カプコンの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
社風は、社長自ら、社員の誕生月には生まれた年のビンテージワインをプレゼントしてくれるなど、社長と社員の距離が近く、アットホームな雰囲気のようです。また、職場の雰囲気は明るく、コミュニケーションも活発なため、仲が良く、同部門内での相談はしやすいようですが、他部門との連携となると、コミュニケーション不足が生じがちで効果効率的な業務遂行に課題を感じている社員もいるようです。
全社的に残業が推奨されていないため、比較的残業時間は少なく、繁忙期には残業や休日出勤があるものの振替休日の対応や残業代を与えるなど適切な管理がなされていると言えるでしょう。また有給取得もしやすいようです。
近年、女性社員の活躍支援の一環で独自にカプコンならではの保育所を設立したり、仕事と家庭を両立できるようにと様々な休暇の取得を推進したりするなど女性社員にとって働きやすい環境であるようです。また、年々男性社員の育児休暇取得者も増えており、男性にとってもワークライフバランスの実現が可能である様子が伺えます。
福利厚生に関しては、家賃や交通費の補助がないことに不満を感じている社員が散見されます。ただし、東京エリアの社員については都市手当が付与され、また若手社員(入社3年目まで)対象の寮がオフィスから片道1時間ほどのところに完備されているようです。報酬が同業他社と比較すると平均的またはそれ以下であるため、若手社員にとって各種補助制度に乏しい点は痛手のようです。
昇進・昇給については、従来の「年功序列」の考え方から、「実力主義」の考え方にシフトしてきているようです。評価については、1年に1度上司との丁寧な面談により査定が行われ、決定するようです。
ただし、全社的に上司に従順なイエスマンが出世しやすく、新たな企画を始めることにややハードルを感じている社員が散見され、実力主義にシフトしようとしている会社の動きに対する矛盾が感じられます。また、クリエイティブ系の職場では喫煙者が多いため、喫煙所で大切な話は決まり、非喫煙者よりも比較的出世しやすいという声も見受けられます。
同社は、風通しの良い職場環境で新しい発想やユニークな企画を生み出し、多様なゲームを用いて世界中のより多くの人々の心を豊かにすることに努めています。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
選考プロセスは、書類選考後2~3回程度の面接があるようです。人によって面接回数は異なるようですが、志望度合いを確認することを目的として3回以上行われる場合もあるようです。面接官は、希望職種の社員及び部長、管理部門の社員及び部長、最終面接では役員が担当することが多いようです。
募集職種は「プログラマー」「エンジニア」「デザイナー」などの「開発系」と、「人事」「マーケティング」「販売推進」などの「総合職」の大きく2部門に分かれており、その時々で募集職種は異なるため事前に会社ホームページの採用情報をしっかり確認しておきましょう。
■面接内容の傾向は?
問われる質問の特徴として「なぜカプコンなのか?」「なぜ前職を辞めたのか?」などといった「志望の度合い」を測る質問が多いことが挙げられます。また、ゲームに対する想いや考え方、価値観を問う質問のほか、働くうえで大切にしていることを問うことで同社で働く人材としてフィットしているか否かを確認しているようです。例えば、「仕事の品質と納期ではどちらが大切か?」「部下が悩んでいる場合にどのように対処するか?」などといった質問が過去に問われています。
書類選考では、開発職においてはデザイン画やゲーム制作などのクリエイティブ課題が課せられることがあり、スキルを測ることもあるようです。
カプコンの面接攻略法(面接対策)
■カプコンの中長期経営戦略を理解した上で自己分析をする
カプコンの面接を受ける上では、中長期経営戦略を理解しておくことが不可欠です。それぞれ重要項目として、以下を掲げています。
これは、同社の持続的な成長の実現のために必要不可欠な価値基準といえます。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの考え方に合致する人材であることをアピールしましょう。
上記戦略から、「既存主力ゲームの多様な形でのマルチ展開」と「新規カスタマーの積極的な獲得」に注力しており、「オリジナリティ」「革新性」「やりぬく力」「探求心」のある人材が求められていると言えるでしょう。
面接時には、前職で独自の強みとしていた技術や自身が手掛けた作品などでカプコンにはまだ取り入れられていない商品・サービスがあれば具体例を挙げて、「入社後〇〇が実現できます!」「〇〇の仕組みを取り入れたら、新規カスタマーの獲得につながると考えています!」のように熱い思いを伝えることで、強いアピールになるでしょう。
また、同社は今後の成長に向けて海外展開を重点戦略として掲げていることから、もし入社した場合、海外に向けてどのような商品やサービスをどのように展開していきたいかなどの考えを具体的に伝えられるように分析して準備しておくことで、同社にとって欲しい人材として高く評価されるでしょう。
■「なぜカプコンに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
カプコンの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜカプコンか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
同社は、ゲームを通じて感動を与えることを理念としていることから、ゲームへの熱い想いや考え、同社及び、同業他社が保有する商品やサービスの知識についてもあらかじめ準備しておくと良いでしょう。
業界理解や職種理解の枠を超えて、カプコンという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 任天堂株式会社
- 株式会社バンダイナムコエンターテインメント
- 株式会社セガホールディングス
カプコンの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、カプコンの採用面接を受ける前には、中長期経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「風通しの良い職場環境で新しい発想やユニークな企画を生み出し、多様なゲームを用いて世界中のより多くの人々の心を豊かにする」という社風を意識して、「オリジナリティ」「革新性」「やりぬく力」「探求心」のある人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[30代前半・男性/社内SE] 【結果:入社】
[30代後半・女性/ゲームプランナー] 【結果:入社】
[20代前半・女性/CGデザイナー] 【結果:1次面接で不採用】
[20代前半・男性/CGデザイナー] 【結果:1次面接で不採用】
カプコンの採用面接に向けて
カプコンの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「風通しの良い職場環境で新しい発想やユニークな企画を生み出し、多様なゲームを用いて世界中のより多くの人々の心を豊かにする」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
- カプコンの中長期経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜカプコンか」に対する答えを明確にしておく。
グローバルウェイ エージェントについてお知りになりたい方はこちらのサイトをご覧ください。こちらからでも登録できます。
「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
筑波大学卒業後、大手食品メーカーに入社。人事部、広報宣伝部に配属。ダイバーシティ推進、制度の改革や研修企画などに従事。英国在住。