2021年06月21日
ネットワーク機器で世界トップシェアを誇るグローバルIT企業のシスコシステムズへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策して転職を成功させましょう。
シスコシステムズ(以下、シスコ)は、1984年、米国サンフランスシスコで誕生したIT企業で、企業向けのルーター開発・販売からスタートしました。その後、ネットワーク機器の分野では世界トップシェアを誇る圧倒的な地位を確立し、世界的企業へと成長しました。
同社が日本に進出したのは1992年。現在は、東京本社を中心に全国に7拠点を展開し、幅広い商品ラインナップと、課題解決力の高い営業力を武器に、国内でも法人向けルーター、イーサネットスイッチ、無線LANの市場でナンバーワンシェアを獲得しました。外資系IT企業の中でも独自の存在感が際立っています。
そんなシスコは、どんな社風なのでしょうか?同社で勤務経験のある人の口コミでは、「変化のスピードが速く、柔軟性が重視される」といった声が多く見受けられました。これは、同社が企業買収を繰り返して成長してきたことにも関係がありそうです。買収によって、頻繁に新たな製品・サービスが加わったり、社内の組織や制度が変更されるため、社員にも常にキャッチアップが求められるようです。同社では、こうした環境で、スピード感を持って対応する柔軟性が重視されているといえるでしょう。
また、「個人の裁量で自由な働き方ができる会社」と評する声も散見されました。リモートワークが注目される昨今ですが、同社ではかなり早い段階で在宅勤務制度を取り入れて、社員のライフスタイルに合わせた先進的な働き方を推進してきたとのこと。自社テクノロジーを積極的に社内に取り入れ、効率的な働き方を追求しているのも魅力だと捉える口コミもありました。
一方、自由である分、個人が自発的に考えて成果を出していくことを求められます。成果をアウトプットできないと全く評価されないという厳しい環境を指摘する口コミも。すべては個人次第という外資系企業ならではのシビアな面も持ち合わせていることを理解しておくのが賢明です。
変化のスピードが速い環境で、個人が自律的に働き成果を出すという同社のカラーを踏まえたうえで、面接準備に臨みましょう。
面接経験者によると、5名の面接官の了承が得られたら、採用が決まるルールのようです。ですので、面接は通常、3~5回行われることになります。
中途採用は、同社の採用ページで募集されています。英文表記ですが、職種やポジション、業務内容、求められる条件等が明記されているので、読み込んでおきましょう。主に、セールスとエンジニアの職種が多く、ネットワークエンジニア、カスタマーサクセスマネジャーといった細かい専門分野ごとの採用となっています。
奇をてらった質問より、オーソドックスな質問が多いようです。「シスコで何がしたいのか?」「前職では何をしてきたのか?」といった志望動機や経歴に関する質問の他、仕事で大切にしている姿勢、仕事で苦労した経験談、チャレンジしてきたことなど、本人の資質に触れる質問も挙げられています。スピード感あふれる職場で即戦力として活躍できるか、成果にコミットできるタフさを持っているかも見極められるでしょう。また、エンジニアの面接では、技術に関するケーススタディの質問をされることもあるようです。特にネットワーク分野の経験や知識は問われると思いますので、しっかり準備しておきましょう。
口コミでは「優秀な同僚が多い」という書き込みが多く、同社の応募者にも様々な経歴を持つ優秀な人材が集まっていると思われます。面接を通過するために、自身の経歴や強み、シスコで貢献できること、将来のキャリアプラン等を自分の言葉に落とし込んでしっかり説明できるようにしておくと良いですね。面接は、総じて気さくでオープンな雰囲気だったという声もあったので、気構えずリラックスして、自身の良さが発揮できるようにしましょう。
面接準備にあたっては、企業のビジョンやミッション、事業戦略を理解しておくことも重要です。シスコは、「Changing the way we work, live, play and learn (人々の働き方、生活、娯楽、学習のあり方を変える)」という全社共通のビジョンを持って、世界中で事業展開しています。その上で、各国の市場に合わせた事業戦略を定めています。
ここでは、シスコの日本法人が2019年10月に発表した2020年度事業戦略について確認していきましょう。2020年度のビジョンとして掲げているのが「日本の次世代デジタルインフラストラクチャーと持続的成長の架け橋となる」ということです。
シスコシステムズ ホームページより
このビジョンを実現するために注力するのが、Country Digitization Acceleration (以下CDA)というシスコが世界的に進めている活動です。CDAとは、政府、教育機関、民間企業と協業しながら、デジタル化によって各国が抱える重要な課題解決や経済成長に積極的に貢献していく基盤づくりを指します。このCDAを日本でも導入するとのことで、以下の4つの領域に注力していくと述べています。
1.ツーリズム、トラベル &トランスポーテーション
スポーツ&エンターテインメント
スマートシティ、スーパーシティ
スマートモビリティ、モビリティ アズ ア サービス (MaaS)2.インダストリー4.0
コネクテッドマシン、スマートファクトリー
IoTリファレンスアーキテクチャの構築
スタートアップ企業の育成3.デジタルワークプレイス
中小企業、地方企業のデジタル化支援
働き方改革の加速4.パブリックセーフティ
政府及び重要社会インフラ向けセキュアプラットフォーム
サイバーセキュリティ人材育成プログラム
上記の各領域で、国内大手企業や政府、自治体と連携して進めているそうです。事業戦略は、シスコが日本でどのような活動をしていくのかがよく読み取れる内容になっていますので、これを踏まえて自身が貢献できる分野や今後活躍していきたい分野を整理しておくとよいでしょう。
面接で「なぜシスコなのか?」と聞かれた際、さらに説得力のある回答をするためには、他社と比較したうえでの客観的な分析が役に立ちます。
たとえば、同じネットワーク機器分野で競合となる企業と比較して、国内マーケットでの優位性、製品・サービスの強み、弱みなどを洗い出してみるのも一案です。一方、日本に進出している外資系ITで法人ビジネスに強い企業と比べて、日本での事業の進め方、セールスや開発などの組織体制、人材育成、ワークスタイルなどの点で、シスコならではの魅力は何なのかを見つけてみるのも良いでしょう。以下に比較対象となる企業を挙げますので、参考にしてみてください。
●アライドテレシス株式会社
●ヤマハ株式会社
●日本ヒューレッド・パッカード株式会社
●インテル株式会社
シスコが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。変化に対応できる柔軟性を持ち、自ら行動し成果を出せる人材と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
シスコの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●変化のスピードが速い環境で、個人が主体的に働き成果を出すことを求められる環境であることを理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●2020年度事業戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜシスコか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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