三菱マテリアルの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
三菱グループにおいて、御三家に次ぐ中核企業として存在する三菱マテリアル。銅加工事業・金属加工事業・アルミ事業・セメント事業などを主軸に数多くの製品を生産する同社。岩崎弥太郎による鉱山事業をルーツに持ち、日本の近代化にも重要な役割を果たしてきた名門であり、近年発覚した品質不正などの不祥事から企業としての信頼をどのように回復していくかが注目されています。
そんな三菱マテリアルの口コミを見ると、待遇や福利厚生制度を評価する社員が多いことが分かります。他社と比較して給与水準はそれほど高くはないものの、有給休暇の取得が推奨されていたり、寮や社宅制度、病気の際の補償制度が充実していたりと、社員が安心して働ける環境があります。
一方、口コミには「年功序列」「堅い」「古い」などのキーワードも並びます。歴史ある企業ゆえの体質の古さや、業種柄も反映してか女性の進出が遅れている点、昇進は年功序列で学歴も無関係ではない点、などに違和感を覚える人もいるようです。安定的な労働環境により、安穏と仕事に取り組む社員が存在することに不満の声もあがります。しかし、こうした古い企業風土に対して、不祥事発覚後の2018年に就任した小野社長のもと、改革の動きが見られます。社内コミュニケーションの改善や公正性の向上など、全社的取り組みに期待がかかります。
三菱マテリアルには、体質の古さはあるものの社員を大切にする社風があり、改革の兆しもうかがえます。採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考通過後、複数回の面接があります。部署や職種によって面接官の職位は異なり、「部署のメンバー全員が面接の場にいた」という人もいました。また、2次面接終了までに3か月を要したという口コミもあり、スピーディな選考を望む場合にはその旨を先方に伝えておく必要があるでしょう。
2019年12月現在、三菱マテリアルでは資源事業の分野で探鉱などの従事者や企画・管理職者を募集しています。資格や語学はもちろん問われますが、口コミによると選考は人物重視で行われるようです。事前にしっかりと対策をして臨みましょう。面接内容の傾向についての詳細は次項をご覧ください。
■面接内容の傾向は?
「なぜ当社に入社したいのか?」「当社についてどう考えているか」など、中途採用面接としては基本的な質問によって、どれだけ企業研究をしているかを問われることが多いようです。入社への意欲を伝えるには、三菱マテリアルについての知識を深め、それをアピールすることが最も効果的です。企業研究はしっかりと行いましょう。
「苦手な社員にどう接するか」と質問された人や、「3分間の自己アピール」を求められた人もいました。応募者の人柄や考え方を見る傾向があります。歴史ある企業ゆえに社員の年齢層も幅広く、周りの社員にうまくなじめる人物であるかどうかは重要なポイントです。特に「企業は人なり」をスローガンに組織風土改革に取り組む三菱マテリアルでは、今後も人物重視傾向は継続すると思われます。「求める人物像に合致する人材」「一緒に働きたい人材」だと印象づけられるよう、自分の人柄を表すエピソードの選定はじっくり行いましょう。
また、「尖閣諸島の問題についてどう思うか?」など、時事問題に対する考え方を問われることもあります。三菱マテリアルでは海外での事業展開とそれに伴う海外赴任も多く、そうした職種では国際問題についての知識は必須です。普段からアンテナを高く張り、得た情報をもとに自分なりの見解を持つ習慣をつけましょう。
三菱マテリアルの面接攻略法(面接対策)
■三菱マテリアルの経営戦略を踏まえた自己分析
面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。三菱マテリアルでは、以下のように長期経営方針を掲げています。
企業理念が反映されたビジョンを、長期経営方針に沿った経営によって実現する構造であり、それを具体化した中期経営戦略を3カ年サイクルで打ち出し、毎年見直しを行っています。現在取り組み中の中期経営戦略(19中経:2017~2019年度)の概要は次のようになっています。
「成長への変革」をテーマに、2015年以降取り組んできた組織風土改革路線を踏襲、ソフト・ハード両面での全社的改革とコーポレートガバナンス強化を進めるとともに、一連の不祥事からの信頼回復を図ります。
事業戦略面では、顧客ニーズを的確に捉えるためのマーケティング戦略と成長戦略を重視し、全事業において変革や事業競争力強化に取り組み、投資戦略によって市場での存在感をも強めたい考えです。
また、三菱マテリアルでは変革の一環として、人材戦略による組織風土改革や制度の改良にも取り組む姿勢です。これまでの旧態依然とした体制を脱却し、多様性に富み、柔軟かつ公正な組織へと体制への変化を目指します。組織風土改革においては「企業は人なり」をスローガンにしており、中途採用でも「公正な企業構成員として相応しい人格と目標実現力を持った人物」「三菱マテリアルの成長のため、ともに改革を成し遂げられる人物」が求められていると言えるでしょう。したがって、採用面接に臨むにあたっては、経営戦略(長期経営方針および中期経営戦略)をしっかりと理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要です。
■「なぜ三菱マテリアルに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
三菱マテリアルの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ三菱マテリアルか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人物は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、三菱マテリアルという企業についてしっかりと理解する。そのためには競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社神戸製鋼所
- JX金属株式会社
三菱マテリアルの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように三菱マテリアルの採用面接を受ける上では、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「古い体質は残るものの、社員を大切にする社風と改革の兆し」を意識して、「現在の組織になじみながらも、三菱マテリアルの成長に向けた戦略と改革に取り組める人材」であると印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくといいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半・男性/技術関連職【結果:3次面接を辞退】
20代後半・男性/代理店営業【結果:2次面接で不採用】
20代後半・女性/法務【結果:入社】
20代後半男性/法人営業【結果:2次面接で不採用】
三菱マテリアルの採用面接に向けて
三菱マテリアルの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「古い体質は残るものの社員を大切にする社風と改革への兆し」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- 三菱マテリアルの長期経営方針および中期経営戦略を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜ三菱マテリアルなのか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。
大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。