アクセンチュアの概要
アクセンチュアは、世界最大級のコンサルティング/ITサービス企業です。「ストラテジー & コンサルティング」「ソング」「テクノロジー」「オペレーションズ」「インダストリーX」の5つの領域で、幅広いサービスとソリューションを提供しています。
世界50か国200都市以上で、グローバルに事業を展開。米FORTUNE誌の世界TOP100社のうち89社と取引があり、取引実績上位100社のうち98社と“10年以上の継続取引”を行っています。
近年はDX(デジタル・トランスフォーメーション)の領域で急成長しており、従業員も約69万9,000人にまで増加しています(2022年3月現在)。トヨタ自動車の連結従業員数が約37.3万人(同)なので、それを大きく上回る規模ということになります。
■グローバル・グループ
アクセンチュアの前身は、米監査法人アーサー・アンダーセン(2002年エンロン事件で解散)のビジネス&テクノロジーコンサルティング部門。ゼネラル・エレクトリック社にコンピューターを初めて導入した1953年を創業年としています。
1989年に分社化してアンダーセン・コンサルティングとなり、2001年にアクセンチュアに社名変更。2009年に社名をAccenture PLCとし、本社をアイルランドのダブリンに移転しました。
2019年9月には、ジュリー・スウィート(Julie Sweet)氏が初の女性CEOに就任。米フォーチュン氏「世界で最も賞賛される企業」総合33位、ITサービス業界部門1位に輝いています。
ジュリー・スウィート氏のプロフィール
1968年生まれ。グローバル経営委員会(Global Management Committee)のメンバーとして、10年近くアクセンチュアの投資戦略および成長戦略の中核を担当。CEOの前は、アクセンチュアの全世界における収益の50%近くを占める最大市場である北米地域の最高経営責任者(CEO)を務めていました。
2010年にアクセンチュアに入社するまでの10年間は、米国で最も著名な法律事務所の1つ、クラバス・スウェイン・アンド・ムーア(Cravath, Swaine & Moore LLP)のパートナーを務めていました。クレアモント・マッケナ大学で学士号、コロンビア大学ロースクールの法務博士号を取得しています。
■日本法人
日本では1962年に事務所開設、1995年に会社設立。英語名から「アクセンチュアジャパン」と呼ばれることもあります。2022年9月現在の従業員数は19,000人超です。
本社は東京・赤坂。国内事業所は、東京都内の本社およびアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京など5か所のほか、横浜市のみなとみらいオフィス、大阪市の関西オフィス、札幌市と会津若松市のイノベーションセンター、福岡市と熊本市にインテリジェント・オペレーションセンターがあります。
- 名称:アクセンチュア株式会社(Accenture Japan Ltd)
- 本社所在地:東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
- 資本金:3億5,000万円
日本では60年にわたり、お客様のさらなる企業価値向上のため、日本における様々な課題の解決や組織変革を推進しようとするお客様のご支援をエンド・ツー・エンドでおこなっています。拠点の拡充も継続しており、東京オフィスと並ぶ日本の二大拠点の一つとして2018年に大幅にオフィスを拡充した関西では、関西圏の企業・公的機関のイノベーション創出やグローバル市場における競争力強化のパートナーとして、引き続き関西地域の成長に貢献を続けています。北海道・札幌では先進的なクラウド、セキュリティ技術等を提供、また2021年で設立10周年を迎えたアクセンチュア・イノベーションセンター福島で構築したスマートシティを支える都市OSは、全国展開に向けて始動。さらに福岡と熊本ではRPAやAI等を活用し最新の自動化技術を実現する等、最新テクノロジーを中核にした世界最高レベルのソリューション・サービスをご提供できる体制を整えています。東京・赤坂にはお客様のAI活用をさらに強力に支援する拠点として「AIセンター」を開設し、関連する専門家、知見や機能を集約させています。
2015年9月、日本法人の社長に江川昌史(えがわ・あつし)氏が就任。7年あまりで社員数を約3.5倍の1.9万人に増やし、現在も年2000人以上を積極採用しています。
江川氏は「デジタルでNo.1になりたい」と公言。ファーストリテイリングのDXを推進する合弁会社の株式会社ウェアレクス設立(2015年9月)や、国内屈指のデジタルマーケティング企業の株式会社アイ・エム・ジェイ買収(2016年7月。2021年7月吸収合併)を主導しました。
2022年11月には、Salesforce Commerce Cloudを活用したeコマースサイトの構築を主軸とする株式会社タンバリンを買収し、アクセンチュア インタラクティブ(現ソング)に吸収。
2022年11月には、ビッグデータ解析、AI(人工知能)アルゴリズム開発、AI活用コンサルティングやデータサイエンティスト育成支援などのサービスを、大手企業を中心とした顧客に提供していた株式会社ALBERT(アルベルト。東証グロース市場上場)を買収し子会社化しました。
このほか、アクセンチュア独自の働き方改革「Project PRIDE」を主導し、業績を伸ばす中での残業時間削減の実現や、社員の多様性拡大の一環として女性従業員比率の向上などを達成しています。
江川昌史氏のプロフィール
1989年慶応義塾大学商学部卒業、同年アクセンチュアに入社。製造・流通業界を中心としつつ、通信、ハイテク、素材・エネルギー、金融業界や公共サービス領域など、多岐にわたるお客様のプロジェクトを指揮。主に、戦略立案、構造改革、新規事業立ち上げ、デジタル変革、大規模アウトソーシングプロジェクトなど、さまざまな領域の案件を主導しました。
2000年にパートナー就任。消費財業界向け事業の日本統括を歴任し、2008年10月に執行役員 製造・流通本部 統括本部長に就任。2014年12月に取締役副社長就任、2015年9月に現職である代表取締役社長に就任。2020年3月より日本市場の総責任者としてグローバル経営委員会に参画しています。経済同友会会員。
アクセンチュアの経営理念
アクセンチュアは2020年10月14日、新たに策定したグループの「アクセンチュアの目指すところ」を発表し、その中に「パーパス」(=存在意義、経営理念)「戦略」「ブランド」を盛り込んでいます。
アクセンチュアの目指すところ
アクセンチュアは、テクノロジーと人間の創意工夫を融合させて、One Accentureでお客さまに360°の価値を提供していきます。(そして)世の中の「変化を促す存在となる」ことで、変革をもたらし、クライアントや社会のための、まだ見ぬ未来を実現します。
- Purpose(存在意義、経営理念):テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ未来を実現する
- Foundation(経営基盤):One Accenture(グローバルのネットワークや社内リソースを活用)
- Strategy(経営戦略):お客さまに360°の価値(360° Value)を提供
- Brand:世の中の「変化を促す存在となる」("Let there be change")
「360°バリュー」とは、お客様のビジネス変革、新たなビジネスの創造から、お客様の従業員に対するスキルの再構築、および、サステナビリティにもさらなる配慮がなされた組織体へと変化する支援を行うことです。
アクセンチュアの業績
DXにフォーカスした事業運営により、アクセンチュア(グローバル・グループ)の業績は右肩上がりに伸びています。2022年8月期は、Revenues(売上高)は前期比21.9%増、Operating income(営業利益)は22.9%増。営業利益率も15.2%と高水準を達成しています。
地域別の売上構成比は、北米が47%、欧州が33%、成長市場が20%。なお、日本は成長市場に含まれています。売上高成長率(前期比。USドルベース)は、北米が23%、欧州と成長市場が21%。ただし現地通貨ベースでは欧州と成長市場は29%となっています。
営業利益率は、北米が17%、欧州が12%、成長市場が16%。営業利益成長率(前期比)は、北米が27.4%、欧州が9.0%、成長市場が32.2%です。
なお、日本法人の売上高は、直近の8年連続で2ケタ成長を果たしています。営業利益率で欧州を上回る日本を含む成長市場への期待が高まっていると考えられます。
業界別の売上構成比は、Consumer Goods, Retail & Travel Services(消費財、小売、旅行)が50%を占め、Products(製造業)が30%、Life Science(生命科学)が20%です。
TYPE OF WORK
仕事の種類(TYPE OF WORK)別の売上構成比は、コンサルティングが55.4%、アウトソーシングが44.6%。戦略から実行までをカバーするアクセンチュアならではの構成です。
なお、大企業クライアントの運用部分(オペレーション コンサルティング)の受託は年単位になることもあり、戦略などの単発案件より長期継続的に収益が上げられます。この部分を持っていることで、戦略案件を比較的安価で取ることも可能になります。
なお、アクセンチュアはコンサルティング会社としては珍しく、2001年にニューヨーク証券取引所へ上場しています。業績の伸びとともに株価も上昇。2021年12月に400USドルを超えましたが、現在は300USドル弱周辺を推移しています。
上場会社で働くメリット
日本法人にも、社員持株会やRSU(株式付与による業績給)があります。アクセンチュアへの転職の意欲があり、詳しく知りたい方は、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「アクセンチュアの件」と明記願います。)
アクセンチュアの経営方針
■コンサル業界における位置
アクセンチュアは「戦略」から「実行」まで幅広くカバーする総合コンサルティング会社です。エンジニアやクリエイター、オペレーターを社内に抱え、「実行領域」にも強みがあるのが特長です。最近はDXを起点に、新規案件を獲得することが増えているようです。
■アクセンチュアが展開する市場
経産省の「IT人材需給に関する調査」によると、日本のデジタル人材は今後ますます不足する見通しです。“最悪のシナリオ”では、2030年までに需給ギャップが79万人に広がるとのこと。
「デジタル人材の獲得と囲い込み」の競争が激化する中、アクセンチュアは多くのエンジニアを社内に抱え、システム開発の質とスピードの向上を図っています。
■江川社長の3つの経営方針
週刊東洋経済(2021.5.15号)の江川社長のインタビューなどを総合すると、アクセンチュアの経営方針は、主に次の3つに集約されると推察されます。
- (顧客企業の)経営者が望むことを、最後まで責任を持って実現する。
- 責任を持つためには「社内に人材を抱える」必要がある。
- クライアントの「戦略立案」から「実行」まで幅広く支援する。
- 「ビジネスコンサルティング」「テクノロジーコンサルティング」に加え、クリエイティブに強い「インタラクティブ」や、アウトソーシングを請ける「オペレーションコンサルティング」の部門を持つ。
- 戦略コンサル部分だけでは、高額のフィーを取らない。
- DX時代には「戦略」だけでは大きな差別化は図れない。
- 実行部分まで一気通貫で案件を獲得できれば、戦略部分で無理に高額のフィーを得る必要はない。
- 実行案件も90%は「自前」で行い、外に出さない。
- 開発部分をSIerに出すと、戦略のねらいどおりのものが上がってこない。
- ビジネスにはスピードが重要(長引かせて儲けようとする業界の悪弊はクライアントの利益にならない)。
アクセンチュアの組織
アクセンチュアは2022年4月28日付けで、「アクセンチュア インタラクティブ」を「ソング(song)」に改称。サービス体制を以下の5つとしています。
- Strategy & Consulting:戦略立案から業務変革の実行まで伴走する
- Song:暮らしの変化に共鳴し、クリエイティブやテクノロジーを駆使してビジネス成長を支援する
- Technology:最先端の技術を駆使してイノベーションを実現する
- Operations:企業の業務を引き受け、ヒトとデジタルのちからで自動化・高度化して価値を生む
- Industry X:研究開発や製造などモノづくりのデジタル変革を支援する
そして各サービスを担う組織として「ビジネス コンサルティング本部」「ソング本部」「テクノロジー コンサルティング本部」「オペレーションズ コンサルティング本部」「インダストリーX本部」を置いています。これに加えて、産業ごとに顧客管理を行う「クライアント・グループ」と「管理部門」を設けています。
ビジネス コンサルティング本部
アクセンチュアのビジネス コンサルティング本部には、戦略コンサルタントが所属する「ストラテジーグループ」と、業界軸と企業の部門軸のチームからなる「コンサルティンググループ」の2つのグループがあります。
■ストラテジーグループ
アクセンチュアのストラテジーグループが掲げるミッションは、“We Shape”。業界の垣根を超えた新市場の創造・業界自体の再定義といった、お客様企業の変革を先陣切って推進する役割を担っています。アクセンチュアの中で「戦略コンサルタント」が所属するのはこのグループです。
アクセンチュアの30代シニア・マネジャーの年収は2500万円! 現役社員に「求人」の読み解き方を聞いた
https://news.careerconnection.jp/career/career-change/120207/現役のアクセンチュア社員であり、個人の時間を売り買いするタイムチケットに「アクセンチュア戦略部門の仕事・待遇・社風教えます」を登録しているGentaroさんに、求人情報の見方と面接での留意点について話を聞いた。(キャリコネニュース編集部)
■コンサルティンググループ
コンサルティンググループは、「業界」軸と「企業の部門」軸でチームやグループが構成されています。
■業界軸:通信・メディア/ソフトウェア&プラットフォーム/ハイテク/銀行/証券/保険/公共サービス・医療健康/消費財・サービス/ライフサイエンス/流通・小売/産業機械/自動車/化学・素材/石油・エネルギー/電力・ガス
■部門:財務・経営管理/人材・組織/サプライチェーン&オペレーション/M&A/テクノロジーストラテジー&アドバイザリー/AI
ソング本部
アクセンチュアのソング本部には、以下の4つのグループがあります。
■デザインチーム(Design):ストラテジストやデザイナーが所属しているデザインチームでは、人々の生活をより豊かにすることを目的に、製品やサービス、そしてその体験を再構築するとともに、企業文化や業界を再定義します。
■テクノロジーチーム(Technology):テクノロジーチームでは、アーキテクトやエンジニアが先端技術を活用して新たな生活体験を構築・具現化し、“顧客中心”の新たなビジネスプロセスやカルチャーを生み出します。
■コミュニケーションチーム(Communications):クリエイティブ、ストラテジスト、プランナーで構成されるコミュニケーションチームは、画期的なアイデアを用いてお客様のブランドやパーパスを形作り、マーケティング活動を通じて世の中へ発信します。
■インテリジェンスチーム(Intelligence):インテリジェンスチームにはデータサイエンティストやデータエンジニア、文化人類学者や民族誌学者などが在籍し、クリエイティブなアイデアを導くための豊富なインサイトを抽出し、提供します。
なお、アクセンチュアは、世界有数のクリエイティブエージェンシー「Droga5(ドロガ ファイブ)」を2019年4月に買収し、2021年5月には東京に事務所を開設しました。Droga5は、2020年10月に「パーパス」などを刷新したアクセンチュアのリブランディングのキャンペーンを手掛けています。
2022年4月、アクセンチュアのインタラクティブ本部は、組織変更で名称を「ソング本部」に変更。ソングのCEO兼クリエイティブチェアマンには、Droga5の創業者デビッド・ドロガ氏が就任しています。
テクノロジー コンサルティング本部
アクセンチュアのテクノロジーグループは、さらに4つのグループに分かれています。
■業界別
業界特有の知見を活かし、システムコンサルタント/エンジニアとして、お客様のITコンサルティングからテクノロジーデリバリーまでを一貫して対応します。
- 通信・メディア・ハイテク領域(S&P):通信会社、家電メーカー、電子機器・部品メーカー、医療機器メーカー、精密機器メーカー、メディア、ゲーム会社や映画会社など
- 公共サービス・医療健康領域(H&PS):世界中の行政機関や教育・医療機関
- 金融サービス領域(FS):銀行、証券、保険などの金融機関
- 素材・エネルギー領域(RES):化学・製鉄・ガラス等の素材分野、石油・天然ガス分野、電力・ガス・水道分野
- 製造・流通領域(PRD):自動車、製薬、消費財、小売、アパレル、輸送・旅行など
■専門別(先端技術・Security)
■専門別(先端技術・Security)
- Intelligent Software Engineering Services(IES)チーム:「クラウドファースト」「デジタルファースト」に基づいて、お客様に最適なソリューションをエンド・ツー・エンドで提供
- Dataグループ:データエンジニア/データコンサルタント
- Technology for Living Systems(TfLS):「Living Systems(進化し続けるシステム)」を実現するテクノロジー専門組織。2020年に誕生
- オートメーションチーム (Automation)
- データ分析チーム(Data Platform)
- デジタル化チーム(Digitalization)
- プロジェクト管理チーム(Delivery)
- 業務設計チーム (BA)
- テクノロジーソリューション策定チーム(Tech SA)
- オペレーション効率化チーム (AI-Ops)
- 開発実行チーム (Developers)
- Cybersecurityグループ:セキュリティ ストラテジー&リスクコンサルタント
- Cloudグループ:クラウドへの移行やインフラストラクチャ構築をはじめ、広範なサービスを提供
- インテリジェントクラウド アンド インフラストラクチャー(ICI)グループ:
- インテリジェント クラウド イネーブラー グループ(ICE):クラウド・インフラのワンストップサービスを提供する組織横断型のチーム
- Quality Engineering & Assurance(QE&E):クオリティ&テスティングエンジニア/品質管理エキスパート /Software Development Engineer in Test(SDET)
■専門別(IPS:Intelligent Platform Services)
■専門別(IPS:Intelligent Platform Services)
- SAP グループ(BIS・ITS-SAP)/Salesforce グループ(CFA)/Microsoft ビジネスグループ(TGP-MS)/Oracle グループ(BIO・ITS-Oracle)/Workday チーム(E&I-Workday)
- Cloud First Applications(CFA)グループ
- Salesforce/MuleSoft/Pega/ServiceNow
- クロスプラットフォーム コンサルティング(E&I-CrossPF):用途に応じて適材適所に複数ソリューションの機能を配置し連携させることで、さらなる効率化を実現。2020年に誕生した新組織
■ITトランスフォーメーション&オプティマイゼーション(ITXO)
■ITトランスフォーメーション&オプティマイゼーション(ITXO)
先端テクノロジーとアクセンチュアの知見を活かした運用保守アウトソーシングサービス
- ITXO-AMS:Application Managed Services
- ITXO‐IMS:Infrastructure Managed Services
- ITXO-TR:IT Transformation & Realisation
アクセンチュアのテクノロジーコンサルティング本部社員が語る「入社後に活躍できるのはこんな人」
https://news.careerconnection.jp/career/career-change/121088/「戦略から実行まで」を幅広く担う、総合系コンサルティング会社のアクセンチュア。中でもテクノロジー案件を先導し、即戦力の採用を積極的に行っている組織が「テクノロジーコンサルティング本部」だ。
テクノロジー コンサルティング本部内のグループ
テクノロジーコンサルティング本部内には、複数のまとまりがありますが、呼び名はグループやチームなど様々です。また、2020年に新しいグループがいくつか誕生するなど、事業環境の変化に対応するために、組織の新陳代謝があるので注意が必要です。
オペレーションズ コンサルティング本部
オペレーションズ コンサルティング本部は、お客様企業の業務オペレーションをアウトソーシングで引き受けて業務主体となった上で、複数年にわたる連続的なデジタル業務改革を通じてその中身を根本的に変えていく「インテリジェント・オペレーションサービス」を展開しています。
担当する業務は、経理や人事といった「コーポレートファンクション領域」や、インサイドセールス、マーケティングといった「顧客接点業務」、さらには製造業における「調達業務」、保険や製薬などの「業界固有の業務」など幅広いです。
- 経理・経営管理/セールス&カスタマー・オペレーションズ/マーケティング/調達・購買/サプライチェーン/タレントマネジメント・人事/ライフサイエンスR&D/保険/海外展開
企業サイトには、以下のようなチームが紹介されています。
- Business Transformation(BT)チーム:お客様の業務プロセスを分析し、アクセンチュアがBPOすることによりどのような業務改善ができるかを計画・策定し、実行するまでを担う
- Mobilization(Mob)チーム:既存のベンダーから業務を引継ぎ、業務移管の管理(プロジェクトマネジメント)を行う
- IMJ:2021年に吸収合併。デジタルマーケティング支援/DX人材育成支援
- AIO福岡:アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡
- AIO熊本:アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター熊本
- アクセンチュア・フィリピン・マニラ:日本の顧客向けBPO
インダストリーX本部
アクセンチュアでは、データとデジタルの力を駆使してものづくりのあり方をエンドツーエンドで再考するための、デジタルエンジニアリングとマニュファクチャリングにおける統合的なアプローチを「インダストリーX」と呼んでいます。
インダストリーX本部には「エンジニアリング&マニュファクチャリング」と「インダストリー&トランスフォーメーション」というグループがあるようです。
クライアント・グループ
アクセンチュアには各サービスを担う上記5つの本部のほか「クライアント・グループ」があり、クライアントにソリューションの提案を行ったりプロジェクトの顧客管理を行ったりする役割を果たしています。
企業ウェブサイトによると、クライアント・グループ(CG-Sales)には「通信・メディア・ハイテク本部」「金融サービス本部」「公共サービス・医療健康本部」「製造・流通本部」「素材・エネルギー本部」の5つのグループに、日本オフィス直属のグループを加えた6つのチームがあるとのことです。
アクセンチュアのプロジェクト編成
アクセンチュアの組織は、日本の官公庁や大企業のようなピラミッド型ではなく、案件ごとにチームが組まれる「プロジェクト型」です。
社員は、サービス・機能別、あるいはクライアントグループのいずれかの本部に属していますが、プロジェクトごとにメンバーとしてアサインされ、チームに加わります。
アクセンチュアの「採用案内」に例示されているチーム編成によると、事業会社と金融機関が協力して立ち上げた「電子マネーサービス」の提供を支援するプロジェクトの場合、
- Phase1の「プランニング」(8ヶ月)
- Phase2の「システム構築」(8ヶ月)
- Phase3の「サービス運用」(数年)
を進めるために6つのプロジェクトが組まれ、それぞれに各本部のメンバーがアサインされています。なお、担当する業界のクライアント・グループは、プロジェクトのすべての道のりを並走するとしています(このプロジェクトの場合は金融サービス本部)。
アクセンチュアの働き方改革「Project Pride」
2015年9月に代表取締役社長に就任した江川昌史氏は、アクセンチュア独自の働き方改革「Project PRIDE」を主導し、業績を伸ばす中での残業時間削減の実現や、社員の多様性拡大の一環として女性従業員比率の向上などを達成しています。
風土改革のフレームワークに沿って、(1)方向性の提示と継続的な効果測定、(2)リーダーのコミットメント、(3)仕組み化、テクノロジー活用、(4)文化・風土の定着化の4つの軸で施策を行っていますが、具体的には以下のような仕組みやルール、キャンペーンを行っています。
【仕組み化:ルールの徹底/コラボレーション】
- ハラスメント抑止に向けたルールの周知徹底・厳格化、研修の拡充、社外窓口設置
- 残業の適用ルールを厳格化、18時以降の会議原則禁止
- 短日・短時間制度の導入、在宅勤務制度の全社展開
- 生産性の高い社員により報いるための給与制度の改定
- 働きやすい環境作りに向けた管理職研修の義務化
- コラボレーション促進を目的としたオフィス設計
- PRIDEを実践している優れた社員およびプロジェクトの表彰制度
- 本部長選りすぐりの案件を集めたBest Projectサイトを設置
【テクノロジー活用:業務効率化/価値向上】
- PRIDE Tool Box:生産性向上に繋がるツールやコツを提供
- 管理業務効率化のチャットボット、プロジェクト概要登録の自動化RPAの開発
- 生産性向上に長けた社員から学ぶ「時間の達人ショートVTRシリーズ」
- グローバル60万人超の社員の知見と事例が集積されたデータベースの活用促進
- PRIDEポータルサイト強化:目指す姿や好事例などPRIDEに関する情報を掲載
- 全社員と遠隔でもコラボレーション可能なツールの徹底活用
文化・風土の定着化
- 大切な人へ“感謝”を伝えるキャンペーン。メッセージを本人へ伝達、動画も制作
- 30 Days Challenge:コミュニケーション強化月間で啓蒙メッセージを全社配信
- 定時退社奨励や有給休暇取得推進活動の実施
- PRIDE川柳キャンペーン:社員の気づきを投稿・表彰。優秀作品をカップに印刷
- 生産性向上や価値を高める働き方等の具体事例をシリーズ記事「挑戦者たち」、「The INNOVATORS」 、「PRIDEリレー」で展開
- 社員の声を元に「ビジネスマナー基本の10か条」、「リモートワークの心得10か条」などを作成し、展開
- PRIDEで目指す姿や生産性向上の具体事例や有用なツール等をまとめた「Play book」を展開
- 経営トップを中心に、PRIDEの課題を社員と双方向で考え、語るWebcast「PRIDE TV」を放映
- 社員の“本音”をダイレクトに伝える新聞スタイルの社内報「Voice Picks」を全社へ定期配信
- 社内外で積極的にコラボレーションしながら価値を創出するロールモデルとしてPRIDE5を結成、全社に事例とともに展開
- リモートワークが続く中の孤独や閉塞感の解消、コラボ促進のため日頃の“感謝”を伝えるe-cardの利用促進や「オンラインコミュニケーション事例集」を展開
アクセンチュア独自の働き方改革「Project PRIDE」
https://www.accenture.com/jp-ja/about/company/project-prideビジネスコンサルティングで培った手法に基づき「制度」と「意識」の両輪から施策を重ねての組織風土改革。アクセンチュアで働く一人ひとりがプロフェッショナルとしてのあり方に自信と誇りをもてる未来を創造する全社員イノベーション活動。働き方改革に近道なし。
「Project Pride」の背景
『アクセンチュア流 生産性を高める「働き方改革」』(2017年9月刊)によると、江川社長が就任した当時のアクセンチュアには、以下のような課題があったようです。
“世界55か国、200都市以上に拠点をもつアクセンチュア。ところが、その日本法人は数年前まで「激務だ、不夜城だ! 」と揶揄され、「収入は高いが仕事はキツイ」の典型企業でした。体力、気合、根性に象徴される体育会系カルチャーのもと、社員は疲弊し、長時間労働やハラスメントなど労務上の問題も常態化…”
このため、労働時間や労働環境の改善だけでなく、社員の意識とカルチャーを根本的に変えていくことも必要でした。背景にあるのは、成長の源となる人材を惹きつけ続ける必要があること。特にDX推進のエンジニアを社内に抱えるためには、定着率の改善と新規採用の魅力づけが必要でした。もちろん、現役社員がサステイナブルに高い価値を出し続けるためにも、社員一人ひとりのニーズに沿った環境づくりの必要性がより高まっていました。
アクセンチュアのキャリアパス
アクセンチュアでは、世界共通のキャリアトラックで昇格していきます。現役社員にヒアリングしたところ、ストラテジー系出身者の各職位と年収レンジはおおよそ以下の通りとのことですが、社内相場としては「他部署では2割程度下がる」という指摘もあります。
なお、アクセンチュアでは、配属されたプロジェクトの上司のほか、ジョブを共有しないキャリアカウンセラーがついて、人事評価とともにキャリア構築をサポートしています。
カウンセリ―(カウンセリング対象の社員)は、カウンセラーのアドバイスを受けて、今までとは異なるタイプのプロジェクトに志願してみたり、過去に一緒に働いたことのない上司のもとで働いてみたりといった、積極的なアクションを行うことができます。
社内の転職サイト「キャリアズ マーケットプレイス」
アクセンチュアには「Careers Marketplace(キャリアズ マーケットプレイス)」という社内の転職サイトがあります。世界中のアクセンチュアオフィスの求人情報が掲載されており、部門や国を越えて自分の希望に合うポジションを探し応募することができます。応募の際には上司の許可を取る必要はなく、2022年は日本法人だけで725名がこの制度を利用して異動しています。
アクセンチュアの人材開発
アクセンチュアがグローバルでの人材開発・トレーニングへの年間投資額は2019年度で1,000億円以上。社員は自らの成長に必要な社内外のカリキュラムを選択することができます。
24,000を超える専門的・実践的な「オンライントレーニング」(英語)が無料で受けられ、海外オフィスのボランティア社員とペアを組んで、カジュアルな会話による英会話レッスンを請ける「Language Buddyプログラム」などもあります。
研修センターは米シカゴ、英、インドにあり、世界中の管理職を対象に約半年のリーダー育成を行うプログラムがあります。国内事業所でも、現役コンサルタントが現場で必要とされるロジカルなプレゼン資料の作り方を伝授するレッスンなどがあります。
また、クラウドやAI、ブロックチェーン、メタバースなどアクセンチュアが取り扱う主要なテクノロジーを社員が理解することは極めて重要です。このため2020年度からは、すべての社員にテクノロジーを理解してもらうことを目的とした「Technology Quotient」(テクノロジー・クオシェント)という全ての社員を対象としたトレーニングプログラムを新たに導入しました。
アクセンチュアの「People Lead(ピープルリード)」
アクセンチュアには、社員一人一人に「People Lead(ピープル リード)」と呼ばれる“業務上の上司とは異なる上司”がつき、キャリア構築の相談やフィードバックを受けることができます。
アクセンチュアの女性活躍支援
アクセンチュアでは、クライアントの課題を解決するためには、多様なバックグラウンドを持つ人材がコラボレーションし、活躍する組織・チームが必要と考え、「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」を推進しています。
特に女性の活躍を支援する制度が充実しており、ライフステージによって働き方を自分の意思で選択できる制度を整備しています。グローバル全体では、2025年までに社員の男女比を50:50にすることを目指しています。
<近年の取り組みの成果>
- 女性社員等の比率(2022年9月現在)
- 全社員に占める女性社員 37.5%
- 全管理職数に占める女性管理職数 19.3%
- 経営幹部数に占める女性経営幹部数 15.0%
- 育児休業取得率
- 男性社員47.5%(参考:男性(全国平均)13.97%)
- 女性社員100%(参考:女性(全国平均)85.1%)
アクセンチュアが求める人材像
アクセンチュアは求める人材像として“アクセンチュアによって自らを進化させ、アクセンチュアに真価をもたらす人材”としています。
具体的には、アクセンチュアで活躍している人材に共通する素養を「未来のアクセンチュアに必要なDNA」として次のようにまとめています。
- 背伸びをしてでも目標へ手を伸ばさずにはいられない
- 自分も会社も世の中までも、変えたいと望む
- 常に次のステージを見据え、自らの開拓に貪欲である
- チャレンジに手加減せず、最後までやり遂げる
- 信念を持ち、誠実さを貫ける
- あるべき姿を追求するためには、立場や関係性を超えた主張を厭わない
- 常に既存の概念にとらわれない新しいものを探求している
- 正解がない状況こそ楽しめる
- タフな状況も、周囲を引き込み楽しめる情熱がある
- 多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている
- 互いを生かし合えるチームこそ無限の可能性があると信じる
- 未知の経験や出会いを大切にする
Think Straight, Talk Straight.
「Think Straight, Talk Straight.」は、とことん考え抜き、ストレートに伝える、という意味の言葉で、オープンかつフラットな文化を目指すアクセンチュアの社風や文化を表す言葉と言われています。社員一人一人が立場にかかわらず自分の考えを素直に発言することが歓迎され、自分の意思を明確に伝えることで周りの支援を得ながら働くことができます。
アクセンチュアの福利厚生
アクセンチュアには、フレックス制度や在宅勤務制度、短日短時間勤務制度といった「多様な働き方」を可能にする制度や、母体保護休暇や配偶者・ライフパートナー出産休暇、ベビーシッター補助などの「ライフステージに応じた働き方」を可能にする制度、確定拠出年金制度や従業員株式購入プラン、長期収入所得補償(LTD)といった福利厚生制度があります。
また、アクセンチュアでは、社内のコミュニケーションも大切な福利厚生の一つと考え、クラブ活動を積極的にバックアップ。業務以外でつながる社内ネットワーキングの場ともなっています。
アクセンチュアでは、社員一人ひとりが最大限の能力を発揮して活躍できるよう、「自分らしく働くことのできる職場作り」を大切にしています。アクセンチュア社員を支える福利厚生・働き方・休暇・手当・クラブ活動をご紹介します。
アクセンチュアの求人情報
アクセンチュアの求人情報は、例えば「業界別テクノロジーコンサルタント / エンジニア - テクノロジー コンサルティング本部」といった形でコーポレートサイトに掲載されています。
これは「テクノロジー コンサルティング本部に所属して、業界別テクノロジーコンサルタントとして働くエンジニア」を募集という意味です。
「求人への応募」は慎重に
なお、アクセンチュアでは、職種名は同じでも所属する組織が異なる場合があります。たとえば「テクノロジーコンサルタント」という職種は、ビジネスコンサルティング本部で募集する場合と、テクノロジー コンサルティング本部で募集する場合の2パターンがありますが、組織のミッションが別ですので仕事内容も異なります。
アクセンチュアの組織について十分理解したうえで、自分の希望に合ったポジションを選びましょう。なお、非公開職種もありますので、「もっと自分にピッタリ合った職種がないか」グローバルウェイ・エージェントで確認してから応募してください。(※登録フォームの備考欄に「アクセンチュアの件」と明記願います。)
アクセンチュアの採用面接で聞かれる質問
アクセンチュアの採用面接で比重が高いのは「ケース面接」です。コンサルタントに求められる問題解決能力を確認する方法のひとつで、例えば「コンビニエンスストアチェーンA社の売上高を2倍にするには、どういう方法が考えられますか?」といった問いに対し、情報や時間が限られた中で答えを出していくものです。
このほか、面接に際して志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
なお、アクセンチュアの採用サイトには、経験・知見を含む「応募要件」、要件ではないがあると「望ましい経験・スキル」、論理的思考能力などの「期待するヒューマンスキル」などが明記されています。書かれている要件を自分がいかにクリアしているかを説明する準備が必要です。
マネジャークラス以上の面接準備
マネジャー以上については「Can」「Will」「Must」は当然として、職務に応じた個別の質問が多くなっており、あらかじめ準備が必要です。詳しくは、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「アクセンチュアの件」と明記願います。)
アクセンチュアへの転職を成功させるために
以上、アクセンチュアという会社について、概要をご説明させていただきました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでください。
アクセンチュアの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄に「アクセンチュアの件」と明記願います。費用は一切かかりません。ぜひご相談ください。
事業会社のSEからアクセンチュアへの転職で年収1000万円を突破 経験者が肉声で語る「キャリアアップのコツはこれです」
https://news.careerconnection.jp/career/career-change/115510/個人の時間を売り買いするタイムチケットに「現役外資コンサルのキャリア構築支援」を登録している猿之助さん(40代前半)。新卒で就職した事業会社では年収300万円でしたが、外資コンサルへの転職で年収1300万円超を達成しています。
アクセンチュアのテクノロジー コンサルティング本部に転職する前に必ず知っておきたい、非公開ホワイトペーパーについて
アクセンチュアのテクノロジーコンサルティング本部について更に詳しい情報を知りたい方は、グローバルウェイエージェント特別編集の『アクセンチュアのテクノロジー コンサルティング本部にいま転職すべき理由と留意点』のホワイトペーパーを差し上げます。
本ホワイトペーパーでは、外資系IT企業へのキャリアコンサルティングを10年以上続けてきたグローバルウェイエージェントならではの独自の情報網から入手した情報とメディア編集部が総力を挙げて調べた内容がまとめられております。
<主なコンテンツ>
- これから活躍できるデジタル人材像と、目指すべきキャリアアップの道
- なぜ事業会社への転職より、IT業界の最上流をおすすめするのか
- SI業界の限界と、アクセンチュアで成功体験が積みやすい理由
- アクセンチュアへ転職する際の懸念点と、よくある候補者からの質問、疑問への回答
Globalway Agent グループ長。日系・外資系企業で採用コンサルタント、ヘッドハンター等を経て現職。趣味は華道(草月流)。