「eスポーツ銘柄」で始めるテーマ投資 オンラインゲーム関連株は1年で6割の値上がり

「eスポーツ銘柄」で始めるテーマ投資 オンラインゲーム関連株は1年で6割の値上がり

ビデオゲームで対戦競技を行う「eスポーツ」は競技者も観戦者も急増中。ソニーやカプコン、スクエニ、コーエーテクモなどの株価は1年間で平均60%も上がっています。関連銘柄を手軽にまとめて取引できるサービスのメリットと留意点をあわせて紹介します。


1.eスポーツって何?

「eスポーツ」とは、格闘やシューティングなどの対人コンピューターゲームが競技化されたものです。

日本での認知度は低いのが現状ですが、海外ではすでにスポーツの一種として認知されており、オリンピック競技への採用も検討されています。2018年のアジア競技大会の公開競技では、eスポーツ日本代表が初の金メダルを獲得しました。

現在ではパソコン関連メーカーをはじめとする企業がスポンサーとなり、プロチームやプロリーグが発足し、世界トッププレーヤーの中には数十億円規模で稼ぐプレーヤーもいるとのことです。

競技者や視聴者の増加、放映権ビジネスやスポンサーなどへの波及効果などを考えると、市場は今後さらに拡大する可能性がありそうです。

ポイント

米調査会社Newzooは、世界のeスポーツ市場は、2015年度の3億2500万ドルから、2023年には15億5820万ドルへと4.8倍に増加すると予想されています。
なお、2018年11月に開かれたオンラインゲーム「League of Legends」の世界最強チーム決定戦は、優勝賞金およそ7億2000万円。決勝戦は19言語、30以上のプラットフォームやTV番組で中継され、ユニークビューワー数9960万人、最大同時視聴者数4400万人を記録しました。

2.eスポーツ銘柄にはどんなものがあるの?

例えばSBI証券のテーマ投資サービス「テーマキラー!」eスポーツカテゴリーに選ばれている銘柄は、次の10本です。

銘柄 事業概要
1 ソニー(6758) グローバルな巨大事業複合体。PlayStationを中心としたゲーム事業が業績をけん引
2 カプコン(9697) ゲーム会社。「ストリートファイター」「バイオハザード」などが世界的人気
3 サイバーエージェント(4751) ゲーム事業が3事業の1つ。「グランブルーファンタジー」などゲームアプリ中心。過去にはABEMAにゲームチャンネルも
4 デジタルハーツホールディングス(7832) ゲームなどのデバッグを提供
5 スクエア・エニックス・ホールディングス(9684) ゲーム会社。「ファイナルファンタジー」シリーズなど
6 MCJ(6670) ゲーミングPCやモニタの製造販売、ネットカフェ運営など
7 コーエーテクモホールディングス(3635) ゲーム会社。「信長の野望」「三國志」シリーズなど
8 エレコム(6750) PC周辺機器のファブレスメーカー。ゲーミングデバイスも販売
9 Jストリーム(4308) ネットコンテンツ配信の通信インフラ提供事業者
10 KADOKAWA(9468) ゲーム雑誌のほか、傘下に角川ゲームスや「ニコニコ動画」のドワンゴなど

*SBI証券のテーマ投資サービス「テーマキラー!」のeスポーツカテゴリーより

ゲーム会社が目につきますが、ファミ通ゲーム白書 2020が4月6日に実施した調査によると、「家庭用ゲーム機によるゲームをする時間が増えた」とする回答者が約半数にのぼり、費やした時間がコロナ後に最も増加したエンタメとなっており、追い風が吹いています。

ポイント

挙げられた10銘柄の中には、ゲーム機やゲームソフトの制作に直接関わっていないものの、今後のオンラインゲームの盛り上がりが、業績や株価に影響を与えそうな銘柄も選ばれています。
eスポーツ市場は日本ではまだ確立されていないこともあり、将来市場が動いたときに影響を受けそうな銘柄を先んじて幅広くカバーしているといえるでしょう。

3.eスポーツ銘柄の最近の値上がり率を見る

SBI証券のテーマ投資サービス「テーマキラー!」によると、eスポーツ銘柄の直近1年間の値上がり率は+58.38%(2020年8月20日現在。以下同じ)。

前日の段階では60%を超えており、やや下がってはいるものの、東証一部上場銘柄を対象とした東証株価指数(TOPIX)の+6.79%と比較すると、その値上がり率の高さが分かります。各銘柄の1年間の騰落率は高い順に次の通りです。

・Jストリーム:+613.19%
・コーエーテクモホールディングス:+101.22%
・KADOKAWA:+76.10%
・カプコン:+72.94%
・スクエア・エニックス・ホールディングス:+62.53%
・ソニー:+40.05%
・MCJ:+35.73%
・サイバーエージェント:+31.40%
・エレコム:+23.06%
・デジタルハーツホールディングス:-5.86%

個別銘柄を見ても値上がり率が高いものが多く、特にJストリームは株価が525円から3730円へと7.1倍の高騰となっています。

一方、ゲームなどのデバッグを提供するデジタルハーツホールディングスはマイナスで、TOPIXの値上がり率を下回っています。

しかし、直近1年間でマイナスになっている銘柄が、今後急上昇しないとも限りませんし、周辺銘柄を広めに取る場合には将来大化けする可能性のある」銘柄も含まれる可能性があると考えておくべきでしょう。

4.テーマ投資のメリット

旬のテーマを選ぶだけで複数の企業に簡単に投資ができるテーマ投資について、SBI証券のテーマ投資サービス「テーマキラー!」を例にメリットを整理します。

(1) 知らなかった銘柄に出あえる

「テーマキラー!」にはあらかじめテーマに沿った銘柄が10個選ばれています。テーマの選別、構成銘柄は、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドの独自の市場、銘柄分析に基づいて選定されています。

テーマに直接間接に関わるものが集められているので、一般に知られていない有望銘柄や、テーマに関係あると意識されにくい銘柄などに出あう機会になります。

*Jストリームの直近1年間の株価推移

ポイント

例えばソニーを「総合家電メーカー」としか認識していない人は、eスポーツ銘柄としてソニー株を購入しない可能性が高いでしょう。
また、一般に知られていない東証マザーズのJストリーム株を組み入れることで、大きな値上がりを得ることができます。

(2) 少額から投資できる

会社ではなく有望なテーマから投資先を選べる「テーマキラー!」は、5万円という少額から投資ができます。通常100株からしか購入できない銘柄でも1株から購入可能で、あらかじめ選ばれた10銘柄の中から金額以内で自由に組み合わせができます。

例えばeスポーツの5万円コースでは、ソニー(8354円)が2株、カプコン(5010円)が2株、サイバーエージェント(5880円)が1株、デジタルハーツホールディングス(964円)が4株、MCJ(961円)が4株、計4万308円分の組み合わせが提示されます。

また、実際の注文入力の際には、購入目安額4万8972円以内におさまる範囲で購入銘柄を入れ替えたり、数量を変更したりすることができます。

単元未満株(S株)とは|SBI証券Icon outbound

https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/?OutSide=on&_ControlID=WPLETmgR001Control&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&burl=search_domestic&dir=fraction%2F&file=domestic_fraction_01.html&cat1=domestic&cat2=fraction&getFlg=on

通常、株の取引は単元単位(1単元=100株)でしか行えませんが、単元未満株(S株)取引は、1株(単元未満)からお取引が可能なサービスです。単元未満株(S株)なら1株から取引可能なため、少額から取引ができます。

(3) 配当金がもらえる

「テーマキラー!」は単元未満株(S株)を組み合わせたサービスです。株式を購入しても1単元には満たないので議決権は得られませんし、株主優待も受けられませんが、配当金は1株から受けられます。

とはいえ、額はわずか。例えばソニーの年間配当金は年2回で、2020年3月期実績は45円。5万円コースでは合計でも数百円の範囲にとどまるでしょう。

(4) NISA口座やつみたてNISA口座が使える

「テーマキラー!」はNISA口座での買付が可能なので、NISAをうまく活用することで「テーマキラー!」で得た利益を非課税にすることができます。テーマ別投資でNISAが使えるのはSBI証券だけです。

なお、NISAとつみたてNISAのどちらを選べばいいのか分からないという人には、リンク先の「簡単診断」が参考になります。

「簡単!NISA診断」 あなたは、NISA? つみたてNISA?|SBI証券Icon outbound

https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_nisa&cat1=nisa&cat2=none&dir=info&file=nisa_chart.html

あなたはどっち? 「つみたてNISA」 vs 「NISA」 年間に投資できる金額が120万円で、国内株や外国株式等にも投資できるNISAに対して、年間投資額は40万円と少ないものの、長期投資に向いている「つみたてNISA」。 比較表なども参考にどちらにするか、ご自身の投資スタイルを考えながら決めていきましょう!

5.テーマ投資のリスク・留意点

SBI証券のテーマ投資サービス「テーマキラー!」の留意点を整理します。

(1) 銘柄ごとに取引手数料がかかる

「テーマキラー!」の購入には、銘柄ごとに売買代金の0.55%(税込み)、最低手数料55円(税込み)の手数料が必要です。10銘柄の取引では10倍の550円(税込み)以上になります。

通常の単元未満株を購入する手数料と同じですが、少額で多銘柄を取引することになるので留意しておく必要があります。

(2) テーマが崩れると共倒れするおそれも

テーマ投資は、特定のテーマに追い風が吹くと、複数の銘柄が同時に値上がりする可能性があります。しかし逆に言うと、特定のテーマに向かい風が吹くと、同時に値下がりし共倒れとなるおそれがあります。

テーマ投資を行う際には、「テーマに対するネガティブな動きが生じている場合には早めに売る」という対応が必要になります。

ポイント

例えば「自動運転車」というテーマは、世界の自動車メーカーに注意される新技術です。実現すれば大きな市場となるはずでしたが、コロナ禍の影響で自動車産業が壊滅的な打撃を受けたため、関連銘柄の業績と株価が落ち込みました。
この結果、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、デンソーなど10銘柄を揃えた「自動運転車」の直近1年間の騰落率は、マイナス3.78%となりました。
また、同じコロナ禍要因で、リゾートトラストや富士急行、エイチ・アイ・エスなどを揃えた「旅行」というテーマの騰落率もマイナス26.93%と大きく落ち込んでいます。

5.テーマ投資を始める方法

テーマ投資を始めるには、証券口座を開いて投資資金を準備することが必要です。それができたら、投資したい「テーマ」を選び、「銘柄と株数」を決めれば完成です。

(1) テーマを選ぶ

まずは気になるテーマを選びます。テーマの選別や構成銘柄は「みんなの株式」「株探」を運営する株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドの独自の市場・銘柄分析に基づいて選定。テーマは毎月1回更新され、同じテーマであっても月によって構成銘柄や比率が異なる場合があります。

直近1年間の騰落率が高いテーマに投資することがいいようにも見えますが、すでに上がりきって上昇の余地が小さくなっているかもしれません。まずは自分の感覚で「これからも伸びるのでは?」と思えるテーマを選んでみましょう。

ポイント

現在、ポストコロナ関連テーマとして、デジタルトランスフォーメーション(直近1年の騰落率:+83.38%)、ワクチン(+24.68%)、新型肺炎(+33.63%)が挙げられています。
8月の「今月の新着テーマ」は、旅行(-26.34%)、グローバルニッチ(+65.19%)、クラウドファンディング(-1.64%)、防災(+18.66%)、有機EL(+56.83%)の5つです。

(2) 銘柄と株数を決める

「テーマキラー!」でテーマを選ぶと、投資候補の10銘柄と、購入コースの金額の範囲内で買える数量(株数)が提示されます。

5万円コースの場合、購入目安額は4万9152円。この範囲内で、銘柄と株数を組み合わせて購入ボタンを押します。これで購入は完了です。

ポイント

例えばeスポーツの5万円コースでは、初期値が、ソニー(8354円)2株、カプコン(5010円)2株、サイバーエージェント(5880円)1株、デジタルハーツホールディングス(964円)6株、MCJ(961円)4株という構成になっています。
このまま購入することも可能ですが、金額の範囲内で数量を変更することができ、例えば、サイバーエージェントとエレコム(5170円)を入れ替えたり、ソニー2株をやめてコーエーテクモホールディングス(4340円)を4株にしたりすることもできます。

簡単テーマ投資 テーマキラー!|SBI証券Icon outbound

https://go.sbisec.co.jp/main/service/dstock/index_theme.html

SBIだからできる新感覚株式投資「テーマキラー!」。旬の話題や注目の技術などの投資テーマからサクッと選んで、気軽に投資する事ができます。投資をもっと楽しくシンプルに。テーマキラー!で、投資の一歩を踏み出しましょう!

ポイント

株式を購入する際には「預り区分」として「一般預り」と「特定預り」を選択する個所があります。
・特定口座を開設している場合には特定預り
・特定口座を開設していない場合には一般預り
を選んでください。
なお、特定預りで買付・保有している株式を売却した際には、証券会社が損益計算を行います。一般預りの場合は、証券会社で損益計算をしないので、自分で確定申告を行う必要があります。
特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があります。給与所得者や年金取得者は年間20万円以下の利益については原則として申告・納税が不要ですが、「源泉あり」を選択すると税金が引かれてしまうので注意が必要です。
このほか、NISA口座を開設済の場合、預り区分で「NISA預り」を選択することができるのでそちらを選んでください。

なお、株式を購入するためには、必要な金額をあらかじめ銀行口座から証券口座へ入金しておく必要があります。

事前の入金がないと「買付余力が不足しております」というアラートが表示されます。振込手数料は無料(証券会社負担)。24時間利用が可能で買付余力への反映は即時です。ぜひ試してみてくださいね。

 
*この記事は株式投資の方法等の説明を目的として作成したもので、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものではなく、将来の運用成果等を保証するものでもありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

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