分の言葉で再構築した上で、面接当日は積極的にアピールできるよう準備を整えておきましょう。

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この記事の執筆者

大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。