トヨタ紡織の採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1918年創業のトヨタ紡織。社名のとおり製織・紡績業にルーツを持っていますが、自動車用シートなどの自動車内装品のほか、フィルター製品や電動化成品などのユニット部品を主力に成長してきました。自動車の内装品(シート、ドアトリム)では国内トップシェアを誇り、国内外に多くの関連企業を有するトヨタ紡織グループを形成しています。
「ものづくりは人づくり」を価値創造プロセスの基本に置き、技術開発・人づくり・ものづくりを三本の柱とするのが同社の経営姿勢です。顧客目線に立った人材育成、製品づくりを通じて、すべてのモビリティーに快適な空間をつくることを目指しています。
キャリコネに寄せられたトヨタ紡織の口コミには、労働環境が整備されていることを評価するものが多く見受けられます。「サービス残業はない」「休日出勤はほとんどない」といった声が聞かれ、トヨタ系列企業ならではの安定した労働環境があることがうかがえます。ただ、「いろいろな方法で残業時間を削っていた」と語る人もいるように、限られた時間の中で効率よく業務をこなすことが求められるようです。
また、「実力がある人は誰でも上がれる(昇進できる)」「女性の管理職もたくさんいる」などの口コミからは、男女の別による評価の差がなく、実力が正当に評価される企業風土が垣間見えます。トヨタ紡織の経営方針や評価制度に共感し、積極的に自分の能力を発揮できる人であれば、納得のいく評価を受けられる可能性も高いでしょう。
「安定した労働環境のなかで、自身の力を効率的に発揮してよりよい製品づくりに貢献する」。採用面接では、こうしたトヨタ紡織の社風にフィットする人物かどうかが見極められます。これまでのキャリアはもちろん、適性や価値観を洗い出し、面接対策を進めましょう。
■選考は何次まで?
2022年12月現在、トヨタ紡織では、新製品設計やUX/UIデザイン業務に携わる開発・設計職を中心として中途採用をおこなっています。業務内容を指定したうえでの募集となっているため、自分の適性やスキルを考慮して応募するようにしましょう。
募集要項によると、選考フローは「書類選考→適性検査→1次面接→最終面接」となることが多いようです。コーポレートサイト内の「キャリア採用」ページよりエントリーできます。
トヨタ紡織の採用ページには、同社が求める人物像や働く環境について記載されています。応募にあたってはぜひ目を通しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、トヨタ紡織の面接では「当社でどんな仕事をしたいか」「学生時代に力を入れたことは?」など、中途採用面接としては一般的な内容について問われる傾向にあります。「人づくり」に力を入れているトヨタ紡織だからこそ、応募者の人となりをじっくり見極めようとするのが理由でしょう。想定される基本的な質問には的確に答えられる用意をしておく必要があります。
「職務経歴書の内容について詳しく聞かれ、その中から成功例と失敗例を挙げるよう言われた」という人もいました。突飛な質問をされることは少ないかわりに、ひとつのテーマに対して深く掘り下げられることはあるようです。履歴書や職務経歴書の内容に沿って、自分らしいエピソードを展開する準備をしておくとよいでしょう。
また、「オンリーワンとナンバーワン、どちらがいいか」といった質問から、応募者の考え方を探ることもあるようです。日頃から自分の価値観を振り返る習慣をつけておき、面接前にはしっかりまとめるようにしましょう。トヨタ紡織の社風や経営方針を理解したうえで自己分析をするのが有効です。
トヨタ紡織の面接攻略法(面接対策)
■トヨタ紡織の「2025年 中期経営計画」を理解した上で自己分析をする
トヨタ紡織の面接を受ける前に、同社の中期経営計画を理解しておきましょう。トヨタ紡織では、「2020年 中期経営計画」を引き継ぐものとして「2025年 中期経営計画」を策定しています。
トヨタ紡織の面接を受ける前に、同社の中期経営計画を理解しておきましょう。
「QUALITY OF TIME AND SPACE」を企業ビジョンに掲げるトヨタ紡織。この中期経営計画においては、移動空間を上質で快適なものにするための高品質な自動車部品の生産に注力することが最大の目標です。安全・安心な製品づくりはもちろん、すべてのモビリティーを使う人の感動につながるものづくりを推進するとしています。取引先との連携により、環境負荷の最小化にも取り組む姿勢です。
また、CSV経営にシフトしつつある同社は、多様化する価値観を尊重し、社会的に信頼を得られる企業としての地位も確立したい考えです。そのためにチャレンジ精神やチームワークを重んじ、社会に貢献できる人材を育成するほか、コンプライアンスを遵守した公正な事業展開を目指します。さらに、こうした公正さは一人ひとりの社員にも求められると考えられます。
中途採用面接でも、上質で快適なモビリティー空間づくりに貢献できる誠実な人物であるかどうかが問われるでしょう。中期経営計画や企業ビジョンへの理解をベースに「自分がどのように働いていきたいか」「製品づくりにどのように関わっていきたいか」を整理し、明確に語れる用意をしておくとよいでしょう。抽象的な話に終わらないよう、具体的なエピソードや数値データを示しながら説明するのがおすすめです。
■「なぜトヨタ紡織か」をはっきりさせるためには他社研究が必要
中途採用面接で頻出する質問として「なぜ当社なのか」があります。この問いかけを通して、面接官は仕事に対する応募者の姿勢や適性のほか、同業他社との違いをどのように分析しているのかを確認しようとしていると考えられます。
面接官を納得させる回答をするためには、綿密な企業研究をしなければなりません。特に、他社との比較という手法を使い、トヨタ紡織の特色や強みを浮き彫りにしてみるのが効果的です。企業研究の際には、内装シート製造において競合する次の企業についても研究しておきましょう。
- アディエント合同会社
- テイ・エステック株式会社
- 富士シート株式会社
トヨタ紡織の採用面接で実際に聞かれた質問内容
トヨタ紡織が目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。トヨタ紡織の場合トヨタ紡織の中途採用面接を受ける際には、「安定した労働環境のなかで、自身の力を効率的に発揮してよりよい製品づくりに貢献する社風」を意識して、「公正さと誠実さを忘れず、上質で快適なモビリティー空間づくりに貢献できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問にどう答えるか、自分におきかえてシミュレーションしてみましょう。
[20代前半・男性/システムエンジニア] 【結果:内定を辞退】
[30代前半・女性/法務] 【結果:一次面接で不採用】
[20代前半・男性/生産・製造技術] 【結果:入社】
[20代前半・男性/研究開発] 【結果:結果待ち】
トヨタ紡織の採用面接に向けて
トヨタ紡織の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールすることが大切です。トヨタ紡織での仕事に対する意欲をしっかりと伝えましょう。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。