商船三井の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
130年以上の歴史をもつ商船三井。長い年月で培った高い技術力をもって多彩な分野で活躍する総合海運事業を展開しています。鉄鋼原料、石炭、木材チップなどを運ぶ種専用船、原油を運ぶタンカー、液化天然ガスを運ぶLNG船、様々な製品を運ぶコンテナ船など、世界最大級の船隊を誇ります。海運事業に特化しているという点や世界最高水準の安全運航などが商船三井の強みと言えるでしょう。
そんな商船三井は体育会系の雰囲気が強く、良くも悪くも上下関係がきっちりしている社風のようです。「上長が言えば黒でも白になる」「上の言うことは絶対」などといった口コミが見受けられます。その他には「業務改善の意識が低くいつまで経っても効率が悪い」といった声もあります。古い体質が健在している風土なので、ビジネスマンというよりはサラリーマンであることが好まれる傾向にあるようです。しかしそのような中でも仕事においては、「日本国内だけではなく、世界を舞台に仕事をするスケール感と、それに対応する為に成長することが要求されるため、非常にやりがいがある」といった声もあります。グローバルな仕事、1回の契約で数十億を動かすといった仕事はやはり大きなやりがいを感じることができるでしょう。
商船三井は、安定しづらい業界の中でも、「自律自責」の信念で常に当事者意識を持ち、関係者と強調しつつ自ら進んで解決し、世界最高水準の安全とサービスを提供し、世界の海運をリードすることを目指しています。採用面接では、こうした社風にマッチした人材であるかが見極められるでしょう。
■選考は何次まで?
商船三井の中途採用では、海上社員と陸上総合職(事務系・技術系)の募集を行っています。海上社員の選考プロセスは、一般教養試験、職業適性検査、クレペリンテスト、面接試験という流れです。陸上総合職は、書類選考、面接選考(3回程)という流れです。面接官は、人事部の課長、部長、最後に副社長が担当するようです。内定までの選考期間は、概ね1ヵ月程度です。
コーポレートサイトには、人事部長のインタビューが掲載されてますので、確認するようにしましょう。またキャリア採用での求める人材像も記載されていますので、しっかり読み込むことも大切です。募集要項などの詳細も記載されていますので、よく確認し、なぜその職種を希望するのかしっかり伝えられるようにしましょう。
■面接内容の傾向は?
海運業では、広い視野をもつことを要求されます。常に新しい物差しで物事を推し量る必要があり、情報収集も国内外問わず欠かさず行うことも大切です。面接の際も「日本経済の状況について」「日本企業の課題」などを問われることもあるようです。日々様々な角度から情報収集し、研鑽していることなどをアピールできると良いでしょう。
また海上社員の面接では「何カ月も船上で過ごすことになりますが大丈夫ですか?」といった質問も投げかけられるようです。単純に「大丈夫です」と回答するだけではなく、ストレスをため込まない工夫や、普段の生活スタイルからの見解、海上社員の魅力をしっかり押さえ、何をもって「大丈夫です」とするのか明確に回答できるようにしましょう。
商船三井の企業理念、また採用ページの求める人材像のなかに、「自律自責型の人材」とあります。これまでの経験の中で、自分の強い意志、目標をもって臨んだこと、それがどのような結果をもたらしたのかなどエピソードがあれば紹介することで、アピールに繋がるでしょう。
商船三井の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
商船三井の面接攻略法(面接対策)
■商船三井の「経営計画(ローリングプラン)」を理解した上で自己分析をする
商船三井の面接を受ける上では、経営計画(ローリングプラン)を理解しておくことが不可欠です。主だった内容は以下となります。
経営計画(ローリングプラン)の概要
経営環境の変化が著しい状況下、商船三井グループの10年後のありたい姿と中長期的な経営の方向性を定め、それに基づき長期的な事業戦略を策定。
■商船三井グループが10年後目指す姿
相対的競争力No.1事業の集合体
■目指す姿を実現するための3本柱
1.海洋事業を中心に強み分野への経営資源の重点投入
2.顧客目線にたったストレスフリーなサービスの提供
3.環境戦略の推進とエミッションフリー事業のコア事業化
■主な取り組み
・従来より継続する5つの重点強化項目
「海技力」 海技力を活かしたサービス提供
「ICT」 洋上の見える化(安全運航と最適運航)と顧客への付加価値提供
「技術開発」 "船舶維新NEXT"プロジェクト推進(高度安全運航支援技術・環境負荷低減技術)
「環境・エミッションフリー」 外部環境の変化を先取りし、次世代の柱となる新事業として「環境・エミッションフリー事業」を推進・育成
「働き方改革」 生き生きと働ける組織風土により人的競争力向上とイノベーションの実現
商船三井の経営計画は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営計画に合致する人材であることをアピールしましょう。
商船三井は、海運事業に特化している点が強みとなります。海運分野の技術力においては、世界トップクラスといえるでしょう。この強みをさらに強化することも目標としてます。その上で顧客目線にたったストレスフリーなサービスの提供も目指しています。顧客と信頼関係を築き、日々変化する顧客のニーズに応えられるよう、新たな視点で挑戦していける人材が求められるでしょう。これまでの経験から、相手との信頼関係を築き上げ、相手の求めることを理解し、提案そして実行したことなどエピソードとして紹介すると良いでしょう。
また市況の影響や気象まで、日々様々な角度で変動する環境に、柔軟に対応する能力も大事になります。そして先を見据えた対応ができることも重要になるでしょう。どのような事態にも臨機応変に対応できる柔軟な対応力や的確な行動力などもエピソードを交えてアピールすると良いでしょう。
相手が求めていることを理解する観点と、変化の中でも先見性をもち、柔軟に対応できる人材であることをアピールすることが大切です。
■「なぜ商船三井に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
商船三井の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ商船三井か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、商船三井という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 日本郵船株式会社
- 川崎汽船株式会社
商船三井の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように商船三井の採用面接を受ける前には、経営計画(ローリングプラン)に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「"自律自責"の信念で常に当事者意識を持ち、関係者と強調しつつ自ら進んで解決し、世界最高水準の安全とサービスを提供し、世界の海運をリードする」という社風を意識して、「相手が求めていることを理解する観点と、変化の中でも先見性を持ち、柔軟に対応できる人材である」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
22歳女性/経営企画【結果:三次面接で不採用】
27歳女性/物流サービス【結果:一次面接で不採用】
31歳男性/社内SE【結果:一次面接で不採用】
37歳男性/海外営業【結果:入社】
商船三井の採用面接に向けて
商船三井の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「"自律自責"の信念で常に当事者意識を持ち、関係者と強調しつつ自ら進んで解決し、世界最高水準の安全とサービスを提供し、世界の海運をリードする」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- 商船三井の経営計画(ローリングプラン)を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ商船三井か」に対する応えを明確にしておく。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大学を卒業後、ビル衛生管理業務会社に入社。人事部で新卒採用を担当。選考会から内定者フォロー業務に従事。