2021年06月21日
ファッション雑誌の販売部数においてトップシェアを誇る宝島社への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめ転職を成功させましょう。
宝島社は出版を主軸に事業をおこなっており、ファッション雑誌の分野をけん引しています。月刊女性ファッション雑誌の販売部数ランキングでは『リンネル』が2年連続1位を獲得するなど、宝島社の雑誌はトップ10位以内に5誌も入っています。お客様に喜ばれる良質なコンテンツをつくることにこだわり、従来の出版物にとらわれない新しい発想を大切にしています。ブランドとコラボレーションし、バッグなどの付録をアピールポイントとするブランドムックシリーズは、同社によって世の中に大きく認知されることになりました。雑誌業界のパイオニアとしてトップシェアを誇っています。
口コミサイトでは、「若いうちから責任の重い大きな仕事を経験できる」「とにかくスピードが速く成長を感じる」「意欲的で優秀な人材が多く、活気がある」という声が目立ちます。仕事に対し前向きに高い当事者意識を持ちながら業務に励んでいることがわかります。「未経験でも企画を出すことができ、プロジェクトに参加できる」という口コミのように、雇用形態や年齢問わずチャンスを与え、個人を尊重する社風があります。そのため活発な意見が飛び交い、斬新なアイデアが生まれているようです。
一方で「業務量が多く忙しい」「残業代が給与に含まれており、残業しても収入が変わらない」という労働環境に対しての口コミも聞かれます。女性社員が多く時短勤務ができることをプラスに感じている声がある一方で、時短勤務社員の代わりに他の社員に負担がかかるということも起きているようです。働く環境の整備は改善が期待されています。
雑誌をはじめとしたコンテンツで、世の中を明るく、元気にすることを使命としている宝島社。面接では「個人を尊重し、強い責任感とスピード力で今までにない発想を生み出す」社風に、合致した人材であることをアピールできるようにしましょう。
2020年7月現在、宝島社のホームページでは「校正・校閲スタッフ」を募集しています。履歴書、職務経歴書を直接校正校閲部に郵送、もしくはメールで送ります。
その後の採用フローはホームページに記載はありませんでしたが、口コミサイトによると一次面接→最終面接→内定となるケースが多いとのこと。ただし、一次面接で内定を告げられたという口コミも存在しているため、募集職種やその人の経験によってフローは変わるようです。
また、ファッション雑誌、ムック本だけでなく、ビジネス書、小説などさまざまな編集部で人を求めている場合、他の部署と共同で面接をすることもあり、一度に複数の編集長と面接をしたとう口コミも見受けられました。そのため、自身の希望部署やジャンルをきちんと面接で伝えることが大切でしょう。
宝島社には人事部はなく、一次面接は現場社員、二次面接は現場の責任者がおこないます。そのため部署の仕事に結び付く質問は多く受けるようです。例えばファッション誌の部署であれば「好きなファッションブランド」や「ファッションへの興味」などについて確認され、どれだけアンテナを張りめぐらせているかをチェックされます。また「今まで発案した企画」についての質問も多くあり、実際企画書を作成しプレゼンしたという口コミもありました。トレンドや情報に敏感で、他にない斬新なアイデアを発信できるかどうかが見極められているようです。
また同社への志望理由や興味関心についても聞かれます。「気になったムック本は?」など同社にまつわる質問もいくつかされるようです。同社が手掛けた雑誌や書籍はきちんと研究し、自身が惹かれたポイントを整理しアピールできるようにしましょう。
今までの出版物にとらわれない、斬新な発想を強みとしている同社。面接では「好奇心を持ってアンテナを張り、自身のアイデアを持ちながら、宝島社の想いに共感している人材」であることをアピールできるようにしましょう。
宝島社の企業理念は、「人と社会を楽しく元気に」。多くの人に喜んでもらえるコンテンツを生み出し、世の中を盛り上げたいという想いをもっています。本という形に限らず、ブランドムックや傘、バッグ、調理・美容器具など、生活に密着した「あったら嬉しい」と感じるグッズ付きの出版物の企画・開発に特に力を入れています。そのため電子書籍ではなく紙媒体に注力しているのが同社の特徴です。紙離れ、出版不況といわれている時代に、圧倒的な売上を誇っているのは、従来の「出版物=読み物」という概念にとらわれないモノづくりの視点と、人が何を求めているのかを読みとる優秀なマーケティング力によるものでしょう。
宝島社が手掛けている雑誌
宝島チャンネルより
同社ではこのように、ファッション、健康、美容、料理など幅広い分野に興味を持ち、人びとが元気に楽しくなるためのコンテンツ作りを大切にしています。こうした同社の想いを理解し、面接では、自身がどう貢献できるかをアピールしましょう。
面接では「なぜ宝島社を志望したのか」について確認されることが多々あります。この質問により「何を実現したいと思っているのか」「それは当社で可能なのか」といった点だけでなく「当社の特徴をきちんと理解しているか」ということをなども見極められています。
中堅出版社は大手出版社と明確に違うところは、扱うテーマがニッチなところにあります。かなり個性的な出版物を扱うということで、メジャーではないものを扱うことへの思いを明確にしましょう。
この質問に的確に答えるためには、宝島社の研究だけでなく、他社研究により同社への理解を深める方法があります。出版社でも得意な分野や経営スタイルなどは異なるため、違いを知ることで同社の強みや魅力をより鮮明に把握することができます。
●株式会社集英社
●株式会社光文社
●株式会社小学館
●株式会社主婦と生活社
企業研究や他社研究を通じて、同社の社風や求める人材像のイメージが具体的に湧いてきたのではないでしょうか。「個人を尊重し、強い責任感とスピード力で今までにない発想を生み出す」社風を理解し、同社の理念の実現に貢献できる人材であることをアピールできるようにしましょう。
ここからは面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたら自分ならどのように答えるかを考え、入社への熱意をしっかりと伝えられるよう面接対策をしておきましょう。
同社の面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「個人を尊重し、強い責任感とスピード力で今までにない発想を生み出す」社風を理解し、「好奇心を持ってアンテナを張り、自身のアイデアを持ちながら、宝島社の想いに共感できる」人材であることをアピールする。
●同社の企業理念を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
●競合他社についても研究し、「なぜ宝島社なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらを踏まえ、当日の面接では落ち着いて誠実に答えることを意識して臨みましょう。
ここでは書ききれませんが、中堅出版社はワンマン社長が多く締め付けがきつい、怒号を浴びせられる、職場がギスギスしているといったことや、長時間労働や不規則労働なことが多いなど、人によってはブラック企業と捉えることできる側面があります。その辺りも考慮して、転職に臨んでください。
この記事の執筆者