花王の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
トイレタリー・洗剤において国内シェアNo.1を誇る花王。化粧品においても国内シェアNo.2と、コンシューマープロダクツ事業を主としている化学メーカーです。国外ではトイレタリー・化粧品業界において世界シェアNo.7を誇り、ケミカル事業の分野では多角的にグローバル化を進めています。
同社は、2017年に”よきモノづくり”と”利益ある成長”を2本柱とした中期経営計画「K20」を発表しました。社会発展の貢献と豊かな暮らしの実現のため、花王が所有している屈指の技術・製品を通じてイノベーションを創出するという目標を掲げています。そのため同社で勤める社員は自社商品・ブランドに強くこだわりを持ち、「誰もが知っているブランドの開発やマーケティングに携われることにやりがいを感じる」という口コミがみられます。また「非常に優秀な人材がそろっている」という口コミからも、社員同士が刺激し合い個人を成長させ、利益ある成長に向けて知識や技術を習得できる環境が整っていると言えるでしょう。
一方、仕事が細かく分担されているため、一貫して大きな仕事を任されるチャンスが少ないようです。このように大手企業ならではの管理体制が組まれていますが、若手でも能力があればある程度の決定権を持ち、自身の裁量のもと仕事を進めることができます。またキャリア入社においては、実績を残すことができれば、役員まで上り詰めることができます。希望をすれば他部署への転換も可能。部署替えを通し様々な職種を経験することにより、各々の良い点をリスペクトし業務をより良いものにする風土がみられます。
人々の生活に密接に関わる商品を展開している花王では、こころの豊かさと人々の日常の暮らしに貢献したいというホスピタリティ精神に溢れた人材が求められます。花王の中途採用面接の中では、こうした社風にフィットする人材かどうかを評価されます。
■選考は何次まで?
花王の選考は、1次選考+適性検査⇒2次選考⇒最終選考の流れで行われます。選考プロセスは多いですが、「選考後、1時間で合格連絡をもらった」「2週間で全ての選考が終了した」という口コミからも分かるようにスピード感のある選考です。企業分析やブランド・主要商品の理解や勉強が間に合わないといったことがないよう、応募前に選考対策を一通り終えているようにしましょう。
1次選考は面談と同時に適性検査が行われます。SKK式適性検査を受検するケースが多いようです。面談は人事担当者と、担当部署の部長クラスなど5人前後でおこなわれます。集団面接になる場合が多いため、志望動機や自己PRを伝える時間が少なくなる傾向に。花王が求めている人材にマッチするような自己PRができるよう、事前に整理をしておくことがポイントです。
2次選考・最終選考は、個人面談形式でおこなわれます。面接官によっては回答を深堀されることもあり、少しでも面談中の発言に相違があると突っ込まれることが多々あるようです。ブレのない発言と、質問の意図に沿った回答を心がけましょう。
■面接内容の傾向は?
面接では「他の企業ではなく、なぜ花王なのか」という志望動機を深堀る質問がよく出る傾向にあります。多くのブランド・ヒット商品を生み出している花王では、”花王で何ができるのか”という、採用後のビジョンを面接官に描かせることが重要。そのため、単に志望動機を伝えるだけではなく、自分が今まで積み重ねてきた経験が、採用後にどのように活かされるのかを整理をして明確に伝えられるようにしましょう。
また面接では、同社の企業理念である『花王ウェイ』についても質問されます。花王ウェイは花王の企業戦略の策定軸であり、日々の仕事における1つひとつの判断軸でもあります。つまり花王で勤める社員にとって、欠かすことのできない指針なのです。
面接の際にも重要視されますので、コーポレートサイト内で目を通すだけではなく、
花王ウェイについてどのように感じたのかを、自分の言葉で具体的に説明ができるように準備をしておくと、入社意欲を強くアピールできるでしょう。
花王の面接攻略法(面接対策)
■花王の中期経営計画である「K20」を理解した上で自己分析をする
花王の面接を受ける上では、中期経営計画である「K20」を理解しておくことが不可欠です。「K20」は以下の通りです。
これは、花王の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの中期経営計画「K20」に合致する人材であることをアピールしましょう。
今回発表された中期経営計画「K20」では、事業活動を通じゴミや環境問題をはじめとする「社会課題の解決」が大きくクローズアップされています。花王のブランド力を持ち、従来にはない驚きを伴う大きなイノベーションを起こす必要があると考えています。そのため花王では、”独自の発想力を持って新しい挑戦ができる人材”が求められていることが分かります。
またそれは経営戦略の柱でもある、グローバルで存在感のある会社「Kao」にも通じています。同社の海外売り上げは伸身していますが、まだまだ地盤が整っていないのが現状。グローバル展開を今後の企業成長の鍵としている花王では、海外事業展開の即戦力となる経験・実績を持った人材が重宝されることが中期経営計画「K20」から見えてきます。
■「なぜ花王に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
花王の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ花王か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているのか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、花王という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- ユニ・チャーム株式会社
- ライオン株式会社
- プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン
花王の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、花王の採用面接を受ける前には、中期経営計画「K20」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「利益ある成長に向けて個々が知識や技術を習得し、生活者の気持ちに寄り添う商品開発を目指す」社風を意識して、ホスピタリティ精神に溢れた人材であると印象付けられるよう、具体的な行動やエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
30前半女性/ウェブマーケティング【結果:最終面接で不採用】
20前半男性/研究開発【結果:入社】
20前半男性/マーケティング【結果:最終面接で不採用】
30前半女性/社内SE【結果:結果待ち】
花王の採用面接に向けて
花王の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の4つです。
- 利益ある成長に向けて個々が知識や技術を習得し、生活者の気持ちに寄り添う商品開発を目指す社風を意識して、これに合致した独自の発想力を持ち、ホスピタリティ精神に溢れた人材であることを自分の言葉でアピールする。
- 中期経営計画である「K20」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- グローバル事業の展開について海外事業経験があれば、花王が求める人物像と重ねて自己PRに落とし込む
- 競合他社についても研究し、「なぜ花王で働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。