幻冬舎の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
おもに小説や新書、雑誌の出版をおこなう幻冬舎。ヒット作を生むことも多く、各賞受賞作や映像化作品もたびたび世に送り出しています。
『蜜蜂と遠雷』(恩田陸・著)は「本屋大賞2017」と「第156回直木賞」をW受賞し、話題になりました。2019年の単行本ビジネス書売上ランキング(トーハン調べ)にて、『メモの魔力 The Magic of Memos』(前田裕二・著)が1位となるなど、ノンフィクションにおいても強みをもっています。雑誌分野では、女性ファッション誌「GINGER」、男性情報雑誌「GOETHE(ゲーテ)」などを発行。また、幻冬舎plusやGINGER・GOETHE各公式Webメディアなど、自社出版物と連動したWebコンテンツを運営していることも特徴です。
なお、コミックスについては子会社である「幻冬舎コミックス」が発行をおこなっていますので、コミックス制作に携わりたい人は注意してください。
そんな同社の口コミには、「編集を志すなら、絶対的なやりがいに恵まれる会社」「仕事に対する社内環境は厳しい」「与えられた環境を生かせるかは自分次第」といったものが見られました。社員は現場で学んでいくという気風があり、それが「厳しい社内環境」と受け取られることもあるようです。意欲的に動ける姿勢さえあれば、成長できるといえるでしょう。
また業界全体が出版不況にある現在、同社はWebコンテンツの運用にはじまり、多くのグループ会社も展開しています。そのため、他業種や他社と連携をとるためのコミュニケーション能力も必要です。
「自ら意欲的に学ぶ姿勢とコミュニケーション能力を重視する」。採用面接においては、こうした社風に馴染み、この会社で働き続けることができそうか見極められます。
■選考は何次まで?
同社では欠員が発生し次第採用をおこなっており、採用情報は不定期で入れ替わります。同社コーポレートサイトの採用情報をこまめにチェックしてみてください。2020年6月現在は、「経営企画局」にて中途採用をおこなっています。この職種は、おもに子会社の管理事務をおこなうものです。
選考フローについて、コーポレートサイトには「書類選考のうえ、筆記試験、面接を複数回実施」とあります。このフローは職種によっても異なると考えられるので、書類選考通過時に採用担当者に確認してみてもよいでしょう。
また不定期で採用をおこなう同社では、募集がかけられた際はかなりの応募があり、多くが書類選考で落とされる可能性があります。2次面接まで進んだ選考経験者は、「書類が通らないと話にならないので、書類はかなり内容を詰めて書いた」と語っています。まずは採用担当者の目に留まることを意識し、履歴書・職務経歴書を作成しましょう。
■面接内容の傾向は?
同社の面接では、志望動機やこれまでの経歴についてといった基本的な質問に加え、「好きな本は?」など出版社ならではの内容も問われます。好きな本についてプレゼンできるよう準備しておくほか、幻冬舎の書籍で気になるものも読んでおくことをおすすめします。
「幻冬舎にとって足りないものは何か」などを問われることもあります。出版業界の展望を読み、同業他社とも比較した上で、同社に足りないものは何か論理的に説明できるとよいでしょう。
また、「社長をどのように認識していますか」と聞かれた人もいます。同社の代表取締役社長である見城徹氏は、同社を設立し自身も編集者として数々のヒットを生み出してきた、キーパーソンといえる存在です。幻冬舎から見城氏自身の著書が複数出版されているほか、インターネットで同氏のインタビューなども読むことができます。これらに目を通しておき、面接時はその行動力に共感する姿勢を見せましょう。
幻冬舎の面接攻略法(面接対策)
■幻冬舎の「事業内容」を理解した上で自己分析をする
幻冬舎の面接を受けるにあたっては、同社コーポレートサイト内にある「事業内容」を理解しておくことが必要です。
創立以来、「売れるための本づくり」を実行してきた同社。そのために、「つくる、知らしめる、売る」という3点を経営の基本としてきました。具体的に確認しておきましょう。
・「つくる」:優れた作品は、編集者が表現者と深くコラボレーションすることでしか生まれないという「幻冬舎イズム」を表しています。
・「知らしめる」:優れた本を多くの読者に読んでもらうためのパブリシティー戦略を立て、作品を広める努力を惜しまないとしています。
・「売る」:作品を売るために、データに基づき客観的・効率的な販売戦略を立てます。
このように、同社における「つくる、知らしめる、売る」という3点は単なる理念に留まらず、データを活用し、具体的な戦略を実行するための指針となっていることがわかります。面接では、数値やデータからソリューションを導き出し、価値を生み出した経験などを話せるよう準備しておきましょう。
■「なぜ幻冬舎に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ幻冬舎なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「出版業界に向いているか」「それまでの経験を同社で生かせるのか」といった点はもちろん、「本当に同社の特色を理解しているのか」ということです。
業界や職種の枠を超えて幻冬舎という企業について理解するためには、競合となりやすい企業についても調べておく必要があります。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜ幻冬舎なのか」について、説得力のある答えを用意しておきましょう。
例として、以下に2019年の出版社売上高ランキング上位4社を挙げました。これらの企業にあって幻冬舎にないものを探し、幻冬舎で何をすれば利益を生むことができるか、考えてみてください。
- 株式会社講談社
- 株式会社集英社
- 株式会社KADOKAWA
- 株式会社小学館
幻冬舎の採用面接で実際に聞かれた質問内容
幻冬舎の社風や目指している方向性を理解することで、同社がどのような人材を求めているのか分かってきたのではないでしょうか。このように、幻冬舎の採用面接を受ける前には、前職での経験を振り返り自己分析をおこなうことや、他社研究を踏まえ志望動機を整理することが大切です。
そして面接の場では、「自ら意欲的に学ぶ姿勢とコミュニケーション能力を重視する」という社風を意識して、「本を『つくる、知らしめる、売る』ために、データを活用し的確な戦略を立てられる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことが望ましいです。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、事前にシミュレーションしておき、実際の面接の際に落ち着いて話せるようにしましょう。
[20代後半・男性/編集] 【結果:二次面接で不採用】
[30代後半・男性/グラフィックデザイナー] 【結果:一次面接で不採用】
[30代前半・女性/編集] 【結果:二次面接で不採用】
幻冬舎の採用面接に向けて
幻冬舎の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「自ら意欲的に学ぶ姿勢とコミュニケーション能力を重視する」という社風の中で、「本を『つくる、知らしめる、売る』ために、データを活用し的確な戦略を立てられる」人材であることをアピールする。
- 幻冬舎コーポレートサイトの「事業内容」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ幻冬舎なのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。