2022年08月30日
【年収研究シリーズ】ソフトバンクグループ社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。
まずはじめにソフトバンクグループの平均年収を見ていきましょう。ソフトバンクグループの平均年収は1322.3万円です(ソフトバンクグループ有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考にソフトバンクグループの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で680〜730万円、30歳代で1040〜1090万円、40歳代で1340〜1390万円という結果がでました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ2.67倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 1322.3万円 | 40.6歳 | 9.4年 | 255人 |
2021年3月期 | 1404.9万円 | 40歳 | 8.9年 | 241人 |
2020年3月期 | 1389.3万円 | 40歳 | 10.1年 | 224人 |
2019年3月期 | 1158.1万円 | 40.5歳 | 9.2年 | 195人 |
2018年2月期 | 1158.1万円 | 40.5歳 | 9.2年 | 195人 |
出典:ソフトバンクグループ・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
ソフトバンクグループの平均年収は前年を下回り1322.3万円でした。
過去5年間では3番目の額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 700.3万円 | 40.2万円 | 167.7万円 | 630.27万円 |
30代 | 1055.8万円 | 59.9万円 | 253万円 | 950.22万円 |
40代 | 1356.5万円 | 76.6万円 | 325.2万円 | 1220.85万円 |
50代 | 1476.5万円 | 83.3万円 | 354万円 | 1328.85万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
ソフトバンクグループの年収が高い最大の理由は、賞与の金額の大きさです。支給月数に関する口コミを見てみると、「夏が多く、4.3ヶ月分出たことも。冬は大体2.5ヶ月分」「平均年間8ヶ月ほど」といった声が多く見られます。賃金制度として、賞与の配分に重きを置く設計となっているようですが、この制度については、「2020年から基本給と賞与の配分が変わり、基本給が高くなる」そうです。
賞与の支給方法も独特です。まず評価結果に応じて支給額は大きく変動します。「直属の上司に0.0~4.0の間で評価され、賞与額が評価0.0で基本年収の0%、4.0で基本年収の100%となる」というものです。実績が如実に年収に反映されるというシビアな制度であることが分かります。また、さらにそこで決定された支給額と同額のストックオプションも付与されます。これについては、「取得後3年後から行使可能」というルールが適用されています。
ソフトバンクグループの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年1回(6月)の賞与で構成されています。諸手当といっても、支給されるのは通勤交通費(上限5万円/月)ぐらいであり、口コミによると「家族手当や住宅手当など、属人的な手当は一切ない」とのこと。純粋に業務遂行能力に対してのみ、報酬が支払われるポリシーであることが伺えます。
賞与の金額の高さと仕組みについては前項の通りですが、それ以外に福利厚生として、確定拠出年金制度、持株会、ベネフィット・ワン(カフェテリアプラン制度)が整備されています。
ソフトバンクグループ社員の給与明細(キャリコネ)
30代序盤で700万円超
20代営業(非管理職)の 給与明細
30代営業(非管理職)の 給与明細
20代から30代で200万円アップ
20代技術(非管理職)の 給与明細
30代技術(非管理職)の 給与明細
ソフトバンクグループの採用形態は、中途/新卒の区別なく、職種・ポジション別に設定されており、「プロフェッショナル、またはプロフェッショナルを目指す人材」の採用を行っています。そのため、いわゆる「初任給」というものは一律で設定されているわけではなく、採用時に認定された「グレード」ごとに年収が決定されるという仕組みです。また、その際に決定された基本給も、年1回見直しのチャンスがあり、ミッション・能力・貢献度に応じて翌年度の基本給が決定します。
採用サイトにおける募集要項によると、ポジション別の年収目安は以下の通りです。
●アソシエイト:376万円~460万円(残業手当:有)
●シニアアソシエイト:448万円~706万円(残業手当:有)
●マネージャー~シニアマネージャー:621万円~1,119万円
ソフトバンクグループ社員の給与明細(キャリコネ)
20代で900万円台も
20代コンサルタント(非管理職)の 給与明細
20代広告宣伝(非管理職)の 給与明細
30代で賞与300万円超
30代営業(非管理職)の 給与明細
30代技術(非管理職)の 給与明細
上述の通り、ソフトバンクグループではグレードに基づいて年収が決定されるため、年収をあげるためにはグレードを上げることが必要です。
同社の評価制度はMBO制度が導入されており、目標に対する達成度・会社への貢献度などによって評価結果が決まります。年1回きちんとフィードバックが行われるとのことで、それについては、「理由をしっかりとフィードバックしてくれるので、次にもっと成長するためにはどうすればいいのかが分かりやすい」と成長意欲を高める仕組みとして効果的に運用されていることが分かります。また、昇格については、「役職ごとにスキルセットが定義」されているため、その定義表に基づいて、昇格対象となるかどうかが判断されるようです。しかし、「管理職のポストが少ない」ため、「出世するためにはずば抜けて優秀で、かつトップの絶大な支持が必要」とのこと。「新規事業やチャレンジへの取り組みを重視する」風土から、優秀であれば、「年齢や性別関係なくいきなり事業責任者になる」ことも可能です。
ソフトバンクグループ社員の口コミ(キャリコネ)
マネージメント能力よりも、実務能力重視
「若手の活躍が非常に重視されており マネージメント能力が問われることはない……」
優秀者には抜擢人事のチャンスあり
「なかなか出世の機会は少ない スキルや一級の才能があれば、一気に経営層に行けなくもない……」
ソフトバンクグループの競合や同業界である日本電信電話、KDDI、楽天グループの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、ソフトバンクグループが1322.3万円、日本電信電話が952.4万円、KDDIが945.4万円、楽天グループが774.1万円です。
この4社の中で最高額はソフトバンクグループの1322.3万円で、最低額が楽天グループの774.1万円。その差はおよそ549万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではソフトバンクグループは1番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
ソフトバンクグループ | 1322.3万円 | 40.6歳 | 9.4年 | 255人 | 8560.03億円 |
日本電信電話 | 952.4万円 | 41.8歳 | 16.7年 | 2486人 | 6501.16億円 |
KDDI | 945.4万円 | 42.5歳 | 17.2年 | 10455人 | 40370.23億円 |
楽天グループ | 774.1万円 | 34.3歳 | 4.7年 | 7744人 | 7832.68億円 |
ソフトバンクグループの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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