2021年06月21日
仮想化テクノロジーで世界をリードするソフトウェアベンダー、ヴイエムウェアへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しましょう。
コンピューターからネットワーク、ストレージの仮想化まで、いまや仮想化テクノロジーのデファクトスタンダードともいえるヴイエムウェアのサービスと商品群。1998年、シリコンバレーで5人のエンジニアが創業したヴイエムウェアは、2003年に日本法人を設立。2020年現在、同社のサービスや製品は東証一部上場企業の83%に導入されています。
ヴイエムウェアは、ダイバーシティに熱心に取り組んでいます。そのベースとなっているのが、多様性を尊重する文化です。さまざまなキャリアがともに働くことで、新しいアイデアが生まれているという同社。20代から30代を中心とした中途入社が多く、外資系特有の「自由で風通しのよい社風」といった口コミが散見されます。
また、革新的な技術に携われることに「やりがいを感じる」という声も。必要とするスキルのトレーニングに年間約50万円まで支援する制度もあり、自らの成長戦略を描きチャレンジする気概があれば、成長できる土壌といえるでしょう。
ワークライフバランスは所属部署や職種でも異なるようですが、繁忙期の後はまとまった休暇が取得できるため、プライベートの計画も立てやすいようです。また、医療保険や退職金の制度が完備されているほか、健康維持を目的としたスポーツジムの利用補助制度もあり、外資系のなかでは福利厚生が充実しているといえそうです。
外資系IT企業は、企業カルチャーやチームカルチャーにフィットしているかどうかが採用基準として重視される傾向にあります。多様性を尊重する文化のなかで、挑戦を恐れず熱意を持って、ソフトウェアの力で明るい未来を切り拓いていく。こうしたカルチャーにフィットしていることをアピールしてみましょう。
2020年6月現在、アライアンスマネージャー(VMware Tanzu)などの法人営業、システムコンサルタント、セールスエンジニアなどを募集しています。採用基準はコーポレートサイトや転職サイトに詳細が掲載されていますので、自分が該当しているか確認しておきましょう。
コーポレートサイトには選考フローに関する記載はありません。口コミによると営業職のケースでは4回の面接がおこなわれ、一次は人事担当、二次は配属部門長、三次は関連部門長、最終は配属部門の海外マネージャーとの英語による電話面接だったようです。このケースの場合、選考期間は3か月でした。職種によっては余裕をもった転職活動をおこなう必要がありそうです。
また、英語のスキルについても職種により異なるため、事前にリクルーターに直接問い合わせるか、転職エージェントなどを通して確認しておいた方がよいでしょう。
面接経験者からは、「ヴイエムウェア製品について質問された」といった複数の情報が寄せられています。まずは製品群やサービスについて、しっかりと研究しておきましょう。そのほか、志望動機や転職理由などを問われているようです。
面接経験者からのアドバイスには「職務経歴書に『できること』を具体的に記載しておくと面接がスムーズに進む」といったものや、「企業と業務に対する理解と貢献度を見られているようなので、話に齟齬がないよう一貫性をもたせる」といったものがありました。参考にしてみるとよいでしょう。
求める人物像は募集要項に記載されていますので、必ず確認しておきましょう。プリセールスのサービスエンジニアの例をあげると「主体的に動くことができ、課題を見つけて取り組める」「新しい技術の習得に喜びを感じる」など複数項目があります。これらに合致している場合は具体例を準備し、エピソードを交えながら説明できるようにしておきましょう。
採用面接を受ける前に、ヴイエムウェアの「リーダーシップコード」と「EPIC2」を理解しておく必要があります。
ヴイエムウェアという企業のOS(Operating System)と考えられているのが「リーダーシップコード」です。この「リーダーシップコード」は、同社の心・身体・精神を体現するもので、社員としての心構え(価値観)、行動(スキル)、考え方(マインドセット)を定義しています。これらの三本柱はそれぞれ重要であり、3つが一体になることでビジョンの実現に向けた日々の行動指針となります。
LinkedIn: The Leadership Code: Operating System for Business
ヴイエムウェアでは、社員やチームが共有する価値観として、Execution、Passion、Integrity、Customers、Communityの頭文字からなる「EPIC2」を重視しています。これら5つの要素は企業としてのあり方や社員の指針となります。
次にヴイエムウェアの身体の部分にあたるスキルは、各部門が重要な役割を担い、製品とサポートを顧客に提供しています。一人ひとりが責任を持つことで目標達成を目指し、現状に満足することなく常に学び、自信を高め、あらゆる局面でイノベーションの実現に取り組むことが同社の使命だとしています。
最後のマインドセットは、考え方の基本的なフレームワークです。常に前向きでスピード感を持って業務に取り組む。ヴイエムウェアは多様な人材でチームが構成されており、パートナー企業や社内の各部門との連携強化など垣根を越えた良好な関係づくりに努めています。
そして、「リーダーシップコード」を実行するためのエネルギーとなっているのがイノベーションです。自ら行動を起こし、現状に満足することなく挑戦する。同社のイノベーションはその強い気持ちから生まれています。「リーダーシップコード」とイノベーションが合わさるとき、より未来へと導く力が生まれると考える同社。大切なことはヴイエムウェアとしてのあり方、行動、考え方を組織全体で共有、理解することだとしています。
LinkedIn: The Leadership Code: Operating System for Business
「リーダーシップコード」と「EPIC2」を理解した上で自己分析をおこない、これらのなかでどのような活躍ができるのか、何に挑戦したいのか、具体的に説明できるように準備しておきましょう。
採用面接では「なぜヴイエムウェアを志望したのか」と質問されることは必然だと考えておきましょう。この質問は、志望動機以外に「当社を真の意味で理解しているか」といった観点からも尋ねています。
志望動機を明確にするには、仮想化テクノロジーに関するセミナーに参加し、仮想化テクノロジー分野での同社のプレゼンスを確認してみるのもおすすめです。同社の情報を収集・分析することは面接を受ける上で最低限必要です。しかし、それ以上に同業他社の研究が大切です。他社を研究することで、ヴイエムウェアのポジションや他社との違いがわかり、より同社への理解が深まるでしょう。仮想化ソリューションを提供している、以下の企業を調べてみることをおすすめします。
●日本マイクロソフト
●シトリックス・システムズ
●レッドハット 株式会社
ヴイエムウェアに関する企業研究をおこなうことで、同社の「リーダーシップコード」と「EPIC2」の先にあるビジョンが見えてきたのではないでしょうか。
このようにヴイエムウェアの採用面接を受ける前には、「リーダーシップコード」と「EPIC2」に基づいた自己分析や競合する仮想化ソリューションの企業研究を踏まえた志望動機の整理がポイントとなります。そして面接の場では、「多様性を尊重する文化のなかで、挑戦を恐れず熱意を持って、ソフトウェアの力で明るい未来を切り拓いていく」人材であると印象づけられるよう、複数のエピソードを用意しておきましょう。
面接経験者が聞かれた実際の質問をご紹介します。このような質問をされたらどう答えるか、自分の回答をシミュレーションしながら面接対策をしておきましょう。
ヴイエムウェアの採用面接を受けるにあたって、押さえておきたい重要なポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「多様性を尊重する文化のなかで、挑戦を恐れず熱意を持って、ソフトウェアの力で明るい未来を切り拓いていく」というカルチャーにフィットする人材であることをアピールする。
●ヴイエムウェアの「リーダーシップコード」と「EPIC2」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜヴイエムウェアなのか」に対する答えを明確にしておく。
以上3点について事前に対策をおこない、面接当日は落ち着いて対応するように心がけましょう。
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