日本電産の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
精密小型モーターをはじめ、さまざまなモーターの開発・製造を手がける日本電産。1973年に現・代表取締役会長(CEO)の永守重信氏によって設立され、「世界初」や「世界最小」と言われる製品を数多く生み出してきました。
同社をわずか一代で世界的企業へと育て上げた永守会長はメディアでもたびたび取り上げられ、口コミ上も「世界的なカリスマ経営者がいるため、日々学ぶことも多く誇りを持って働くことができる」というように、そのカリスマ性に関するコメントが多数見られます。また、同社の成長の原動力となっている戦略的M&Aの背景には経営者の早い意思決定があり、それは「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という同社の企業精神にもつながっています。こうした経営手腕に高い評価の声があがる一方で、「トップダウンの会社であるため仕事の進め方が非常に面倒」「スピードが早く、振り回されることも多い」といったコメントも。面接にあたっては、こうした点をしっかりと把握しておく必要があります。
このようにスピード経営によって成長してきた同社ですが、その社風は意外にも「古い日本の企業」という声が聞かれます。これは、「朝から清掃、朝礼、社歌、社是の唱和などがある」「成果主義という謳い文句はあるが、実質は年功序列」という日本的経営の要素からくるものかもしれません。
さらに、同社には、設立当初から“憲法”として受け継がれている「3Q6S」が存在します。3Qとは「Quality Worker(良い社員)・Quality Company(良い会社)・Quality Products(良い製品)」で、6Sとは「整理・整頓・清潔・清掃・作法・躾」を意味します。口コミには、「(3Q6Sは)社員に徹底する思想であり、働くための哲学であり、吸収合併していった会社が立て直されるのがうなずける」「3Q6Sの魔法の言葉で評価が決まる」といった声もあるほど重要視されているものです。
こうした社風にフィットするかどうかは、応募者・採用側双方にとって重要なポイントとなります。企業研究と自己分析を通じて、今いちど確認をしておく必要があるでしょう。
■選考は何次まで?
選考フローは原則として以下のとおりです。
1. 応募
2. 書類選考(合否にかかわらず、2週間程度でメール連絡が届きます)
3. WEBによる適性検査・面接(2〜3回)
4. 内定
面接回数は応募の役職により異なる場合があります。また、遠方や海外在住の場合にはオンライン面接も可能となっています。
日本電産では通年で中途採用を実施しており、募集範囲は「研究」「製品開発・設計」「生産技術」「品質保証・管理」「営業」「企画」「管理部門」など、幅広い部署・職種に及びます。情報は随時更新されるため、コーポレートサイトをこまめにチェックすることをおすすめします。
■面接内容の傾向は?
基本的には、「志望動機」「仕事に対する考え方」などが中心となります。そのうえで、海外勤務希望者であれば、語学力や海外に対する興味などが問われるようです。面接経験者からは、「企業研究は深くやるべき」「仕事に対するバイタリティーを見せる」「海外でもやっていけるという実績と意欲や経験をもとに説明できるように」といったアドバイスの声があがっています。
また、日本電産らしい質問としては、「トップの考えについて」を聞かれたという口コミも。自信を持って答えるために、事前に永守会長の著書を読んでおくとよいかもしれません。
そのほか、「取引先からの要望に対してどう対処するか」というようなケース形式での質問をされる場合もあるようです。こうした質問に対しては、具体的なエピソードを交えながら、論理的に話す必要があるでしょう。
日本電産の面接攻略法(面接対策)
■日本電産のVision2020を理解した上で自己分析をする
日本電産の面接を受ける前に、中期成長戦略「Vision2020」を理解しておきましょう。
日本電産では、中期戦略⽬標として「利益ある⾼成⻑の飽くなき追求」を掲げ、2020年度に売上高2兆円を目指しています。さらに、これから本格的に訪れる「脱炭素」「省電力化」「ロボット化」「物流革命」「デジタルデータ爆発」という5つの波で生じる事業機会を捉え、2030年度には売上高10兆円を目指す方針です。
この売上高を実現させるための戦略として大きく2つあげています。
一つめは、ビジネスポートフォリオの転換です。従来の「精密小型モータ」中心のポートフォリオから、「精密小型モータ」「車載」「家電・商業・産業用」「その他の製品グループ」という4本柱のポートフォリオへ転換させると同時に、さらなる成長に向けて、「車載」および「家電・商業・産業用」を重点2事業に据えます。そのため、主力事業として急成長している車載事業のエンジニアを中心に中途採用を募集中です。
2つめは、M&A戦略です。同社はこれまでもM&Aを成長の原動力としてきましたが、今後も自律成長とM&Aを同じ比重で組み合わせ、成長を加速させる方針です。
面接にあたっては、こうした戦略の意味するところを理解し、自己分析に落とし込む必要があるでしょう。
■「なぜ日本電産に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
面接では「なぜ日本電産か」という質問に対する明確な回答が求められます。この質問によって、「これまでのキャリアがどう生かされるのか」といったことに加えて、日本電産に対する理解度やカルチャーに対するフィット感を見極める目的があります。
したがって、日本電産について理解を深めることはもちろん、競合となりやすい企業と比較したうえで、「なぜ日本電産か」を論理的かつ情熱的に語れるとよいでしょう。少なくとも、以下のような企業については事前に調べておいてください。
- マブチモーター株式会社
- TDK株式会社
- 株式会社村田製作所
- ミネベアミツミ株式会社
日本電産の採用面接で実際に聞かれた質問内容
日本電産が目指している方向性や、求める人材像が見えてきたのではないでしょうか。
日本電産は、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という企業精神が表しているとおり、スピードと行動力を重視した企業です。また、カリスマ経営者による経営手腕は内外から高く評価される一方、社内においては独自の哲学やルールが存在するといいます。こうした点を踏まえたうえで、企業の成長スピードにあわせた自己成長が求められます。「世界No.1の総合モーターメーカーの一員として、ともに成長を目指せる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
[20代後半・女性/マーケティング] 【結果:面接中止】
[30代後半・男性/人事] 【結果:入社】
[20代前半・男性/電子回路設計] 【結果:最終面接で不採用】
[30代後半・男性/研究開発] 【結果:内定を辞退】
日本電産の採用面接に向けて
日本電産の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」という企業精神を理解し、スピード経営に合致した意欲的な人材であることをアピールする。
- 中期成長戦略「Vision2020」を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ日本電産か」に対する答えを明確にしておく。
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