先進分野への積極投資で「営業利益2兆円超え」
ソフトバンクグループの2019年3月期は、営業利益が初の2兆円超え、当期純利益も3期連続1兆円を超えました。業績を押し上げたのは、投資ファンドの「SVF事業」(ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業)です。
SVFのビジネスモデルは、LP(有限責任)投資家を集める一方で有望な投資先を探し、投資などによって業績を改善することで「投資成果」を最大化し、それをLP投資家に分配するもの。会長兼社長の孫正義氏は決算説明会で、SVFを「これからの成長エンジン」と強調しています。
企業口コミサイト「キャリコネ」には、ソフトバンクグループ株式会社とソフトバンク株式会社の現役社員・OBOGから、500件を超える内部情報が集まっています。
ソフトバンクグループの財務部門で働く30代後半の男性社員は、年収1,000万円。トップダウンで案件が決まるため、「"風通しが良い悪い"云々言っている暇がないくらいスピードがある」点を魅力的と言っています。
「案件の中心にいれば年齢に関係なく、エキサイティングな経験を積むことができる。また、時流に乗ったことに取り組むことが多く、常にアンテナが高く、技術を更新している人にとってはとても面白いと思う。これについて来る管理部門はなかなか大変であるが、会社の根幹を守るため、それはそれで面白いと思う」(2018.1.15)
トップダウンの「無茶振り」についていけない人も
ソフトバンクではトップダウンだけでなく、ボトムアップの提案も歓迎される傾向にあります。他の大手通信事業者から転職して法人営業を担当する30代の男性は、転職前と比べて「自身の裁量は大きい」と明かしています。
「積極的にやりたいことを上司に伝えれば、責任は伴いますが、やらせてもらえる場合が多い。その点、自身の成長にもつながっていると感じます」(2016. 5. 6)
その一方で、トップダウンによる「無茶振り」に応えるためには、かなりのハードワークが必要になります。ソフトバンクの経営企画部門で働いていた20代後半の男性は、次のような理由で退職に至っています。
「トップダウンで物事が決まる会社であり、方針の変更の都度、徹夜を含む作業が発生していました。業務自体は非常にダイナミックで、エキサイティングでしたが、このままでは体調を崩すと思い、退職を決意しました。目的達成のためにはプライベートを犠牲にできるマッチョイズムのある方であれば、優秀な方も多く、合うと思います」(2017.1.12)
「大企業のサラリーマン」的な部署もある
ソフトバンクは先進的な取り組みで知られ、モバイル機器など生活に欠かせない製品・サービスを扱っていることもあって、知名度の高い会社です。この点が「働きがいがある会社」と認識している社員もいます。
「世間から注目される企業であるため、自分の仕事の成果がメディアで取り上げられるようなこともあり、世間に与える影響の大きさを感じる経験は頻繁にある」(2019.1.27)
その一方で、世間から注目される仕事に携われるのは一部の部署だけ、という声もあがっています。ソフトバンクグループで法人営業を担当する20代男性は、他社からの転職後に次のようなギャップを感じたようです。
「入社時には『若手からチャレンジ』『ベンチャースピリットを持つ』等の言葉から、実力主義かつ様々な新規事業へチャレンジできる環境があると考えていた。しかし実際にはチャレンジをしているのは役員クラスや一部の部署のみで、ほとんどの社員は大企業のサラリーマン、サラリーウーマンとして業務を遂行している。バックオフィス寄りになるほど、その傾向は強まっていると感じた」(2017.5.15)
仕事の満足度については、部署によることもあるでしょう。ただし、新しいAIオフィスの恩恵はすべての社員が受けられます。快適な職場環境で働きたい就活生や転職希望者には、魅力的な選択肢になりそうです。