2022年08月23日

【平均年収710.4万円】TOTO社員の給料は実際いくらもらっているのか?

【年収研究シリーズ】TOTO社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。


TOTOの平均年収は710.4万円

TOTOの有価証券報告書によると、平均年収は710.4万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考にTOTOの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で420〜470万円、30歳代で580〜630万円、40歳代で730〜780万円となりました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.44倍の額です。

TOTOの平均年収推移

グラフが表示されない場合はこちら
TOTO・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移
決算月平均年収平均年齢平均勤続年数従業員数
2022年3月期710.4万円43.8歳17.3年7984人
2021年3月期669.9万円43.5歳16.7年8158人
2020年3月期679.4万円43.2歳16.1年8169人
2019年3月期678万円42.9歳15年8034人
2018年3月期671万円42.6歳14.9年7960人

出典:TOTO・有価証券報告書

過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
TOTOの平均年収は前年を上回り710.4万円でした。
過去5年間では最高額になりました。

TOTOの年代別平均年収と中央値

TOTOの年収中央値は30代で602.6万円

続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。

TOTOの年収実態
年代平均年収平均月収平均ボーナス年収中央値
20代436.1万円28.5万円78.2万円392.49万円
30代602.6万円38.9万円108.2万円542.34万円
40代748.8万円48.1万円134.5万円673.92万円
50代885.3万円56.6万円159.1万円796.77万円

※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出

TOTOの年収が高い理由

賞与は年間約7ヶ月分

TOTOの高年収を支える最大の理由は、賞与のボリュームの大きさです。
TOTOの賞与は業績連動制ですが、口コミを見ると、「賞与は年間約7ヶ月分」「現在上限値に近い状態」とのことです。さらに、個人の評価も賞与に反映される制度にはなっているものの、「評価結果が違っても、それほど大きく賞与額は違わない」のが実態であり、全社員が安定して高い水準の賞与を支給されていると言えます。

また、福利厚生が充実していることも、給与以外としてのメリットとして挙げられます。最大の魅力である住宅手当については後述しますが、それ以外にも年間6万円分のカフェテリアプランや、1割の会社補助を得られる持株会、グループ保険制度も格安であったりと、見た目の年収以外で、可処分所得を押し上げる制度が充実していることが分かります。

TOTOの給与体系・内訳

住宅手当は高水準

TOTOの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回(6月・12月)の賞与で構成されています。

諸手当は、時間外手当、住宅手当、通勤手当、職場レクリエーション補助などのほか、福利厚生として、社宅制度、退職金制度、持株会、保養所、カフェテリアプランなどの制度が整備されています。

中でも住宅手当の充実ぶりは、住宅設備メーカーならでは。賃貸物件の家賃の約8割が補助されるというもので、口コミによると、「都内であれば75000万円までの物件、既婚者の場合16万円までの物件」が上限値として設定されているようです。これだけで、「年間140万円上乗せされている」社員もいるほどです。

TOTO社員の給与明細(キャリコネ)

20代から30代で年収200万円アップ

20代営業(非管理職)の 給与明細

20代営業(非管理職)の 給与明細

30代半ばで年収850万円超え

30代(非管理職)の 給与明細

30代(非管理職)の 給与明細

TOTOの職種別年収

役割等級によって年収が決まる

TOTOの職種は、「営業・企画職」と「技術職」の大きく2つに分類されます。両職種は、合わせて「総合職」と呼ばれ、賃金制度も同一の制度が適用されます。したがって、職種によって年収に差が生じることはなく、「役割等級」と呼ばれる社内ランクによって年収が決められます。

初任給についても、両職種共通で、以下の通り学歴別に設定されています。
<2019年4月 初任給実績(東京勤務の場合)>
●高専本科卒:月給19万1000円
●学部・高専専科卒:月給22万1500円
●修士了:月給24万6000円

年代別の年収目安としては、20代は400~500万円、30代になると600~700万円、管理職に昇格すると年収が1000万円に到達する、といった具合です。

TOTO社員の給与明細(キャリコネ)

20代の間はどの職種でも横並び

20代営業(非管理職)の 給与明細

20代技術(非管理職)の 給与明細

30代以降も年収に大きな差は生まれない

30代技術(非管理職)の 給与明細

30代管理部門(非管理職)の 給与明細

TOTOで年収を上げる方法

年功序列の風土が根強い

前述の通り、TOTOの年収は役割等級によって決まるため、年収を上げるためには、昇格することが必要です。

口コミによると、TOTOは「良くも悪くも年功序列」であり、特に「最初の昇格試験が行われる入社7年目までは、同期と全く差がない」そうです。しかしこの後は、「実力次第で昇格・昇給スピードは変わってくる」ようですが、そうはいっても「部長クラスにまで昇格することがなければ、ほとんど差は出ない」というのが実態であると伺えます。

評価制度としては、役割遂行度評価と業績目標評価の2軸で評価され、前者は年に1度の上司面談の中で確認され、その評価結果が給与に反映、後者は半期ごとの目標設定し、その達成度が賞与に反映されます。

TOTO社員の口コミ(キャリコネ)

毎年ベースアップはあるものの、若手には不満も残る

「良くも悪くも年功序列、毎年昇給はある 仕事のできる若手社員が報われない……

入社7年目までは完全に横並び

「見事に年功序列が生き残っている 入社7年目までは完全横並び平社員扱い……

TOTOと競合他社の平均年収を比較

TOTOの競合や同業界であるパナソニック、タカラスタンダード、クリナップの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、TOTOが710.4万円、パナソニックが758.6万円、タカラスタンダードが564.4万円、クリナップが530万円です。
この4社の中で最高額はパナソニックの758.6万円で、最低額がクリナップの530万円。その差はおよそ229万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではTOTOは2番目に位置します。

社名平均年収平均年齢平均勤続年数従業員数(単体)売上高
パナソニック758.6万円45.7歳22.5年55088人27559.67億円
TOTO710.4万円43.8歳17.3年7984人4304.69億円
タカラスタンダード564.4万円40.3歳14.5年6221人2115.01億円
クリナップ530万円41歳16年2941人1070.3億円

TOTOの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください

出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」


この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。