2022年09月05日
【年収研究シリーズ】日本電産社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。
それでは、はじめに日本電産の平均年収について見ていきます。日本電産の平均年収は、日本電産の有価証券報告書によると、645.1万円です。キャリコネに寄せられた給与明細から算出した日本電産年代別年収レンジは、20歳代で420〜470万円、30歳代で580〜630万円、40歳代で730〜780万円となっています。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.31倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 645.1万円 | 39.2歳 | 10.8年 | 2511人 |
2021年3月期 | 587.9万円 | 38.7歳 | 10.3年 | 2568人 |
2020年3月期 | 615.7万円 | 38.6歳 | 9.7年 | 2756人 |
2019年3月期 | 660.9万円 | 39歳 | 9.4年 | 2794人 |
2018年3月期 | 663万円 | 39.5歳 | 9.4年 | 2576人 |
出典:日本電産・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
日本電産の平均年収は前年を上回り645.1万円でした。
過去5年間では3番目の額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 436.1万円 | 26.9万円 | 92万円 | 392.49万円 |
30代 | 602.6万円 | 36.7万円 | 127.3万円 | 542.34万円 |
40代 | 748.8万円 | 45.3万円 | 158.2万円 | 673.92万円 |
50代 | 885.3万円 | 53.3万円 | 187.1万円 | 796.77万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
日本電産の高い年収を支える理由の一つ目は、賞与の支給額の多さです。
賞与の支給月数は業績に左右されるものの、口コミを見ると、「平均して4~5ヶ月分程度」と、安定して高い水準を保っているようです。また、賞与支給の際には、「毎回賞与説明会が開かれる」とのことで、社員に対して公平で誠実な姿勢を感じられます。
もう一つの理由は、福利厚生制度の中でも特に寮・社宅制度の充実です。住宅手当はないものの、「30歳までは借上寮に1.5万円で入居」できます。これにより特に「東京・大阪の社員の実質年収は世間平均より上になる」という口コミから、可処分所得を大きく押し上げる制度であると言えます。
日本電産の給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回(7月・12月)の賞与で構成されています。
諸手当は、時間外手当、通勤手当、勤務地手当、資格手当、単身赴任手当、許可外保育料補助手当など、幅広く支給されています。しかし社員からは「住宅手当、家族手当はない」ことに不満な様子も伺えます。勤務地手当については、全社員に支給されているわけではなく、口コミを見ると、支給対象は「30~40歳」「未婚、既婚で支給額が異なる」「35歳になると半額になる」と限定した社員への手当であるようです。
またそれ以外にも、福利厚生として、社員持株制度、借り上げ社宅制度、財形貯蓄制度、独身寮などの制度が整備されています。
日本電産社員の給与明細(キャリコネ)
30代前半で年収約650万円
20代技術(非管理職)の 給与明細
20代技術(非管理職)の 給与明細
30代後半には年収800万円に迫る
30代(非管理職)の 給与明細
30代(非管理職)の 給与明細
日本電産の職種は、「技術系」「事務系」の大きく2つに分類されます。「技術系」は研究開発や生産技術・品質管理など、「事務系」は営業、経営企画、管理部門などの職場で活躍します。しかし、賃金制度は両職種共通の制度であり、職種によって年収に差が生じるということはありません。初任給についても、両職種共通で、以下の通り学歴別に設定されています。
<初任給(2019年新卒採用時点>
●博士了:月給 25万3,500円
●修士了:月給 23万6,500円
●学部卒:月給 21万2,500円
●高専・短大・専門卒:月給 18万7,500円
年代、社内資格別の年収目安としては、20代は350~450万円、主任クラスが約500万円、課長代理で約600万円、課長クラスになると750~800万円、次長クラスで900~1000万円といったあたりです。
日本電産社員の給与明細(キャリコネ)
時間外手当の有無が年収の差に
20代営業(非管理職)の 給与明細
20代管理部門(非管理職)の 給与明細
30歳時点ではどの職種でも同年齢なら同年収
30代技術(非管理職)の 給与明細
30代広告宣伝(非管理職)の 給与明細
日本電産の給与体系は、社内で規定される階層・資格別に設定されているため、年収を上げるためには、昇格することが必要です。
日本電産の階層は、新入社員→一般社員→主任係長級→課長代理級→課長級→次長級の大きく6つの階層で構成されています。課長代理級以上に昇格するためには、独自の昇格試験に合格することが昇格の条件となっています。昇格試験の内容は、適性検査と英語能力審査の2つですが、「ここ(課長代理)で躓く人が多い」との声も多く見られ、課長代理級が大きな分かれ道となっているようです。
評価制度としては、半期ごとに目標を設定し、その達成度についての自己評価と上司の評価結果によって決定されます。評価は5段階であり、最大数万円の給与の差につながっていく、という仕組みです。この評価制度については、「人事評価は公平」「賞与支給後に必ず1対1の面談が行われ、評価に対して納得いく説明が得られる」と、社員からは満足の声が多く聞こえます。
日本電産社員の口コミ(キャリコネ)
残業は減ったが、賞与は高水準をキープ
「働き方改革以降、全社的に残業が劇的に減った ボーナスは半期で2.3-2.5くらいで、通年で5ヶ月くらいが平均……」
管理職昇格試験の難易度は高い
「管理職になるには、かなりハードルが高い 基本的に管理職にならないと年収は上がらない……」
日本電産の競合や同業界である京セラ、村田製作所、オムロンの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、日本電産が645.1万円、京セラが725.2万円、村田製作所が797.6万円、オムロンが849.7万円です。
この4社の中で最高額はオムロンの849.7万円で、最低額が日本電産の645.1万円。その差はおよそ205万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では日本電産は4番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
オムロン | 849.7万円 | 45.5歳 | 16.7年 | 4610人 | 3109.89億円 |
村田製作所 | 797.6万円 | 40.1歳 | 14.3年 | 9771人 | 12334.64億円 |
京セラ | 725.2万円 | 40.5歳 | 16.4年 | 20560人 | 8482.53億円 |
日本電産 | 645.1万円 | 39.2歳 | 10.8年 | 2511人 | 1981.27億円 |
日本電産株式会社の競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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