TDKの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
TDKは、1935年に東京工業大学が発明した磁性材料「フェライト」の事業化を目的として、ベンチャー企業として誕生しました。以降、カセットテープ等多彩に事業を展開し、現在では世界有数の総合電子部品メーカーとして、確固たる地位を築いています。同社が展開する事業は大きく以下5つです。
●受動部品(セラミックコンデンサ、インダクティブデバイス、高周波部品等)
●センサ応用製品(温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサ)
●磁気応用製品(マグネット、HDD用磁気ヘッド・サスペンション)
●エナジー応用製品(エナジーデバイス、電源)
●その他(フラッシュメモリ用応用デバイス、メカトロニクス、電波暗室)
多彩な事業を展開すること、またその設立の由来から、「中小企業が集合したような印象」「ベンチャー気質が残っている」と社員は感じているようです。歴史ある会社ゆえ、「ヒエラルキー」あり、「トップダウン」ではありつつ、同時に「担当者の裁量はかなり大きい」とのこと。上司であっても「基本的に干渉はしない」ようで、「やりたいようにやれる」ことが仕事の魅力であるようです。
一人ひとりの専門性が大切にされていることから、「業務相談も役職問わず、気軽に話しかける」風土であり、「そのまま会議になることもしばしば」だそうです。「相談されるとうれしい」「信頼されていると感じる」と、自身の業務にやりがいと自信を感じながら仕事に取り組める環境であることが分かります。
「ベンチャー気質残る風土の中で、一人ひとりが大きな裁量を持って専門性を高め続ける」、こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
TDKの職種は、大きく「事務系」と「技術系」に分かれます。
「事務系」は営業や経理、IT、企画、人事などの管理業務、「技術系」は開発や設計、生産技術、品質保証、ITなどの業務を担当します。
同社のキャリア採用は、「事務系」「技術系」それぞれの中でさらに業務内容やポジション、勤務地などによって募集職種が細分化されています。
選考プロセスはdodaを経由したWEBエントリー後、数回の面接を経て内定が決まるようです。応募者によると、「WEB面談も活用されていた」「集団面接で面接官も応募者も複数いた」といった口コミも見られます。
■面接内容の傾向は?
TDKの面接でよく聞かれる質問としては、「TDKに入って成し遂げたいことは何か?」というものがあります。これまでのキャリア・専門性をもとに、TDKでどのように活躍するつもりなのか、どんなチャレンジができる人材なのか、を見極めようとしていることが分かります。「具体的な提案も求められた」という口コミも見られるため、自分の専門性を同社でどのように活かすつもりなのか、かなり掘り下げて考えておく必要があるでしょう。
面接の雰囲気については、「圧迫面接ではない」ということ、そして面接官が「良いところを見つけてくれる」と温かい雰囲気である一方で、「簡潔に答えることが大切」という声も見られます。自分の思い・ビジョンを整理することはもちろん、それを簡潔にロジカルに伝えることもしっかりと練習しておきましょう。
TDKの面接攻略法(面接対策)
■TDKの中期経営計画「Value Creation 2023」を理解した上で自己分析をする
TDKの面接を受ける前に、中期経営計画「Value Creation 2023」を理解しておきましょう。
同社は2021年4月より、中期経営計画「Value Creation 2023」をもとに事業を推進しています。
上図の通り、この計画では、DXとEXの両軸で、顧客を満足させるソリューションを提供することが描かれています。面接では、こうした方向性を理解したうえで、自分の専門性がどのようにこの計画の実現に貢献できると考えているのか、を具体的に説明することが必要です。前項のとおり、面接では自分のキャリアやビジョンについてかなり掘り下げて確認されます。その回答を準備する際に、中期経営計画の方向性に合致したものとなるように注意しておきましょう。
■「なぜTDKか」をはっきりさせるためには他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問の一つに、「なぜTDKなのか」というものがあります。面接官はこの質問を通して、応募者が「TDKで活躍できる人材かどうか」ということを確認するとともに、「同社の特徴や、同業他社との違いを理解しているのか」という点についても確認しようとしています。
この質問に対して、面接官が納得するような回答をするためには、以下に挙げるような、競合他社についての研究が不可欠です。
- 株式会社村田製作所
- 日本電産株式会社
- 京セラ株式会社
- ミネベアミツミ株式会社
TDKの採用面接で実際に聞かれた質問内容
TDKが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。TDKの場合「ベンチャー気質残る風土の中で、一人ひとりが大きな裁量を持って専門性を高め続ける」社風であることを意識して、「中期経営計画の実現に向けて自らの専門性を活かすイメージを具体的に描けている人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[30代後半・男性/電気・電子回路設計] 【結果:一次面接で不採用】
[30代前半・女性/電気・電子回路設計] 【結果:面接中止】
[20代前半・男性/研究開発] 【結果:一次面接で不採用】
[20代前半・男性/法人営業] 【結果:入社】
TDKの採用面接に向けて
TDKの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「ベンチャー気質残る風土の中で、一人ひとりが大きな裁量を持って専門性を高め続ける」社風であることを意識して、「中期経営計画の実現に向けて自らの専門性を活かすイメージを具体的に描けている人材」であることをアピールできるよう、具体的なエピソードを準備しておく。
- TDKの中期経営計画「Value Creation 2023」を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜTDKなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。