SBIホールディングスの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
ソフトバンクの金融子会社として誕生、金融規制緩和とインターネット革命の波に乗って成長してきたSBIホールディングス。独立してSBIグループを形成した後も金融系複合企業としての独自路線経営が奏功し、中でもSBI証券は国内インターネット証券最大手の座にあります。
そんなSBIホールディングスの口コミからは、トップダウン傾向の強い個性的な社風が浮かび上がります。グループ創業者でもある北尾社長のカリスマ性によるところが大きい経営方針や、ベンチャー気質と日本的社風の交じった企業風土に違和感を覚える社員が少なからずいる様子。上司の人柄や部署のカラーによって仕事への評価が異なることに不満を抱く人がいたり、「経営トップ層と近い人が評価されやすい傾向がある」という内容の口コミも見受けられたりと、評価基準が一定でない面もあるようです。その一方で、「自分で手をあげればやりたいことをすることができる」「若くても仕事を任せてもらえる」と、ベンチャー気質の残る環境にやりがいを感じる社員も。意識を高く持って仕事に取り組み、その意欲と成果をアピールできる人には適した企業風土と言えるでしょう。
トップダウン傾向は強いものの、意識を高く保つことでやりがいを感じられる。採用面接では、こうしたSBIホールディングスの社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
書類選考通過後、複数回の面接があります。コーポレートサイトによると内定までは1.5~2か月程度かかることが多いようです。
2019年12月現在、SBIホールディングスでは各グループ会社を含め、多数の職種で中途採用を行っています。口コミによると、面接では人物評価とともに、入社後の仕事に対する姿勢や意欲が問われるようです。希望する職種において、自分のどのような面が活かせるのか、またそれを面接の場でどのようにアピールするのが効果的か、事前にしっかりと対策をして臨みましょう。面接内容の傾向についての詳細は次項をご覧ください。
■面接内容の傾向は?
口コミによると、奇をてらった質問はあまりなく、質疑応答を重ねることで応募者の人柄を見る傾向があるようです。「趣味について聞かれた」という人は「人当たりの良し悪しがポイントだったと思った」と振り返ります。中途採用面接ではオーソドックスな質問については事前に回答を整理して準備しておくと落ち着いて対応できます。
「仮想通貨の今後についてどう思うか?」「(あなたにとって)『働く』とは?」など、仕事に関する情報へのアンテナの高さや考察力、仕事についての考え方や意欲について問う傾向も見られます。中途採用者が多い企業であること、社員個人の裁量が比較的大きいことなどから、入社後は即戦力として自発的な働きが求められます。これまで培ったスキルや、仕事への意欲をしっかりアピールできるように、経歴やSBIホールディングスでやりたいことについて整理して語れるようにしておくとよいでしょう。
また、選考過程に必ず社長面談があるとの口コミもあり、北尾社長の著書に目を通しておく必要があります。付け焼き刃の知識ではなく、内容を咀嚼し、自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
SBIホールディングスの面接攻略法(面接対策)
■SBIホールディングスの経営戦略を理解した上で自己分析をする
SBIホールディングスの面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。
SBIホールディングスでは、2018年から5年間のビジョンを以下のように設定し、そのための事業展開の方針も発表しています。
ICTを駆使した革新的な金融サービスで成長してきたSBIホールディングス。その技術力をもって金融以外の分野へも参入することで、さらなる社会変革を起こしたいというのが今後の事業方針です。これまでSBIホールディングスの成長を可能にしてきた金融テクノロジーを「フィンテック1.0」と名づけ、現在構築中の技術を「フィンテック1.5」とする同社は、新たなファンド設立やビジネスモデルの改良によりこれから「フィンテック2.0」への技術的移行を目指します。
具体的施策としては「キャッシュレス化への対応」「若年層ユーザーの獲得」「地域金融機関との提携強化」などが挙げられます。中長期的成長の牽引役と目されるバイオ関連事業では、有用性が認められた物質の活用に向けて、米国FDAとの協議を進めていく方針であり、今後の展開が待たれるところです。また、事業が多岐にわたり、傘下企業の価値が分かりづらい点を解消すべく、グループ会社の新規株式公開戦略も積極的に進めていく考えです。すでに2018年にはSBIインシュアランスグループが東証マザーズに上場しています。
また、社員が長期的目標と事業方針を意識的にとらえて共有するために、SBIホールディングスには上図のような経営理念が存在します。SBIホールディングス流の「企業としてあるべき姿」を明文化したこの経営理念は、北尾社長のスピリットが存分に発揮されています。中途採用においても、「経営理念に則った行動をベースに、事業方針に沿った仕事ができる人材」が求められていると言えるでしょう。したがって、採用面接に臨むにあたっては、経営戦略(ビジョン・事業方針および経営理念)をしっかりと理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要です。
■「なぜSBIホールディングスに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
SBIホールディングスの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜうちの会社なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、SBIホールディングスという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 株式会社大和証券グループ本社
- 株式会社岡三証券グループ
- マネックスグループ株式会社
- GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
SBIホールディングスの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、SBIホールディングスの採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「トップダウン傾向は強いものの、意識を高く保つことでやりがいを感じられる社風」を意識して、「ビジョン・事業方針および経営理念を理解し、自律的に努力できる人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
[20代前半・男性/代理店営業] 【結果:二次面接で不採用】
[20代後半・男性/管理関連職] 【結果:最終面接で不採用】
[30代前半・男性/その他] 【結果:一次面接で不採用】
[20代前半・男性/法人営業] 【結果:入社】
SBIホールディングスの採用面接に向けて
SBIホールディングスの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「トップダウン傾向は強いものの、意識を高く保つことでやりがいを感じられる社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
- SBIホールディングスのビジョン・事業方針および経営理念を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜSBIホールディングスなのか」に対する答えを明確にしておく。
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大阪大学文学部卒業後、インフラ系SIer、大手信用調査会社、製薬会社で総務畑を歩む。企業を俯瞰的に見るのが得意。