コーナンの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1978年に近畿圏のホームセンターの草分けとして大阪府堺市に第1号店をオープンしたコーナン商事。第1号店であるコーナン泉北店を皮切りに年々店舗数を伸ばし、現在では、関東・関西・中部の3大都市圏を中心に453もの店舗数を有しています。(2020年2月末現在)
2019 年 5月に策定した長期ビジョンン「New Stage 2025」に”日本を代表する住まいと暮らしの総合企業”を掲げ、ホームセンター事業を軸としながらも、小売業界の枠を超えた積極的なチャレンジで経営を推し進めています。
取り扱い商品が2万を超える店舗も珍しくない同社。実際に働いたことがある人からは、「商品数が豊富なため、さまざまな商品知識を身に付けることができる」「一般消費者が使う日用品から職人が扱う工具まで幅広い商品を提供できる」などといった口コミが見られ、コーナンならではのやりがいと充実感を得られていることがうかがえます。
一方で慢性的な人手不足ゆえ、拘束時間に対して不満を抱えている社員が多いのも事実。「朝から出社して夜遅くまで働くこともある」「とにかくやらなくてはいけない仕事が多い」といった口コミが散見されます。このような労働環境の改善が課題とされていますが、マネジメント力を活かして店舗環境を改善を試みる店長もおり、手腕が試される職場でもあります。「認められれば、早く出世ができる」という口コミもみられ、自分の力量を試してみたい人には向いているかもしれません。
急成長を遂げたコーナンでは、面接に際に長期ビジョン「New Stage 2025」に対する共感や理解が重要なポイントです。同社のように、さらなる高みを目指し”2025年度までに5000億円超え”という具体的な数字を挙げて事業に取り組んでいる企業であれば、社員にもコミットメントが求められることを予測しておかなければなりません。
「日本を代表する住まいと暮らしの総合企業」のために自分が即戦力となり得ることを、具体的なエピソードを交えて伝えられるとよいでしょう。
■選考は何次まで?
コーナンのキャリア採用の選考プロセスは下記の通りです。
書類選考⇒面接(1~2回)⇒内定
コーポレートサイトには、選考に1~2週間ほどかかるとの記載がありましたが、内定者の経験談は1か月ほどかかったという声が大半を占めていました。長期選考になった場合でも集中力を切らさず、最後まで面接をやり遂げるタフさが求められます。
キャリア採用での募集職種は、主に店舗スタッフや店舗マネジメント(店長)。また2020年7月現在は、新事業である住宅リフォームの営業プランナーの採用も強化中です。キャリコネにも求人が掲載されています。新卒採用では、経営企画や商品物流、販売促進の部門でも採用をしているようですが、キャリア採用においてはほとんど求人が出ることはないようです。
■面接内容の傾向は?
「あなたを一言で表すと」「どのように仕事をしていきたいか」など
コーナンの面接では、人柄や人となりを確かめる質問が数多く出されています。
「事業拡大を続けるコーナンでどのような活躍ができるのか」「コーナンで活かせる強みは何か」
といった観点を軸に自己分析を行い、
一緒に働きたい人材だと思わせるエピソードを用意しておくとよいでしょう。
また入社後のビジョンを聞かれたという人も。
数多くある小売業の中で「なぜコーナンを選択し、その中で何をやり遂げたいのか」を具体的に示すことが重要です。
そのためには、同社の長期ビジョンをしっかり理解しておくことがポイントとなります。
後に紹介する同社の「New Stage 2025」を読み解き、自己PRに絡めて入社後の姿を明確に伝えられると良い印象を残すことができるでしょう。
コーナンの面接攻略法(面接対策)
■コーナンの長期ビジョン「New Stage 2025」を理解した上で自己分析をする
今回策定された「NewStage2025」は、第2次中期経営計画を基盤に、「商品戦略」「人事戦略」「投資戦略」「財務戦略」の4つの戦略を掲げ、売上目標5,000億超えを実現することをミッションとしています。売上目標5,000億超えという目標を達成するにあたり、要になるのが下記の4つの施策です。
- PB商品のSPA化
- ホームセンター企業から住まいと暮らしの総合企業への転換
- グローバル展開
- 業界トップクラス人事制度の構築
上記のように海外進出や新業態への転換を推進しつつ、物流コストの値上がりや人材不足、価格競争などの課題に対してITシステムの活用や新制度の設定にもリソースを割き、長期ビジョンの達成にあらゆる手段を講じています。
採用面接では、「NewStage2025」から規模の拡大を志向している会社であることを理解しているのか、大阪に拠点を置く商人としての気質が根づく社風にマッチした人材なのかを見極められます。これらのことから、いかに売上を拡大できるのか、どんな商品が求められているのかを常に思考し、店舗や売り場に反映できる人材を求めていると言えるでしょう。
■「なぜコーナンに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では、必ずといっていいほど「なぜ当社なのか」という質問が出されます。多くのホームセンターチェーンが独自のサービスを拡大していく中で、「当社の特色を理解しているのか」「当社の長期ビジョンを理解しているのか」といった点を面接官は見極めようとしています。
この質問で面接官に好印象を与えるためには、競合他社についても研究し、「なぜコーナンなのか」について、説得力のある答えを用意しておくことが重要です。ここでは近畿圏において店舗数の多い3社をあげています。これらの企業の強みや風土の理解を深め、それぞれの違いを明確にしておきましょう。
- 株式会社ナフコ
- DCMホールディングス
- 株式会社株式会社コメリ
コーナンの採用面接で実際に聞かれた質問内容
長期ビジョンを理解することで、同社が目指す方向性や採用したいと考える人物像が見えてきたのではないでしょうか。そして採用面接の場では、「規模・売上拡大への志向を常に持つ商人としての気質が根づく」社風を理解し、同社の求める人材だと印象づけられるよう、他社研究を踏まえ志望動機を整理することが大切です。
下記は、面接経験者が実際に聞かれた質問を抜粋したものです。これらの質問を参考に、自分ならどう答えるかを事前に整理しておきましょう。
[20代前半・男性/ショップスタッフ] 【結果:二次を辞退】
[30代後半・男性/販売アドバイザー] 【結果:内定を辞退】
[40代後半・男性/フロアスタッフ] 【結果:内定を辞退】
コーナンの採用面接に向けて
コーナンの採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「規模・売上拡大への志向を常に持つ商人としての気質が根づく」という社風を意識して、自身がマッチしていることをアピールする。
- 長期ビジョン「New Stage 2025」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 「なぜコーナンなのか」という問いに対して、競合となり得る企業との違いを明確にしたう上で納得できる回答を用意しておく。
これらを十分に理解して自己分析をおこない、面接当日はハキハキとした姿勢で入社の熱意を積極的にアピールしましょう。
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経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。