【面接対策】パーソルテンプスタッフの中途採用面接では何を聞かれるのか

【面接対策】パーソルテンプスタッフの中途採用面接では何を聞かれるのか

人材派遣業のリーディングカンパニーとして知られるパーソルテンプスタッフへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。


パーソルテンプスタッフの採用面接前に知っておきたいこと

社風への理解

パーソルテンプスタッフの社風を理解するためには、創業者と企業沿革について知る必要があります。

創業者の篠原欣子氏はアメリカのビジネス雑誌『フォーチュン』誌に12年連続で「世界最強の女性経営者」に選出された人物。日本経済新聞の連載コラム『私の履歴書』にも登場しました。海外経験をもつ篠原氏は帰国後、能力ある日本女性が育児や家事の合間にもっと柔軟に働ける仕組みを作りたいと奔走。temporary staff(一時的なスタッフ)からヒントを得た「テンプスタッフ」の名で1973年東京・六本木に創業したのが会社のはじまりです。

「少しだけ働ける人がほしい」「少しだけ働きたい」、このような法人個人双方のニーズを満たしていきたいと篠原氏は考えましたが、当時の日本は終身雇用が前提の雇用体系。「派遣」の仕組みが世間に中々理解・共感されず、船出は厳しいものだったといいます。

1998年個人情報流失事件を起こして危機的状況になるも、雇用の流動化が進んだことや、他社とのサービス提携や組織規模の拡大を通して業績は拡大し、2006年に東証一部上場を果たします。2017年にパーソルホールディングスの中核企業となり(パーソルテンプスタッフに社名変更)、日本の派遣業界を代表する企業へと成長しました。現在はメインの派遣事業に加えアウトソーシング事業、保育事業にも取り組んでいます。

派遣社員は非正規雇用のくくりに属するため、「派遣企業が不安定な雇用を助長している」旨の批判がいまだ存在します。しかし篠原氏の「家事や育児・介護といった様々な制約条件のある女性を、日本経済を支える働き手にしたい」「女性を労働市場に参加させたい」という強い思いがあったからこそ、今日の女性の働き方に複数の選択肢が生まれました。篠原氏率いる同社は日本の雇用創造に大きな役割を果たしてきたのです。

現在パーソルテンプスタッフでは、パーソルグループの一員として、グループ内他企業の商材を提案することが可能になりました。これにより更なる高い提案力をもって顧客のニーズに応える組織ができつつあります。グループの新ビジョンである「はたらいて、笑おう。」の実現に向かって、企業と求職者の顧客満足を追求する姿勢を、過去と変わることなく維持し続けています。

そんなパーソルテンプスタッフの社風とはどのようなものでしょうか。口コミを見ると、創業者が女性であることから「女性が働きやすい企業」との評価がやはり目立ちます。産休・育休・時短制度・介護休暇など各種制度がそろっていること、女性の管理職が活躍されていることがその主な理由です。反面、女性が多いからこそ人間関係にトラブルが起きやすいという評も。さらには、独身女性や男性に業務のしわ寄せがいってしまい、業務分担のあり方について疑問や不満を感じる声も一部存在しています。

社内は「顧客の期待に応えたい」「求職者の可能性を拡げたい」というマインドの社員が多く、活発なコミュニケーションがなされています。社内での立ち位置よりも、顧客にどんな価値提供をしたいかが行動基準となっており、強い顧客志向とチーム内の助け合いが根付いています。それゆえ社風はフラットで、新卒・中途の区別などもなく、『顧客のため』を全力で追求できる風土だといいます。

パーソルテンプスタッフでは様々な業界がクライアントになるため、業界に関する知識や職種への理解を深めながら成長することができます。仕事の進め方は比較的自由で、個人に裁量を持たされているとのこと。プロセスも見られつつ、最終的には決められた目標にどれだけ近づいたか数値面の実績が評価対象となります。どちらかというと放任タイプの管理職が多く、メンバーの自主性を大切にするカルチャーのようですが、一方で「管理職のレベルが高くない」「マネジメント機能が弱い」を指摘する意見もあります。

また、年々減少しているとはいえ、「残業時間の多さ」「業務量の多さ」についての口コミも散見されます。特に目につくのが、企業とそこで就業するスタッフの両方をフォローする営業職の人たちの声です。例えば、就業先の環境に悩むスタッフの相談電話が深夜や休日にかかってくると対応せざるを得ないことがあり、どうしてもオン・オフの切り替えが難しい、といった内容です。この点に関してはスタッフフォロー専門の担当者を配置するなど、会社としても対策を行っているようですが、業務の特性もあり完全には解消されてはいないものと推測されます。

強い顧客志向とチーム意識を持ちながら仕事する社風の中で、高い目標に向かって自走できる人材かどうか、採用面接では見極められます。

選考は何次まで?

パーソルテンプスタッフでは中途採用を通年で実施しています。採用エリアと職種(ポジション)は時期によって異なりますが、営業系ポジション、派遣コーディネーター、アウトソーシングビジネスのマネージャー、社内IT関連職での募集が多いようです。「会社自体に興味はあるが、現時点で応募したいエリアやポジションがない」「転職できるのは数か月以上先」のような時は、コーポレートサイトの採用情報ページ上で「タレント登録」をしておくとよいでしょう。希望の時期や求人発生時に人事担当者から直接連絡がくる仕組みになっています。

選考方法は雇用形態によって異なります。正社員の場合は書類選考を経て面接2~3回と適性検査があり、エントリーから内定まで3~4週間程度要します。面接回数を重ねるごとに、面接官の役職の職位があがっていきます。契約社員の場合は書類選考後、現場マネージャーによる一次面接と適性検査の結果をもって、内定か否か結論が出ます。しかしながら一次面接官が判断に迷う時、適性検査の結果が芳しくない時には、改めて二次面接が設定されることがあります。スムーズに面接が組まれた場合の選考期間は約1週間です。

同社は適性検査の結果を非常に重要視しています。この適性検査は、自宅にて受験するWEB試験タイプのもので、内容は主に性格判断テストです。組織に合致する志向性をもっているかを、このテストと面接で判断しています。著しく内向的、ストレス耐性が低い、との結果が出ると再面接かもしくは残念ながら不合格となります。

面接内容の傾向は?

過去の採用面接における口コミを調べると、ユーモラスでフレンドリーな面接官が多く、和やかななムードの面接スタイルとのことです。面接官が応募者に一方的に質問するというよりも、面接官の方から配属先の状況や今回の募集背景について詳しい説明があり、お互いが理解を深められるようような内容になっています。

質問内容は転職理由や志望理由など一般的な内容が中心です。応募者が答えた回答に対し、面接官がどんどん掘り下げていくスタイルです。口コミを見ると、特に面接官が深く突っ込んで訊ねてくるポイントが3点あることがわかります。

・転職理由
複数社経験している職歴の人は、各社ごとに転職理由を訊ねられます。転職理由と次の企業を選んだ理由に整合性が見当たらない場合や、理由そのものに納得性が感じられないと面接官が感じた場合は指摘が入ります。

・なぜ当社か
面接官によっては、人材業界を選択した理由、派遣業界を志望した理由、当社を志望した理由の3ステップで質問を重ねてきます。業界研究と企業研究を深め、この3点について整理して回答しましょう。

・あなたにとって仕事とは何か
人に仕事を提供する企業だけあって「仕事とは何か」「仕事上で大切にしている価値観は何か?」を問いかけられます。こういった問いは抽象的かつ正解がない部類の質問のため、咄嗟に回答するのが難しい質問です。これまでの業務経験を振り返りながら、自分なりの答えをあらかじめ見つけておきましょう。その際に留意すべき点は、新卒ではOKとされる「自己成長」「自己実現」という回答が、中途採用ではあまり好まれない点です。中途ともなれば「自分だけではなく自分の成長を周囲や顧客にどう還元するか」、このような視点を持ち合わせていることが歓迎される世代になりますので、その点を注意して回答準備をすすめましょう。

なお、テンプスタッフ時代の採用面接では、家族の状況や結婚の予定、休日の過ごし方など、プライベートに関する質問もあったようです。現在はホールディングスに属する企業となり、コンプライアンス順守の観点から、あまり個人的な事柄に関する質問はないと思われますが、万一質問があった際は戸惑った表情をせずに、答えられる範囲で回答をしましょう。

パーソルテンプスタッフの面接攻略法(面接対策)

パーソルテンプスタッフの中期経営計画を理解した上で自己分析をする

面接対策では応募企業ごとの自己分析が必要です。パーソルホールディングスの中期経営計画を理解した上で自己分析をすすめ、実際の面接での回答材料にしていきましょう。

パーソルホールディングスは現在、2020年3月実現目標とする中期経営計画の実行中です。計画は5つの戦略で構成されています。

出典 パーソルテンプスタッフ コーポレートサイト

これらの戦略は、どのような市場分析結果から生み出されたものでしょうか。これからの労働市場において予想される変化には、AIの台頭、規制・法制度の変化、就労期間の長期化、労働時間の短縮、価値観の多様化など、経済や政治と複雑に絡み合ったいくつものキーワードがあげられます。パーソルグループはこの流動性の激しい雇用市場の中で、社会インフラとなり、グループビジョン「はたらいて、笑おう。」を実現するために設計されています。

パーソルテンプスタッフが特に危機意識をもっている課題は「労働力人口の減少をどう食い止めるか」。同じグループ企業であるパーソル総合研究所は2025年に日本が583万人の人手不足に陥ると推計しています。パーソルテンプスタッフは人材不足を解決するための取り組みとして、下記をあげています。

「はたらき手不足を解決するための取り組み」
出典 パーソルホールディングス コーポレートサイト

パーソルテンプスタッフは、これからも多様な働き方を推奨し、雇用の創造に向けて大きな役割を果たそうとしています。

以上を踏まえ、パーソルテンプスタッフの面接では、労働や雇用に関する社会課題を他人事ではなく自分事として捉えている、と印象づけるとよいでしょう。例えば自分の現職や前職で、実際に起きている人材不足による弊害や、働き方改革、生産性向上施策について自分の考えや見方がどのようなものか、自己分析をしながら書き出してみましょう。実際に入社をした場合、ポジションにもよりますが、企業が抱える人材の悩みや、転職に二の足を踏む人たちの課題解決をミッションとしていきます。それぞれに寄り添いながら、色々な角度から提案をしていくことになりますので、サービスマインド、チャレンジマインドがあるエピソードもあわせて用意しておきましょう。

「なぜパーソルテンプスタッフに転職したいのか」の明確化には他社研究を

パーソルテンプスタッフの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜパーソルテンプスタッフか」があります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。

パーソルテンプスタッフという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。派遣会社は全国に数万社あります。今回はその中でも、全国展開をしている一部上場クラスの企業に絞ってリサーチしておくのがよいでしょう。具体的には以下の人材派遣企業について調べておくことがおすすめです。

  • 株式会社リクルートスタッフィング
  • アデコ株式会社
  • 株式会社パソナ
  • ヒューマンリソシア株式会社
  • ランスタッド株式会社

比較可能なデータ(全国の拠点数、求人数、登録スタッフ)を集め、それぞれどんな強みや特徴を持つのか整理してみましょう。

パーソルテンプスタッフの採用面接で実際に聞かれた質問内容

このようにパーソルテンプスタッフの採用面接を受ける前には、経営戦略に紐づけた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。面接の場では、顧客志向の高い社風であることを意識して、世の中の動きに敏感であり「主体性をもって社会問題の解決に参画したい」と印象付けられるよう様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、十分に考えながら面接対策しておきましょう。

20代前半・男性/営業職【入社】

質問

弊社の最大の強みはなんだと思いますか?

回答

丸ごと覚えているわけではないので、大雑把ですが、、1:国内他社と比べ…(口コミの続きとアドバイスを見る

30代後半・女性/営業アシスタント職【入社】

質問

仕事をする上で一番大切にしたいことは何ですか?

回答

(所属は営業部だが、数字を追う職種ではなく、派遣社員と派遣先の企業の…(口コミの続きとアドバイスを見る

20代後半・女性/営業職【3次面接を辞退】

質問

ストレスに耐えられますか。ストレス解消法は何ですか?

回答

体育会系の部活をやっていたので大丈夫ということと、自分自身なりのスト…(口コミの続きとアドバイスを見る

20代後半・女性/人材コーディネーター職【一次面接で不採用】

質問

難しい質問は無いが、話す内容に細かく突っ込んできた。

回答

こちらが話したことに少しでも矛盾点、疑問点があると鋭く突っ込まれた。…(口コミの続きとアドバイスを見る

パーソルテンプスタッフの採用面接に向けて

パーソルテンプスタッフの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

  • 創業者と企業沿革を認識し、そこに付随する企業風土から求める人物像を理解する。

  • 現在の雇用市場における課題を把握したうえで、「経営ビジョン」「中期経営計画」を理解する。社会課題について関心が高いことを自己PRにいれる。

  • 競合他社についても研究をすすめ、「なぜパーソルキャリアか」に対する答えを明確にしておく。
これらについて入念に準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。

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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。

この記事の執筆者

北海道大学文学部卒業。専攻は社会学。小売業界を経て人材業界に転職。20代~30代向けの転職支援を行うキャリアコンサルタント。

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