東レの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
東レは1926年、レーヨン糸の生産工場として創業しました。現在は「繊維事業」「機能化成品事業」「炭素繊維複合材料事業」「環境・エンジニアリング事業」「ライフサイエンス事業」の5つを柱として多角的に事業展開しており、世界26カ国・地域に255社のグループ企業を抱えるグローバル企業として成長。基礎素材開発で世界を代表するメーカーとなりました。
東レでは「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という企業理念のとおり、素材を切り口として、様々な社会問題の解決を目指しています。フィルム、ケミカル、樹脂、炭素繊維複合材料など、様々な分野で付加価値の高い製品を創出しており、社員もやりがいとプライドを感じているようです。「他社にはない、先端の技術を開発できる」「材料だけではなく、生物系など、社内に様々な専門家がいる」という口コミが多く寄せられており、技術力の高さが伺えます。また、採用HPでも「粘り強い研究開発」と「極限追及」が東レの強みとして謳われており、目標に向かって技術力を高める姿勢が特徴的と言えるでしょう。
高い技術力を生み出せる背景には、「社員の成長をサポートする」という社風があります。「困ったときには上司が手を差し伸べてくれる」「自分がやりたいと手を挙げたことは、自由にチャレンジさせてくれる」という声が多く見られ、温かみがあり、のびのびと成長できる環境であることが分かります。また、納涼大会などの社内イベントも活発で、男性の育児休暇取得にも積極的であるなど、社員の働きやすさを高めることにも積極的です。
社員の成長を温かくサポートすることで、「極限」まで高められた技術力を生み出し、グローバルワイドに展開する先端材料を創り出す。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
東レの中途採用プロセスは、書類選考と2回の面接です。1次面接は現場社員の責任者と人事担当者が、最終面接は役員が担当します。
募集職種は、大きく「技術系」と「事務系」の2つに分類されます。「技術系」は、研究開発、技術開発、生産技術、臨床開発、薬事など多岐にわたり、「事務系」は営業と人事・総務・法務等の管理部門が該当します。特に「技術系」は、専門内容によって職種が細分化されているため、募集職種の全体像を把握した上で、「その中でもなぜその職種に応募したのか」という理由を明確に説明できるようにしておきましょう。
また、職種によっては、面接の際に研究発表が求められるケースもあるため、限られた時間内で分かりやすく説明できるよう、しっかりと準備しておくことが必要です。
■面接内容の傾向は?
面接内容には、「『極限』まで高められた技術力を生み出し、グローバルワイドに展開する先端材料を創り出す」という社風が大いに反映されています。「研究開発について、具体的にどのような貢献をしてくれますか?」「会社で何をやりたいかではなくて、会社に対して何ができるか教えてください」といった質問が多く見られ、高い技術力を備えるとともに、「極限」レベルまで追求することをいとわない人材かどうかを確認していることがわかります。
一方、「全国転勤があるが家族は大丈夫か?」「家族構成は?」「人生におけるあなたの楽しみは?」など、プライベートに配慮する質問も多く見られます。これらの質問を通して、「社員の成長を温かくサポートする」社風にフィットするかどうかを確認すると同時に、どんな質問に対しても真摯に答えることができるかという点についても評価されるようです。
東レの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
東レの面接攻略法(面接対策)
■東レの企業行動指針を理解した上で自己分析をする
東レの面接を受ける上では、企業行動指針を理解しておくことが不可欠です。この企業行動指針は、以下の8つで構成されています。
●安全と環境
安全・防災・環境保全を最優先課題とし
社会と社員の安全と健康を守り環境保全を積極的に推進します
●倫理と公正
高い倫理観と強い責任感をもって公正に行動し
経営の透明性を維持して社会の信頼と期待に応えます
●お客様第一
お客様に新しい価値とソリューションを提供し
お客様と共に持続的に発展します
●革新と創造
企業活動全般にわたる継続的なイノベーションを図り
ダイナミックな進化と発展を目指します
●現場力強化
不断の相互研鑽と自助努力により
企業活動の基盤となる現場力を強化します
●国際競争力
世界最高水準の品質・コスト等の競争力を追求し
世界市場での成長と拡大を目指します
●世界的連携
グループ内の有機的な連携と外部との戦略的な提携により
グローバルに発展します
●人材重視
社員に働きがいのある職場環境を提供し
人と組織に活力が溢れる風土をつくります
これは、東レの企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの企業行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
東レは、「社員の成長を温かくサポートすることで、『極限』まで高められた技術力を生み出し、グローバルワイドに展開する先端材料を創り出す」という社風。この社風を意識した上で、企業行動指針の視点も絡めて自分のエピソードを紹介することで、より強力なアピールが可能になります。
例えば、これまでの仕事でチームメンバーの活躍や働きやすさを意識し、それをサポートするために工夫したエピソードがあれば、「現場力強化」「人材重視」のアピールにつながります。自分の技術力を高めるためにどんなチャレンジをしてきたのか、またその中でグローバル視点を持って取り組むことができたかということも紹介できれば、「革新と創造」「国際競争力」「世界的連携」のアピールも可能です。
また、全てのエピソードの中で、仕事に対する誠実な姿勢や責任感を示すことで、「倫理と公正」の側面についても伝えることができるでしょう。
■「なぜ東レに転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
東レの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ東レか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、東レという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 旭化成株式会社
- 三菱マテリアル株式会社
- 帝人株式会社
東レの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、東レの採用面接を受ける前には、企業行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「社員の成長を温かくサポートすることで、『極限』まで高められた技術力を生み出し、グローバルワイドに展開する先端材料を創り出す」という社風を意識して、チームメンバーを大切にしながら技術力を発揮することで、会社や社会に貢献できる人材であることを印象づけられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
35歳男性/複合材料開発【結果:入社】
34歳男性/介護・ケア関連職【結果:1次面接で不採用】
23歳女性/法人営業【結果:最終面接で不採用】
28歳男性/情報システム【結果:2次面接で不採用】
東レの採用面接に向けて
東レの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 社員の成長を温かくサポートすることで、「極限」まで高められた技術力を生み出し、グローバルワイドに展開する先端材料を創り出すという社風を意識する。そして「チームメンバーを大切にしながら技術力を発揮することで、会社にも社会にも貢献できる人材」であることをアピールする。
- 東レの企業行動指針を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社について研究し、「なぜ東レか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。