徳間書店の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1954年に「東西芸能出版社」として創立された徳間書店。社員数は113名(2020年4月1日現在)と決して多くないものの、文芸書や一般書から、児童書、コミックス、15種もの雑誌まで、多様な書籍を製作する総合出版社です。それぞれの部署で社員一人ひとりが責任を担う、少数精鋭の会社だといえるでしょう。
同社を語る上で欠かせないのが、アニメーション・スタジオ「スタジオジブリ」との関連です。1978年に創刊され、現在も発行されている同社のアニメ雑誌「アニメージュ」。同誌の編集者だった鈴木敏夫氏は、漫画家としての宮崎駿氏をいち早く発掘し、『風の谷のナウシカ』を連載しました。その映画化をきっかけとして、同社は1985年に「スタジオジブリ」を設立します。それ以前から映画業界に参入していた同社ですが、これにより日本のアニメ・映画界の振興に大きく寄与しました。
そんな同社の口コミを見ると、「編集者は仕事によって評価されやすい」というものが挙がっています。社員数が少ない分、個々の仕事の裁量は大きく、やりがいを感じられるようです。また、「休日出勤や残業はほとんどなかった」「同業他社と比べても給与の割が良い」といった声も聞かれます。労働時間が不規則になりがちな業界ですが、同社ではワーク・ライフ・バランスを保って働ける様子です。
とはいえ、現在は出版業界全体が不振といえる状況で、それにより給与も左右されることが考えられます。本当に書籍づくりにやりがいを感じられる人でなければ、同社で働くのは厳しいでしょう。
「少数精鋭の各部署で、情熱をもって本づくりに携わる」。採用面接においては、こうした社風に馴染み、この会社で働き続けることができそうか見極められます。
■選考は何次まで?
同社では2020年6月現在、女性向け小説・コミック誌の編集者を募集しています。応募には、紙・電子問わず何らかの媒体の編集経験(1年以上)が必須要件となっていますので、注意してください。
ひとつの媒体だけでなくコミック、小説、電子書籍と幅広く担当する職種のため、こうした媒体の編集経験だけでなく、紙・電子書籍を問わず本やコミックを読んできた経験などをアピールできるとよいでしょう。
応募は転職エージェントを経由しておこない、Web書類選考の後、2回の面接を経て内定となります。コーポレートサイトの「採用情報」から応募ページに飛ぶことができ、社員インタビューや社内の写真もこのページに掲載されているので、確認しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
同社の面接では、本に関する知識・関心を問う質問に重点が置かれます。「本が好きか」という質問に対しては迷いなく肯定の返事をしましょう。「応募した部署の本を愛読しているか」という質問も、ほぼ必ず聞かれると思ってください。内定が出た面接経験者はこの問いに対して、「どれほど愛読しているか熱弁した」と語っています。そのレーベルのファンになりきり、熱意を伝えましょう。
また採用ページの募集要項には、作家や関係部署と円滑に仕事をするための「コミュニケーション能力と責任感のある人が向いている」と記載されており、こうした人柄も問われます。折衝経験やプロジェクトを推進した経験などがあれば、アピールポイントとしてまとめておいてください。
また、作家と直接関わる仕事であることから、知的財産に関する資格や知識をアピールできるとなおよいでしょう。
徳間書店の面接攻略法(面接対策)
■CCCによる徳間書店子会社化の意図を理解した上で自己分析をする
2017年3月、「TSUTAYA」で知られるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)が徳間書店を子会社化しました。徳間書店の面接を受けるにあたっては、この意図を理解しておくことが必要です。
同社の子会社化に際して、CCCは以下のような成果を得られると発表しました。
徳間書店の培ってきた編集力やノウハウ、取引先との信頼関係をさらに活かし、
CCCグループの各事業と掛け合わせた企画を生み出し、
より立体的で、新しいライフスタイル提案を創出してまいります。
具体的に実行された取り組みとして、絶版となった本を復刊させていく「復刊プロデュース文庫」があります。このプロジェクトは「TSUTAYA文庫」と名称を改めた後、徳間書店をはじめとした各出版社より現在でも定期的に刊行され、2020年3月までに合計100作品・300万部以上を売り上げるなど数々のヒットを生みました。
このプロジェクトの根幹には、「徳間書店の企画・編集力とCCCのリソース・知的資本を活かし、出版業界の発展に貢献する」という目的があります。これは徳間書店に入社するためにも欠かせない意識です。面接では、「魅力的な作品をつくることで、ひいては出版業界の発展に貢献したい」という意思をアピールしましょう。
■「なぜ徳間書店に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ徳間書店なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「出版業界に向いているか」「それまでの経験を同社で生かせるのか」といった点はもちろん、「本当に同社の特色を理解しているのか」ということです。
業界や職種の枠を超えて徳間書店という企業について理解するためには、競合となりやすい企業についても調べておく必要があります。他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜ徳間書店なのか」について、説得力のある答えを用意しておきましょう。
例として、以下のような企業と徳間書店との違いを調べてみてください。主婦の友社と美術出版社は、同社と同じくCCC傘下の出版社です。グループ内での役割の違いは何か、把握しておくとよいでしょう。
- 株式会社KADOKAWA
- 株式会社主婦の友社
- 株式会社美術出版社
徳間書店の採用面接で実際に聞かれた質問内容
徳間書店の社風や目指している方向性を理解することで、同社がどのような人材を求めているのか分かってきたのではないでしょうか。このように、徳間書店の採用面接を受ける前には、これまでの経験を振り返り自己分析をおこなうことや、他社研究を踏まえ志望動機を整理することが大切です。
そして面接の場では、「少数精鋭の各部署で、情熱をもって本づくりに携わる」という社風を意識して、「魅力的な作品をつくることで、ひいては出版業界の発展に貢献したい」という意識を伝えられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことが望ましいです。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、事前にシミュレーションしておき、実際の面接の際に落ち着いて話せるようにしましょう。
[30代前半・男性/編集] 【結果:入社】
[30代前半・女性/編集] 【結果:入社】
[20代前半・男性/編集] 【結果:二次面接で不採用】
徳間書店の採用面接に向けて
徳間書店の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
これらについて面接の前によく考えを深めておき、当日は落ち着いて理路整然と話し、本づくりへの情熱をアピールできるよう心がけましょう。
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