転職市場ではAmazonを志望する人が多く、人気企業ですが選考の難易度は非常に高いことで知られています。採用対策だけで本が1冊できてしまうほどです。正社員の年収は700万円以上、管理職ともなると1100万円以上と言われ、高年収企業としても認知されています。ここでは面接に臨むにあたり最低限のエッセンスと、実際に求職者が受けた面接の質問内容についてご紹介します。
Amazonの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
アマゾンジャパン(以下、Amazon)は、2000年7月に設立され、同年11月よりサービスを開始しました。今では、数億種類の商品を取り扱う総合オンラインストアに発展し、2017年には国内シェアNo,1を誇っていた楽天を抜き、国内首位の座に就きました。
レコメンデーションやロングテールに代表される、ネット事業の優位性を活かし、 書籍・映像・食品・飲料・音楽・アパレル・ゲーム・家電・ベビー用品など、 驚異的なスピードで品揃えを拡大し続けています。
そんなAmazonは、新入社員であっても責任あるプロジェクトや業務を任せてもらえることがあり、能力次第で若手からキャリアを築くことができます。しかしその分、結果や成果を厳しく問われます。Amazonでは、利益・目標達成に向けての最終ゴールの設定のほか、それらの実績や数字を達成するために必要な目標を定期的に追跡・分析することが求められます。分析した経過数値や実績をもとに、どのようにチームのメンバーと共にプロジェクトを成功に導くのか手腕が問われます。
このことからもビジネススタイルに”キャリアは用意されているものではなく自分で築くもの”という、Amazonの社風が大いに反映されていることが分かります。
また、「急激なビジネス成長に伴い、会社の成長に組織が追いつないことがしばしばある」という口コミが多数見られます。しかし”急激なビジネス成長をしている会社”だからこそ、どの仕事であっても一般の会社では決して経験ができないビックスケールのプロジェクトやビジネスに参加でき、優秀な人材と仕事を通じて交わることにより自分を高めることができる場があります。
もちろん、その分仕事もハードになるため、相当なモチベーションを兼ね備えるタフな人材が求められます。
Amazonでは、『変化が激しく多様化しているネット社会に対してイノベーションとインベンションを求め、新たな可能性に好奇心を持ち新しいアイデアを生み出す』採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
Amazonの選考は、「書類選考」⇒「1次面接」⇒「ループ面接」の流れで行われます。書類選考では、より応募者の理解を深める為、希望部署によっては追加書類の提出を依頼されるケースや、電話でのヒアリングが入る場合もあります。
1次面接では、webテストと応募職と同じ部署のマネージャークラスとの面接が行われます。場合によっては4~5名の面接官で選考が進められ、面接の時間が長く掛かることがあります。そして最後のループ面接でも同様に多数の面接官との選考がセッティングされます。希望部署によっては指定されたトピックについて論文形式にまとめて提出する課題が出されることもあります。
募集職種は幅広く、「オペレーション」「メンテナンス」「セーフティ / セキュリティ / ファシリティ」「IT」「事業企画・プランニング」「プロジェクトマネジメント」「エンジニア」「アナリスト」「購買・調達」「人事」「経営管理・ファイナンス」などがあります。
中には、役員秘書や、アシスタント職、営業系職種、薬剤師、ECサイト上のヘルプページのコンテンツを作成に従事する部門や、ナレッジデータベースの創作を担うナレッジマネジメント職、従業員向けのマテリアルやトレーニングカリキュラムを作成するインストラクチュアルデザイナーなどの募集があります。
コーポレートサイトなどで記載している募集職種以外にも募集しているポジションがあり、面接や説明会のタイミングで提案されるケースもあるようです。
■面接内容の傾向は?
Amazonの面接では、"外資ならではの、意表を突く質問が何度も出てくる"との口コミが多数みられます。例えば「あなた自身の『色』は何色?」という正解のない抽象的な問いや「自車車が50台大至急必要になった。どうする?」などケーススタディ的な質問が多いようです。
ここでは正解を気にせず、自信を持って自分の考えや意見を堂々と発言するスタンスが見られます。質問に対して回答を出すのはもちろんですが、それに加えて”どういう意図でその答えを導き出したのか”という思考のプロセスも同時に、深く掘り下げられます。
また「マネジメントで何が求められるのか?」「苦労したことは何か、その時に工夫したことは何か」などAmazonのコーポレートサイトにある通り、リーダーとしての素質が備わっているかをはかられる質問が多く出ます。
ビジネス上の重要なインプットに着眼し即座にフォーカスを当てることができるのか、たとえ困難なことがあっても自ら立ち向かい決して妥協しない人材か、成果を導き出す方向性を創りあげることができるのか、など多数の面接官により多角的にAmazonに適する人材かみられるでしょう。
Amazonでの選考は、いかに”リーダーとしての才が備わっているか”をアピールすることが鍵となります。
Amazonの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
Amazonの面接攻略法(面接対策)
■Amazonの企業理念である「Every day is still Day One」を理解した上で自己分析をする
Amazonの面接を受ける上では、企業理念である「Every day is still Day One」を理解しておくことが不可欠です。「Every day is still Day One」は以下の考え方とサイクルで構成されています。
『Every day is still Day One』
Amazonでは、毎日が常に「Day One」であると考えています。
最初の一歩を踏み出す日。新たな挑戦を心待ちにする日。そして今日が、皆様にとっての「Day One」です。
素晴らしいビジネス拡大に向け、あなたのアイディアが形になり始める日。
毎日が常に「Day One」であることがAmazonを支える力となり、刺激となっています。
企業理念である「Every day is still Day One」は、今後活躍する人材を採用する人事戦略に影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこのビジョンに合致する人材であることをアピールしましょう。
この「Every day is still Day One」の根底には、米アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスの『顧客のニーズから逆算せよ』という言葉があります。
顧客の視点に立ち、求められたサービスにどのように応えたのか、現状に満足することなく高みに視点を置き成長してきた経験・体験を伝えることで、強く面接官にアピールすることができるでしょう。
またAmazonにおいては”チームのマネージャーであるかどうかに関わらず、全員がリーダーである”という考えに基づいて選考が進められます。その中では仕事に対して誇りと責任を持ち業務を進めることはもちろん、『Every day is still Day One』で最も大切とされる、「顧客の信用・信頼を掴み取ることを第一優先とし、獲得した信用・信頼を維持していくことを念頭に置ける人材」であることを伝えることがポイントです。
前職でのリーダーとしての実績・経験をAmazonでどのように活かせるのかを軸に、顧客満足向上に対して安易に妥協しない姿勢を意識しアピールすることを心がけましょう。
■もっとも重要なのは「Our Leadership Principles」
Amazonの採用ページに「求める人物像」に「Amazonでは、全員がリーダーです。」と謳っています。社員一人一人がリーダーであることを自覚し、当事者意識をもって主体的に行動する人物を欲しています。どこに目線を向けて主体的に動くことが望ましいのかを表したのが、14項目からなる「Our Leadership Principles」です。
この「Our Leadership Principles」(OLP)は社内で非常に大切にされており企業カルチャーの源泉ともなっています。面接時にはここに掲げられた項目に当てはめた質問を必ずされます。「個人の資質・能力」と「カルチャーフィット」が噛み合った人物を採用する傾向にありますので必ず目を通し、各項目にあった回答を準備しておかなければなりません。
特に注意したいのが2次面で行われるSTAR面接(行動面接)でOLPと絡めた質問がされることです。STARとは、
S(Situation)…過去のある状況下において
T(Task)…どういった課題があり
A(Action)…どういう対処をし
R(Result)…どういう結果になったのか
の頭文字を取ったものです。
これはGAFAやコンサルティング会社の面接でもよく行われる方式です。
これまでの経験の棚卸しをし、売上、利益、前よりも何%改善したのかなど、定量的な情報を確認しながら質問に答えられる準備をしましょう。
■「なぜAmazonに転職したいのか」の明確化には他社研究を
Amazonの面接対策として他社研究をする必要はありません。Amazonのカルチャーにフィットするかどうかの方が大切です。Eコマース業界では国内IT企業が数社上げられますが、自分がどちらに向いているのか知るために調べるのは非常に有効です。
具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 楽天株式会社
- ヤフー株式会社
- 株式会社ファーストリテイリング
Amazonの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、Amazonの採用面接を受ける前には、企業理念である『Every day is still Day One』に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「変化が激しく多様化しているネット社会に対してイノベーションとインベンションを求め、新たな可能性に好奇心を持ち新しいアイデアを生み出す」という社風を意識して、『ポジション・役職問わずリーダー意識を持ち、イノベーションとインベンションを求め、新たな可能性に好奇心を持ち新しいアイデアを探しだす』人材であると印象付けられるよう、具体的な行動やエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[44歳・女性/法人営業] 【結果:入社】
[36歳・男性/カスタマーサポート] 【結果:1次面接で不採用】
[22歳・女性/商品管理] 【結果:1次面接で不採用】
[28歳・男性/生産設備メンテナンス] 【結果:入社】
Amazonの採用面接に向けて
Amazonの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 『変化が激しく多様化しているネット社会に対してイノベーションとインベンションを求め、新たな可能性に好奇心を持ち新しいアイデアを生み出す』という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- Amazonのビジネスモデルである「Flywheel」を理解し、質問はこれに当てはめて回答する。
- 企業理念である『Every day is still Day One』を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 「Our Leadership Principles」を頭に叩き込み、これまでの経験と成果を照らし合わせて答えられるようにする。
- 競合他社についてもざっと調べ、「なぜAmazonで働きたいのか」に対する気持ちを明確にしておく。
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経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。