今回取り上げる企業は、小型貫流ボイラの国内シェア5割超を担う、ボイラ業界のリーディングカンパニー「三浦工業」です。
2022年08月04日
【年収のなぜシリーズ】平均年収はどれくらい?年棒それとも月給制?ボーナスは年何回?などの給与体系についての素朴な疑問を、取材データや口コミの内容を通じてお答えします。
今回取り上げる企業は、小型貫流ボイラの国内シェア5割超を担う、ボイラ業界のリーディングカンパニー「三浦工業」です。
三浦工業の有価証券報告書によると、平均年収は672.1万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考に三浦工業の年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で430〜480万円、30歳代で610〜660万円、40歳代で760〜810万円となりました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.36倍の額です。
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 672.1万円 | 39.9歳 | 15年 | 3298人 |
2021年3月期 | 629万円 | 39.6歳 | 14.7年 | 3246人 |
2020年3月期 | 656.5万円 | 39.3歳 | 14.4年 | 3185人 |
2019年3月期 | 635.4万円 | 39.1歳 | 14.3年 | 3090人 |
2018年3月期 | 651.7万円 | 38.8歳 | 14年 | 3031人 |
出典:三浦工業・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
三浦工業の平均年収は前年を上回り672.1万円でした。
過去5年間では最高額になりました。
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 454.3万円 | 30.6万円 | 73.6万円 | 408.87万円 |
30代 | 627.8万円 | 41.8万円 | 101.8万円 | 565.02万円 |
40代 | 780.1万円 | 51.6万円 | 126.6万円 | 702.09万円 |
50代 | 922.3万円 | 60.8万円 | 149.7万円 | 830.07万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
入社年次および役職の有無による年収の違いを見ていきましょう。
入社後まだ役職もない頃は400万円から500万円、入社して10年から20年の課長クラスでは700万円前後、同じく20年から30年の部長・次長クラスでは800万円から1000万円前後です。
また、研究や開発、機械設計などの総合職と、本社での経理や企画、総務などのスタッフ業務といった一般職では、基本給に差があります。2018年4月時点の初任給は、
●総合職
修士了 23万4000円
学部卒 21万7000円
高専卒 20万2000円
●一般職
修士了 18万5000円
学部卒 18万5000円
高専卒 17万円
となっています。
実際の給与明細を見比べると、目安では見えてこなかった驚きの現実が!
三浦工業社員の給与明細(キャリコネ)
20代から30代で2倍近くもアップ!?
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賞与額の差がそのまま年収の差に!
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三浦工業の給料は、基本給に、交通費や家族手当、時間外手当、専門職手当、外務手当などの各種手当が上乗せされた形で支給されます。あまり聞き慣れない「外務手当」とは、愛媛県松山市にある本社以外に配属された場合に発生する、一律2万円の手当です。
また、賞与は他の人との比較による相対評価です。成績などでランク付けされ、ランクごとに賞与の傾斜が変わってきます。年収に対する賞与が占める割合は30%ほどとかなり大きいため、賞与の評価がどのランクになるかで、年収に大きな差が付きます。
口コミには年収の実態を如実に表す証言がありました。
三浦工業社員の口コミ(キャリコネ)
業界トップながら地方企業の相場に厳しい声も
「査定に関しては中途だからといって差別されるようなことはなかったと思います。 大手から転職してこられたリーダークラスの方は、地方の相場に… 」
査定は社内営業次第!?
「報酬については、同年代の人たちよりはもらえていると思います。貰っている給与額に関しては満足ですが、査定評価を考えると、もう少し…」
三浦工業の競合や同業界であるタクマ、昭和鉄工、ノーリツの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、三浦工業が672.1万円、タクマが856.1万円、昭和鉄工が624万円、ノーリツが649.7万円です。
この4社の中で最高額はタクマの856.1万円で、最低額が昭和鉄工の624万円。その差はおよそ233万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では三浦工業は2番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
タクマ | 856.1万円 | 42.9歳 | 14.9年 | 958人 | 1340.92億円 |
三浦工業 | 672.1万円 | 39.9歳 | 15年 | 3298人 | 1026.11億円 |
ノーリツ | 649.7万円 | 43歳 | 17.5年 | 2190人 | 1093.98億円 |
昭和鉄工 | 624万円 | 41.6歳 | 18.8年 | 374人 | 105.01億円 |
実際に働いた経験のある方の貴重な給与明細からは驚きの発見が!
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出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
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