2021年06月21日
アルバイトの採用媒体において高いシェア誇るリクルートジョブズへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として、多角的に評価されるので事前にしっかり対策しておきましょう。
リクルートジョブズの「バイトするならタウンワーク」というキャッチコピーを聞いたことがない人はいないでしょう。タウンワークは1998年の創刊からわずか10数年で求職者に最も知られる求人メディアになりました。「ライバル会社はいない。それが社内の共通認識」と口コミで表現されるほど強い競争力を保持しています。
リクルートの基幹職種は営業職。求人広告の営業は単なる枠売りではなく、人不足の時代にどうすれば希望の人材が採れるのかを徹底的に考え抜く、課題解決型のコンサルティングです。創業当初から「日本中の街のすみずみまでの仕事を掲載し、普及させる」を掲げ、クライアントは超大手企業から地方の零細企業まで様々。リクルートジョブズの成長エンジンは豊富なノウハウから培った高い営業力にあります。
企業の平均年齢は、31.8歳(2019年4月時点)。平均在籍年数は約6年です。若い人材が多いことから、社内のコミュニケーションはフランクで賑やかな明るい雰囲気です。起業家精神を持つ人材が多いため起業や独立を目指して退職するケースが多く、そのため毎週どこかのエリアで退職者と中途入社者が発生しているような状況です。自分の周囲の顔ぶれが短期間で変わっていくことにストレスを感じるひとには不向きな職場であると言え、ある程度の適応力や柔軟性が必要になります。
暦によっては年間休日が130日近くあり、口コミによると一部の例外を除けば、オンとオフはキッチリと分けることができて休日は心理的に開放されるようです。一方でウィークデーは業務量が多く、特に締め切り前は終電帰りが続くとのこと。企画系・管理系は比較的定時に近い時間で帰れるようですが、営業職の場合定時退社は社内の雰囲気的に不可能とのコメントもあります。ただし、やらされ感で残業する人は少数派で、大多数が顧客のため・自らの成長のために前向きな姿勢で取り組んでいます。
業務では、とにかくスピードが求められます。短時間で高い質のアウトプットを常時求められるため、段取り力をはじめ、顧客へのアプローチ方法、実績の出し方など汎用性の高いビジネススキルを磨けます。若いうちから鍛えられる環境に魅力を感じ、リクルートジョブズを選ぶ社員も多いようです。業務の進め方においては、自分のやりたいと思ったことは基本的に受け入れられるようで、仮に意見が異なっても自分の納得いくまで上司や仲間と議論し合う文化があるといいます。仕事は楽しんでやるもの、ワクワクするものという価値観が浸透しているため、イベントやキャンペーンも頻繁に実施されます。目標は高ければ高いほど達成しがいがある、そんな思考をもった組織です。
知識やノウハウを吸収しながら高い実績を出し続ける、会社を利用して使い倒すくらいの気概とバイタリティを持っているか、リクルートジョブズの採用面接では様々な角度から見極められます。
リクルートジョブズは積極的な採用を通年で行っており、その結果、中途入社者は全社の53%(2018年度)を占めています。
中途採用では2種類の採用を行っています。ひとつが企画系正社員、もうひとつがエリア限定営業職です。企画系正社員では経営企画、商品企画、営業企画といったポジションの求人があります。合格率は低めで、数百人の中で合格者1名でるか否かの狭き門といわれています。一方でエリア限定営業職は、その名の通り全国転勤が発生しない(エリア内はあり)ポジションで、求人を獲得する法人向け営業職となります。企画系正社員よりは若干難易度が下がるようです。募集地域は時期により異なりますが、コーポレートサイト上で掲載されていないエリアを希望の場合は、サイトよりキャリア登録をしておくことで採用開始時に人事担当者から連絡をもらうことができます。
企画系正社員では、3回の面接が実施されます。1次は人事担当者、2次は現場責任者、3次は役員が面接官として登場します。1次はグループ面接形式の可能性があります。エリア限定営業職の面接回数は2回です。一次面接は現住所近くまたは希望勤務地のオフィスで面接を設定してくれ、現場マネージャーが面接官を担当します。二次面接は東京本社での実施が一般的です。
どちらの採用面接でも選考途中にSPIテストを案内されます。企画系正社員の方が高得点を求められる傾向にあります。市販の参考書で事前対策を行いましょう。なお、SPIはリクルート社が開発したものなので、リクルートグループ企業の採用選考では適性検査にSPIが用いられます。リクルート内の他社を併願していて、すでに受験済の場合はその旨申し出ましょう。試験結果の共有がなされ、免除になることがあります。再チャレンジして高得点を狙いたい方は、再受験をしましょう。併願していることそのものはマイナスにはならず、むしろリクルートグループに高い興味があることが伝わって好印象になりやすいです。
口コミをみると、面接は堅苦しくなく、話しやすいような雰囲気づくりをしてくれるとのことです。しかし質問内容は鋭く、多岐にわたる質問というよりはひとつのトピックについて深掘りされるスタイルが特徴で、自分なりの考えや目線を持ってロジカルシンキングできる人を好む傾向にあります。型にはまった回答ではなく、自分の原体験から得た教訓やビジョンに論理性をもたせて話す訓練をしましょう。
特に頻出の質問は3つです。
1点目は「なぜ当社を志望するか」です。これはなぜ求人広告業界を選んだのか、その中でもなぜ自社か、を問う質問です。それぞれ別々に順を追って聞かれることがあるので注意が必要です。「リクルートが成長できるときいたので」「待遇面が良いから」のような安易な回答をせずに、社会課題を解決したい、世の中の不都合をもっと減らしたいといったマクロな視点で回答できるようにしましょう。コーポレートサイトの採用ページには企業使命や目指すべき社会についての記述があるので、応募前は必ず目を通していきましょう。
二点目は「ブレークスルーした経験の有無」です。これまでの社会人経験の中で、一番大変だったことは何か、壁だと思ったことは何か、それをどう乗り越えてきたかを面接官は詳しく聞きたがります。ここで見ているのは、分析力、行動力、ストレス耐性などです。目の前に立ちはだかる大問題にどう対処したか、このエピソードを聞けば再現性のあるビジネススキルがあるか否か面接官は見当をつけられます。状況・行動内容・結果に分けて、説明できるよう準備をしましょう。あわせて「もう一度やり直せるとしたらどんなことに気を付けるか?」についても説明できるとなお良いでしょう。
三点目は「将来のキャリアプランを考えているか」です。人材輩出企業としても知られるリクルートグループ。リクルートという土壌で得た貴重な経験を生かし、新たなステージで活躍することを歓迎する風土を持っています。面接では「数年後どのようになっていたいか」について聞かれますので、具体的な回答を用意しましょう。独立したい、起業したいという回答でなくとも問題ありません。吸収したノウハウを実家の家業に役立てたいという答えでも、内定が出ています。重要なことは、なぜそれをしたいのか明確な理由や、誰にどのような価値発揮をし続けたいのか、自分の強い想いを語れることです。
リクルートジョブズはリクルートホールディングスの中の、メディア&ソリューション事業人材領域に属します。コーポレートサイトでは、この事業における中期戦略を下記のように記述しています。
出典:リクルートホールディングス コーポレートサイト
要約をすると「既存事業の強化と新規事業の創出による安定成長」です。2000年頃まで求人媒体は有料の紙媒体(雑誌)が主流でしたが、タウンワークの台頭によりフリーペーパーが一般的になり、求人情報は無料で手にするものに変わりました。そして今ではWeb媒体がメインとなり、どのサイトもWeb上からの応募機能を充実させるなど利便性を高めています。リクルートジョブズが他社と一線を画しているところは、あえてフリーペーパーを残し差別化をはかっているところや、求人広告だけではなく業務管理領域サービスの営業活動を強化しているところです。新サービスには、アルバイトを採用する店舗が、煩わしい採用活動にかかわる時間を減らし本業に集中できるよう、採用サイトや応募管理業務を行う「ジョブオプ」、シフト管理を行う「シフオプ」があります。もはや採用成功は当たり前、テクノロジーを使ってその先の顧客の経営課題まで深く入り込めるビジネスパートナーになれるか、をリクルートジョブズは見据えています。
それらを踏まえ、ただ単に「リクルートで成長したいからです!」という志望動機だけでは、一次面接はともかく内定までは辿りつけないでしょう。なぜ人が集まらないのかを分析し、どのようにブランディングをし、採用のオペレーションをどう設計していくべきなのか、クライアントに論理的かつ包括的な提案ができることを面接内で証明しなければなりません。そのため、自身のこれまでの業務経験の中から、課題解決の事例をピックアップして、2~3分で話せる準備をしておきましょう。リクルートでは、オリジナリティのあるエピソードを非常に好みます。
リクルートジョブズの面接で聞かれる質問のひとつに「なぜリクルートジョブズか」があります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
リクルートジョブズという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には以下の企業と媒体について調べておくことがおすすめです。
●株式会社マイナビ(マイナビバイト)
●ディップ株式会社(バイトル)
●株式会社リブセンス(マッハバイト)
上記は首都圏ならびに全国展開している企業ですが、地方にはそのエリア内に強力な競合が存在している場合があります。例えば、北海道札幌市には、株式会社北海道アルバイト情報社が保有する求人広告媒体「アルキタ」があり、地元では高い知名度と利用率を誇ります。エリア限定営業職で応募する際には、こういった企業も調査対象に入れましょう。
またこの業界には2019年大きな出来事がありました。求人媒体として長らく親しまれてきた「an」(パーソルキャリア株式会社)が2019年11月に終了となったのです。50年以上前から日本のアルバイト採用を支えた媒体でしたが、Web化がうまくすすまずに後退したと言われています。重要なニュースですのでこちらも認識しておいた方がよさそうです。
このようにリクルートジョブズの採用面接を受ける前には、中期計画に紐づけた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。面接の場では、起業家精神を持つ社員が多い職場であることを意識して、主体的にスピード感をもちながら課題解決型の業務を遂行できるよう、面接でPRをしていきましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、十分に考えながら面接対策しておきましょう。
リクルートジョブズの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●求人広告業界の特徴を理解し、必要となるスキルを理解する。またリクルートならではの企業風土と求める人物像を理解する。
●「中期経営計画」を理解した上で、課題解決をしたエピソードを自己分析しながら見つけておく。オリジナリティや論理性も見られているので、内容の構成に注意しながらまとめる。
●競合他社についても研究をすすめ、「なぜリクルートジョブズか」に対する答えを明確にしておく。
これらについて入念に準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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