エムスリーキャリアの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
「イキイキと働く医療従事者を一人でも増やし、医療に貢献する」を企業理念に、主に人材サービスを提供しているエムスリーキャリア。ビジネスディレクターやマーケティングといった上流工程も含め、中途採用活動が行われています。
社員インタビューによると「若い人が裁量を持って仕事をすることができる」とのことで年功序列の空気はあまり感じられません。「ニーズの安定した分野での仕事のため、戦略策定や実行に集中できる」という声も。IT企業の中では、比較的安定性を感じられ、落ち着いて働ける環境のようです。
しかし、「親会社にかなり縛られている」「利益が親会社に還元されてしまう」と感じる社員も少なからずいるようで、やはり安定に対して犠牲にしているものもある様子。 社内の雰囲気は「コンサルタントはチーム重視、ほかは個人重視」とのことで、「入社の歓迎会もなかった」という人も。コンサルタント以外の人間関係はかなり淡々としていることがうかがえます。
親会社と一丸となって、ITを通して医療に貢献していく。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
一次では、筆記試験と、ショートインタビューが行われ、その後最終面接に進みます。選考期間は2週間程度。筆記試験はSPIに似た内容で、さらに「ビジネスメール文の作成」など実務に関する筆記が追加で行われることも。ショートインタビューとは「職歴、入社理由、退社理由をまとめて5分以内で」「志望動機を1分以内で」など出された質問に対し制限時間内で説明するもので、通常の面接よりも端的な回答が求められます。面接時間も10分程度と短いため、その中でしっかりと自分をアピールできるようにしておきましょう。
実際に面接を受けた人の口コミによると「論理的であることが重要」「矛盾点やあいまいな点があるととことん質問攻めにあう」とのことで、一貫したストーリーをもっていること、質問に動揺しないことなどを求められている可能性が高そうです。
寄せられている口コミの数に対する合格者数が他社と比べても低いことから、人手が足りないことによる募集ではなく、一定人数を採用にする必要性自体がない可能性も。志望動機などを一歩掘り下げて準備していき、精一杯やっても不合格だった時には過度に落ち込まないことも大事でしょう。
■面接内容の傾向は?
「転職で軸としているもの」を聞かれた人が多数います。今の仕事と比べ「新たに得たいもの」と「今の仕事にはあるけれど転職によって失ってもいいもの」をリストアップし、重要度順に並べ替え、面接では端的に説明できるようにしておきましょう。
次に将来のキャリアパスについても聞かれますが、求人票に各ポジションのキャリアパスが明記されています。会社の求めている方向性と自分の思い描いている将来像が一致しているかどうか、事前に確認することができるため、必ず読み込んでおきましょう。
「矛盾点を突っ込まれやすい」との口コミが多く挙がっていることから、ひとつひとつの質問に対しばらばらに回答を用意するのではなく、「今までの仕事内容(起)→転職理由(承)→志望動機(転)→結(将来のキャリアパス)」という順番でひとつの作文として組み立ててみるなどして、論理的に説得力のある説明になっているか、自己矛盾がないかどうかなどをチェックしておきましょう。
エムスリーキャリアの面接攻略法(面接対策)
■エムスリーキャリアの「今後の成長戦略」を理解した上で自己分析をする
エムスリーキャリアの面接事前対策として、「今後の成長戦略」を読み込むことも大事です。要点は以下の通りです。
エムスリーキャリアの「目指す会社の姿」を読むことで、今後どのような人材が必要になるのかを推し量ることができます。しっかりと理解して、会社の目指す方向性に貢献できる人材であることをアピールするのに役立ててください。
エムスリーの目指す会社の姿を一言でまとめると「すべてのステークホルダーにバランスよく価値を提供する」こと。それを実現するための方法として、変化を後追いするのではなく自らが変化の担い手となることが説かれています。 医療ポータル事業は市場がまだまだ拡大中で成長の余地があり、その中で先手必勝の手を打ち続けられることが求められているのです。また、将来的に新規事業責任者となれる人材を募集していることから、新規事業に積極的であることもわかります。
既存サービスの運営の中で、時代の変化にどのように対応してきたのか、その中で自分はどのような役割を担ったのかなどをまとめておくと役に立つかもしれません。また、時代をリードするようなサービスや新規サイトの立ち上げに関わった経験があれば、積極的にアピールしましょう。
■「なぜエムスリーキャリアに転職したいのか」の明確化には他社研究も忘れずに
エムスリーキャリアの面接の前には「なぜエムスリーキャリアなのか」という志望動機を明確にしておく必要があります。面接官は、応募者のやりたい仕事と自社の仕事内容が一致しているかを確認し、採用したとして長く勤めてくれる人材かどうかを確認するとともに、応募者が企業研究をしっかりと行い自社についてしっかりと理解した上で応募しているかどうかを見極めようとしています。
同じ業界や職種の中でなぜエムスリーキャリアを選んだのかを伝えられるように準備する。そのためには、競合他社を研究し、エムスリーキャリアの独自性を発見しておきましょう。エムスリーキャリアの主な事業内容は医療分野に特化した人材ビジネスということから、以下のような企業が競合と考えられます。
- 株式会社リクルート
- 株式会社パソナキャリア
エムスリーキャリアの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、エムスリーキャリアの面接を受ける場合は、経営戦略に沿って自分の強みのうちアピールすべき部分はどこかを分析し、競合他社研究を行うことによって「なぜエムスリーか」に対して説得力のある説明ができるよう志望動機を整理しておくことが大切です。そして「親会社と一丸となって、ITを通して医療に貢献していく」という社風になじみやすそうな印象を与えるよう気を付け、「既存事業、海外、新規事業」といった会社の方向性に対して貢献できることを示せるよう自己PRを用意しておきましょう。前述のように、回答時間には時間制限が設けられているので、簡潔にまとめておくことが重要です。
実際に面接を受けた人がどのような質問をされたのか、具体的にご紹介します。これらの質問をされたときどう受け答えするのか、面接リハーサルのつもりで考えながら一読してください。
30代前半女性/人材コンサルタント【結果:結果待ち】
30代前半男性/システムエンジニア【結果:結果待ち】
20代前半男性/人材コンサルタント【結果:2次面接を辞退】
20代後半男性/人材コンサルタント【結果:1次面接で不採用】
エムスリーキャリアの採用面接に向けて
エムスリーキャリアの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の4つです。
- 「親会社と一丸となって、ITを通して医療に貢献していく」という社風を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- エムスリーキャリアの経営戦略に貢献できることを示すエピソードを簡潔にまとめておく。
- 経歴・転職動機・志望動機・将来の展望を論理的破綻のないよう準備し、全体にストーリー性を持たせる。
- 競合他社研究により、「エムスリーでなければならない理由」をしっかりと伝えられるように準備する。
これらの対策をしっかりと行い、当日は教科書的な回答に見えないよう、臨機応変さも重視して面接官と接してみてください。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
慶応義塾大学卒業後、大手ITメディア、出版社ライターを経て、旅行会社に勤務。新規事業企画に携わる。