住友不動産建物サービスの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
住友不動産建物サービスは住友不動産の物件の管理を担う部門として1973年に設立されました。物件余りと言われている中、住友不動産本体は2011年から連続で増益を達成。それに伴い、管理業務も増加し続けています。
マンション管理業務の仕事は、使っている方に気持ちよく毎日を過ごしてもらうことと、建物の資産価値を維持していくこと。社員の口コミからは「住んでいる方にありがとうと言ってもらえる」「お子さまの成長を見守るのが楽しい」など、ほのぼのした光景が伝わってきます。成果主義の雰囲気はあまりなく、社員どうしの競争も少ない様子。
しかし親会社からの意向に左右されやすく意見が言いにくい、自分の能力を活かして大きな成果を出すことが難しいなど「攻めより守りが重要」な状況に若手が不満を抱くことも。顧客からのクレームも日常茶飯事のため、笑顔で受け止める接客の素質も必要です。
会社紹介には「建物を我が子のように見守る」「暮らしを包む母のような存在になる」とあります。我慢強い愛情をもって一つの建物と関わり、一緒に年を重ねていく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考ののち、面接数回と健康診断が行われます。適性試験が行われることも。選考期間は2週間から1カ月程度です。
マンション管理士や管理業務主任者の資格を持っていると有利。マンション管理士は合格率が8%、管理業務主任者は20%。どちらも年に1回、11月12月頃試験が実施されます。ただし申込期間は8月から10月なので、早めに申し込みましょう。受験資格はなく、実務経験がなくても受けられる国家資格です。難易度の参考として行政書士の合格率が10%~15%、宅建が15~17%なので、簡単な試験ではありませんが、一生モノの資格なので転職を考えるなら取っておいて損はありません。また、応募の際に未取得だとしても取得する意思があることを伝えることは重要です。
採用決定後はすぐに勤務してほしいと言われることもあるようです。スケジュールを調整しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
採用が多いマンション・ビル管理系の職種では、人前で話すことが得意かどうかを聞かれます。これは理事会に出席し、大勢の前で話す機会が多いため。工事管理系の仕事では今までの経験も重要です。
他業界からの転職も多く受験者の年齢層も幅広い様子ですが、その際「なぜマンション管理業界を選んだのか」についてはしっかりと説明できるようにしておきましょう。会社について調べるだけでなく、どのような仕事をするのかについてもネットや知り合いに聞くなどして、できる限り把握できるよう努めてください。そのほかの質問は志望理由や今までの経験・スキルなど一般的な内容が多いようですが、HPの「求める人材」のところに、「自発的に考え、行動・実行できる能力」と書かれています。今までの経験から自主性や行動力をアピールできるエピソードをいくつか用意しておくといいでしょう。
面接を受けた方の口コミには「知識よりもコミュニケーション能力重視」「誠実さをアピールするとよい」などとあります。経験者の場合実績をアピールしようと意気込むよりも、自然体で臨むよう心がけるのがいいかもしれません。
住友不動産建物サービスの面接攻略法(面接対策)
■住友不動産建物サービスの経営戦略を理解した上で自己分析をする
住友不動産建物サービスの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
七次竣工ビルの通気稼働と、八次竣工ビルの新規稼働による収益を確実に取り込む
住友不動産建物サービスの経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
住友不動産グループ全体は2020年~22年の3年間で累計経常利益7000億円の達成を目標としています。そのために賃貸用物件への設備投資6000億円を予定。それに伴い、工事・建築・設備関係の職種では採用が活発化しています。
また、過去二年に竣工した、延21万坪のビルが完成しており、20~22年にかけても延べ23万坪のビルを施工予定。これらを稼働して収益を上げることが目下の課題です。
目標の実現に伴い住友不動産建物サービスの管理物件の数も増えるでしょう。管理会社の仕事の成果が目に見えて表れるのは、これらの新築物件が築30年となる30年後のこと。いろいろなマンションやビルを見比べ、築30年でも高値で売れたり、空室がなく美しく保たれている建物とそうでない建物の違いを観察しましょう。よい管理とはどのようなものかがわかるはずです。前職で長期的視点でモノやサービスの価値を高めた経験があればぜひPRしましょう。
■「なぜ住友不動産建物サービスに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
住友不動産建物サービスの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ住友不動産建物サービスか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、住友不動産建物サービスという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- スターツコーポレーション株式会社
- 大東建託グループ
- 積水ハウスグループ
住友不動産建物サービスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、住友不動産建物サービスの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「我慢強い愛情をもって一つの建物と関わる」という社風を意識して、長期的視点でモノやサービスの価値を高めることができる人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
お客様対応能力を問われる側面もあり、学生の時のアルバイトも含めて、接客経験もアピール材料になります。お客様にきちんと説明できるか、ストレスがたまった時自分なりに解消できるかなども仕事を続けていくうえで重要。クレームを解決した経験や、ストレスにさらされても折れなかったことを示すエピソードがあれば、まとめて手短に話せるようにしておくといいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
30代後半・男性/マンション・ビル管理【結果:入社】
20代後半男性/施工管理【結果:入社】
20代後半男性/不動産管理【結果:1次面接で不採用】
30代前半女性/マンション・ビル管理【結果:結果待ち】
住友不動産建物サービスの採用面接に向けて
住友不動産建物サービスの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
- 「我慢強い愛情をもって一つの建物と関わる」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- できれば事前にマンション管理士や管理業務主任者の資格を取得する。
- 誠実さをアピールできるよう、自然体で挑む。
- 住友不動産建物サービスの経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ住友不動産建物サービスか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。