KDDIエボルバの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
KDDIエボルバの前身は1953年設立のKDDI国際電話センターです。同社は70年弱にわたりコンタクトセンターの運営に携わってきた歴史を持っています。クライアントは親会社であるKDDIだけでなく、大手企業メーカーや小売など様々。サービス品質に厳しいと言われる官公庁・自治体案件には特に定評があります。
コンタクトセンターの業務内容はここ20年の間に大きく変化しました。昔は電話対応(コールセンター業務)が主流でしたが、現在はメール・チャット・各種SMSなど、顧客接点の取り方にバリエーションが生まれています。そのため業界全体が拡大傾向にあり、競合他社も多数存在しています。その中で同社はKDDI本体の資産を最大限活用し、最先端のテクノロジーを用いたサービス設計をすることで他社との差別化をはかっています。
KDDIエボルバには正社員、契約社員、アルバイト社員の3種類の雇用形態に加え、正社員の中にもゼネラリスト職とエキスパート職という2つのコースがあり、社内は様々な立場の従業員で構成されています。もともとコンタクトセンターの場合、オペレーターは20代から50代までの幅広い年齢層が在籍しており、多様な価値観が集まりやすい組織。そのうえ様々な雇用形態があることからコミュニケーションが複雑化し、従業員同士の関係を難しいものにしています。
口コミでは、管理職がKDDIからの出向者であることが多いことや、様々な雇用形態がもとで社内に統一感がなく、マネジメントする側・される側双方の苦労について記載されたものが目につきます。それぞれの立ち位置や考え方に差があり、時に軋轢・対立を生むことも。このようなことから同社では、年齢や性別、経歴がバラバラな人員構成の中で、調整能力や異なる意見をまとめあげる力が必要であるといえそうです。
受注案件が増加してる中で慢性的な人手不足もあり、現場ではマネジメントポジションにいる社員のワークライフバランスがあまりよくないという声が見受けられます。KDDI本体におけるコンプライアンスがしっかりしているので、サービス残業や違法になるほどの長時間労働はないようですが、規則正しい時間に退社できるといった風土ではないようです。
一方で、KDDIグループが持つリソースを使った提案が顧客にできるため、受注案件が大規模になりやすく、非常にやりがいのある業務につけるとの意見もあります。顧客折衝からサービス設計、実際の運営、品質管理まで、上流から下流の一連の設計を請け負うことができ、キャリアアップに繋がるようです。また、アジア圏のコールセンター展開を積極的に行うなど、一部の職種では海外でのビジネスに携わるチャンスもあります。
KDDIエボルバの面接では、様々な価値観を持つ人材が集まる組織の中で、アグレッシブに成長意欲があるかを積極的にアピールしていきましょう。
■選考は何次まで?
中途採用で募集している職種は、エンジニア、法人営業、コーポレート、コンタクトセンターの4種です。それぞれのポジションごと、また雇用形態ごとに選考フローが異なります。
基本的には契約社員の面接回数は1~2回、正社員は2~3回となります。
採用熱度の高いポジションのひとつであるカスタマーサポート(コンタクトセンターに属する)では、書類選考後、タイピングテスト、筆記試験、面接があります。筆記試験には適性検査と一般常識があり、適性検査は心理テストのようなもの、一般常識は計算や言語能力を問う問題です。難易度は比較的平易で、市販の問題集で十分対策ができるレベルのようです。1次面接は勤務地にもよりますが、1対1のスタイルであることが多いです。一方的に質問されるよりも、詳細な仕事内容や、同僚となるメンバーについての説明が面接官からあり、相互理解を深められる面接となります。早ければ応募後1週間で合否が判明します。
エンジニア職種についてはエンジニア専用の適性検査と面接があり、1次は人事もしくは現場責任者、2次以降は事業部長クラスが面接官となります。エンジニアの方は話し慣れていない方も多く、アピール内容が冗長になりがちですが、あまり好ましくありません。面接の中で「もっと簡潔に話してほしい」とその場で注意された例もありますので、何度も話す訓練をして面接に挑みましょう。
■面接内容の傾向は?
ポジションによって質問の傾向が異なりますが、求める人物像は共通しています。同社の求める人物像を理解するには、社名の由来を理解することが重要です。エボルバとは英単語のEVOLUTIONとVALUEを合わせた造語で「進化し続ける意志を持ちながら、付加価値の高いサービス提供を行う」という意味が込められています。BPOサービスは無形商材であるため、顧客の課題やニーズを的確に捉え、期待値を上回る付加価値の高い提案をしていくことが競争力の源泉ともいえます。面接では、強い成長意欲と高い顧客志向があると評価されるよう、回答を準備していきましょう。
同社の中途採用職では、コンタクトセンターのカスタマーサポート職以外は経験者優遇となります。募集要項の「求める経験」「応募資格」の必須条件・歓迎条件部分をよく確認し、それに沿った自己PRをしていきましょう。完全に合致する経験がなくとも、類似する経験があればその旨伝えてみることや、足りない部分についてはこれから勉強していくことをPRとし、主体的・意欲的に成長していく姿勢を打ち出しましょう。
カスタマーサポート職については、どちらかというと志望動機や過去経歴よりも顧客対応レベルについて問われる時間の方が長くなります。「このお客様の絵をみて、表情からどのような気持ちであると推察できますか」「こんなクレームがきたらどのように対応しますか」といったケーススタディのような質問が特徴的です。正解がある質問ではなく、柔軟性や機転がどの程度あるかをみる質問です。答えはひとつではないので、あまり考えこまずに答えていきましょう。
KDDIエボルバの面接攻略法(面接対策)
■KDDIの中期経営計画を理解した上で自己分析をする
KDDIエボルバの採用面接を受けるにあたり、KDDIグループ全体の中期経営計画(~2022年3月)を理解しておきましょう。
KDDIは自社のあらゆる資産をグループ企業に最大限活用してもらい、個々の企業の拡大がグループ全体の持続的成長に繋がることを目指しています。KDDIで現在強力に推進しているのがDX(デジタルトランスフォーメーション)。デジタル技術の浸透により、既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすとしています。KDDIエボルバはKDDIの最先端技術を取り入れて、ITの力で今までにない新たなソリューション提案を顧客に行っていく方針です。すでに直近では、ビジュアルIVR「VisualMenu」やAIチャットボット「AIChat」等のオムニチャネルソリューションを組合せたハイブリッド型コンタクトセンターを開設しています。
KDDIエボルバの面接に備えて自己分析する際には、顧客のどのような課題・ニーズに対し、過去どのような改善策を提案できたか、できればIT領域の話題を用意していきましょう。これまで難しかった事案も、新たなテクノロジーにより解決できた、といった趣旨のエピソードが有効です。もしそういった経験がなければ、直近自分が感動したIT技術や、こんなサービスがあったらいいのにという内容で代用しましょう。情報感度が高いことは、KDDIエボルバで強みとなります。
■「なぜKDDIエボルバに転職するのか」の明確化には他社研究を
KDDIエボルバの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜうちの会社なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、KDDIエボルバという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような全国規模で展開しているBPO企業について調べておくことがおすすめです。
- トランスコスモス株式会社
- りらいあコミュニケーションズ株式会社
- 株式会社エヌ・ティ・ティ マーケティング アクト
- 株式会社ベルシステム24
KDDIエボルバの面接で実際に聞かれた質問内容
このように、KDDIエボルバの採用面接を受ける前には、中期経営計画に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、顧客の課題にテクノロジーを駆使して常に新しい提案ができる人材であると訴求できるよう、それに沿ったエピソードを複数用意しておきましょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、十分に考えながら面接対策しておきましょう。
30代後半・女性/カスタマーサポート職【結果待ち】
30代前半・男性/財務・会計職【2次面接辞退】
30代後半・男性/カスタマーサポート職【1次面接で不合格】
30代後半・女性/ネットワークエンジニア職【入社】
KDDIエボルバの採用面接に向けて
KDDIエボルバの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 複雑な雇用形態による社内コミュニケーションの難しさを理解したうえで、同社が求める人物像を把握する。異なる価値観・立場の中でも、強い成長意欲と顧客志向を持ちながら組織をリーディングできる人材であるとアピールできるようにしておく。
- KDDI本体の中期経営計画を把握したうえで、KDDI本体がすすめる最新の技術革新の中身について理解しておく。自身でも過去にテクノロジーを用いて課題解決をした事例があれば、面接で伝えられるよう準備をしておく。
- 競合他社について研究し「なぜKDDIエボルバか」に対する答えを明確にしておく。
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北海道大学文学部卒業。専攻は社会学。小売業界を経て人材業界に転職。20代~30代向けの転職支援を行うキャリアコンサルタント。