山九の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
創業100年の歴史を持つ山九は、貨物自動車の運送事業や港湾における運送事業の他、国内だけに留まらず海外にも物流・機工・倉庫事業など多角的な物流サービスの提供をおこなっています。
そんな山九では、古い歴史を持つ”昔ながらの日本の企業”という風土がみられます。社員の行動指針である『社訓三原則』に記されている、「現場の汗を結集し強い企業であり続ける」という行動規範や「現場の知恵・汗を大切に」という経営目標からも分かるように現場主義が強い傾向にあります。そのため「基本的には男職場で、活発である」「夏まつりや野球大会などの会社行事が盛ん」という口コミからも分かる通り、職場には体育会系の気質が見られます。
そんな気質に合う、「新しい事に対して臆することなく、自らチャレンジできるアタック精神に溢れる人材」、「未知のものに対し好奇心を持ち追求・探求するバイタリティーさを兼ね備え、アグレッシブに行動できる人材」が山九では好まれる傾向にあります。
また山九では現場主義故に「実力がある者が認められる環境」である反面、昇格や昇進については昔ながらの年功序列の考え方が根付いており、業務の責任度に対して給与や手当てに不服が見られるケースもあります。
しかし一方で福利厚生においては「寮費が一万円以下」「カフェテリアプランがある」「通信教育等も受けられる」など安定して生活できるだけの、充実した制度があります。
国内のみならず、アジア圏を中心に海外に向けて新しい事業を展開する山九では、語学力や技術・経験など後から習得できる能力よりも、不屈のチャレンジ精神を持ち新しいことに挑戦し続ける。採用面接ではこういった社風にマッチした人材であることが見極められるでしょう。
■選考は何次まで?
山九の選考の流れは通常、「書類選考」⇒「1次選考」⇒「最終選考」の順で行われます。選考のステップが少ないので、面接日程などの調整がスムーズに進めば2週間ほどで結果が出る場合もあります。
「1次選考」では、部門責任者及び人事担当を含む4名、「最終選考」では、部門責任者と役員クラス、人事担当含め4~6名などの大人数で実施されるケースが多いようです。
また募集は本社採用と支店採用の2つに分かれます。
本社採用を希望する場合は、『技術系』と『事務系』の募集があります。
『技術系』では理系学部を卒業した経歴を中心に、現場第一線で活躍する人材が求められます。主な募集職種は、「技術管理・開発」「プラント建設」「電力関連設備の建設」「製鉄・石油・石油化学」「重量物輸送」「保全・整備」など、専門性に合わせて応募することができます。
一方『事務系』では、「物流企画」「労政」「システム開発」「輸出入業務」「総務」「倉庫管理」「港湾貨物」「経理」「経営企画」「人事」など、物流全体をコーディネートするメインを担当したり、支える部署に応募することができます。
支店採用を希望する場合は本社採用と異なり、『プラント系』『物流系』と大きく2つの部門に大きく分かれます。
『プラント系部門』においては、「新規プラント建設」、「重量物輸送既存プラントのメンテナンス」など。
また『物流系部門』においては、「 物流企画」、「港湾荷役」、「輸出入業務」、「工場内の生産管理」、「倉庫管理」、「運搬荷役」などの分野にそれぞれ分かれています。
さらに各支店において業務の内容が細分化されるため、専門性に合った職種をリサーチすることが大切です。
■面接内容の傾向は?
山九の面接では、志望動機やこれまでの経歴・経験、当社を知ったきっかけといったオーソドックスな質問が中心です。ただし、1次選考・2次選考共に面接官が4~6名と大人数での実施となるため、「圧迫面接に感じる」との口コミも多数みられます。物流関係さながらの体育会系なところもある山九では、メンタルやプレッシャーに強い人材かを面接を通してはかられます。
また面接での質疑応答の中で一番多く聞かれる質問に『なぜ、山九なのか』というものがあります。「純利益率が高く、リーマンショック後の売上下落がほぼみられなかったという”強み”を持っている」「アジア地域を中心に、海外での展開をしている」「他社と比較した中でも、特に山九は人材育成の強化がみられる」など”山九ならでは”の強みを交えながら、入社後に何がしたいかを具体的に述べられるよう、整理をしておきましょう。
山九のコーポレートサイトには採用方針というものが記載されており、意欲・チャレンジ精神旺盛であり、さらにバイタリティに溢れる人材を求めていることがわかります。つまり、現場服で額に汗して作業をすることが好きな人、海外などの新しい世界にも臆することなく常に今ないものを求めグローバルに活躍したい人材を求めています。これまでの経験や実績を山九が求めている人材に沿って伝えることで、面接官に「採用したい」と印象付けることができるでしょう。
山九の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
山九の面接攻略法(面接対策)
■山九の「中期経営計画/長期ビジョン」を理解した上で自己分析をする
山九の面接を受ける上では、「中期経営計画/長期ビジョン」を理解しておくことが不可欠です。「中期経営計画/長期ビジョン」ビジョンには以下のようなものがあります。
① 収益力向上
国内外の各部門において、費目別の原価率管理を徹底するや省人化・機械化や新工法の開発等による生産性向上を図り、マーケットにおいて「勝てる原価作り」を推進します。
② 人財強化
全体規模という広い視野を持ち、計画的に必要な人財を採用し、その教育に力を注ぎます。これまで脈々と培ってきた技術·技能・ノウハウを伝承し現場力を強化することで、さらに高品質なサービスを提供します。
③ 事業拡大
工場建設から構内における操業・メンテナンス、製品の物流や原材料まで、ワンストップのサービスを提供することができる『山九のユニーク』を武器として新しい事業領域にも進出し、グローバルに海外事業を拡大していくことを目指しています。
山九の「中期経営計画/長期ビジョン」は、今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの「中期経営計画/長期ビジョン」に合致する人材であることをアピールしましょう。
『中期経営計画/長期ビジョン』では、競合他社との競争力の強化に向けて「筋肉質な収益体質を構築すること」、グローバルサプライチェーンに貢献するために更なる「グローバル化を推進すること」を中長期的な課題として記しています。山九ではそれらを叶えることができる、タフな人材が求められます。
例えば、これまでの経験・実績の中で生産性向上に貢献できたエピソードを伝えることはもちろん、それまでの道のりを”具体”でアピールすることにより、山九が求めている『バイタリティに溢れる有用な人材』であることを、伝えることができるでしょう。
また事業拡大を『中期経営計画/長期ビジョン』の中で掲げている山九では、グローバルで活躍できる人材も強く求めています。海外での経験がある場合は、その経験が山九でどの様に活かされるのかを、面接官に印象付けることがポイントです。
たとえ海外での経験が無かったとしても、新しいことにも臆することなく、意欲がありチャレンジ精神に富んだ人材に高い評価をつける山九では、新規展開したプロジェクトや新しいことに挑戦したエピソードを伝えると同時に山九で新しく展開していきたいこと志望動機に織り交ぜながらアピールすると良いでしょう。
■「なぜ山九に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
山九の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ山九か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、山九という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社日立物流
- ヤマトホールディングス株式会社
- セイノーホールディングス株式会社
山九の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、山九の採用面接を受ける前には、『中期経営計画/長期ビジョン』に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「語学力や技術・経験など後から習得できる能力よりも、不屈のチャレンジ精神を持ち新しいことに挑戦し続ける」という社風を意識して、バイタリティに溢れる有用な人材であると印象付けられるよう、具体的な行動やエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[23歳・男性/研究開発] 【結果:内定辞退】
[27歳・男性/労務] 【結果:2次面接で不採用】
[24歳・男性/法人営業] 【結果:内定】
[30歳・男性/カウンターセールス] 【結果:1次面接で不採用】
山九の採用面接に向けて
山九の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 『語学力や持ち前の技術など後から習得できる能力よりも、自ら不屈のチャレンジ精神を持ちバイタリティに富んだ挑戦をし続ける』という社風を理解して、これに合致したバイタリティに溢れる有用な人材であることをアピールする。
- 山九の『中期経営計画/長期ビジョン』を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ山九で働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
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経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。