【面接対策】NTNの中途採用面接では何を聞かれるのか

2018年に創業100周年を迎えた老舗ベアリングメーカー、NTN。一般的な知名度は高くはないものの、業界では大手3社の一角として確固たる地位を築いています。ベアリングは機械系産業においては米にたとえられるほど欠かせない部品のため、部品供給先は多岐にわたり、それがNTNに企業としての安定性をもたらしています。

そんなNTNの口コミには「残業管理が徹底されている」「コンプライアンス意識が高い」「有給休暇が取りやすい」「（社員が）かなり守られている」といった内容が多く見られ、社員の健康と安全に配慮した労働環境が用意されていることがうかがえます。福利厚生も充実しており、女性管理職も多く、男女問わず育児休暇取得による不利な扱いを受けないなど、長く働くことができる環境を評価する社員が多いようです。「年功序列」との口コミもあるものの、昇進に男女の別による差はなく、平等な評価基準が存在するという声も多く見られます。しかし、ベアリング業界で安定した需要を見込める企業ならではの安定した環境のためか、安穏と仕事に取り組む社員もいるようで、「責任ある仕事をしていない人でも給料がもらえている」という不満の声も。こうした安定性重視の企業風土が合うか合わないかは、個人の志向や姿勢によると言えるでしょう。

NTNには「年功序列な面もあるが、社員を守る制度が多く整備されるなど労働の安定を重視する社風」があります。こうした社風に合うかどうかは、中途採用において採用者側が見極めたい重要なポイントとなります。

書類選考通過後、通常2回の面接と筆記試験があります。「選考の進み方が遅い」という口コミや選考の結果が出るまでに3か月以上かかったという人も見受けられるため、その心づもりをしておくか、スピーディな選考を希望する場合はその旨を先方に伝えておく必要があるでしょう。

現在、NTNでは本社での財務経理職や磐田製作所での電気制御エンジニア職で中途採用を行っています。口コミによると、面接は応募者の人物理解と仕事への姿勢の両方を重視する傾向にあります。スキル面でのアピールはもちろんのこと、自分の人となりや入社にかける熱意をどのように面接で伝えるのが効果的か、事前にしっかりと対策をして臨みましょう。面接内容の傾向についての詳細は次項をご覧ください。

コミュニケーション能力を含め、応募者の人物理解を重視する傾向が見られます。「志望動機は？」「社会人にとって大切なことは？」「これまでの仕事の中で誰にも負けないと思うことは？」など、質疑応答を重ねる中で応募者がどのような人間であるかを掘り下げることが多いようです。自己分析は徹底して行い、予想される質問に対しては回答を準備しておくと役立ちます。人物をよく表すエピソードをいくつか用意しておくのも効果的です。入社への意気込みを伝えるには、NTNについての知識を深め、それをアピールすることが最も効果的なため、企業研究もしっかりと行いましょう。「面接が始まるや否や1分間の自己アピールを求められた」という人もいました。コミュニケーション能力や臨機応変さも見られているようです。こうした質問をされるかもしれないと心の準備をし、面接室に入室後は落ち着いて対応するように心がけましょう。

また、「法務部はいらないという意見についてどう思うか？（法務部への応募者への質問）」「仕事をする上で大事にしていることは？」など、仕事への意識や姿勢を問う傾向も。中途採用では、入社すればすぐにプロフェッショナルとしての働きを要求されるため、それに耐えうる能力や考え方の軸を持っているかどうかは重要なポイントです。自己分析の一環として自分なりの仕事への考え方や軸をまとめておくとよいでしょう。「仕事をする上で自分が重要視しているものは何か」を列挙してみるのも有効です。整合性が取れた回答になっているか、最終チェックも怠りなく行いましょう。

面接に臨む前に必ずおさえておきたいのがNTNの中期経営計画「DRIVE NTN100」（2018～2021年度）です。2018年、創業100周年を機に「世界をなめらかにする仕事。NTN」というコーポレートスローガンを掲げるNTN。下図のような長期ビジョンを発表しています。

企業理念を行動指針に則って実現することで、従業員や顧客だけでなく社会全体を「なめらかにする」ことに貢献し、世界中でブランド力を発揮することがNTNの「あるべき姿」（長期ビジョン）として設定されています。

こうした長期ビジョン実現のための取り組みが「DRIVE NTN100」です。「新しい100年へ向けた事業変革の加速」をテーマに、基盤商品の収益性向上・基盤事業の拡大・販促強化などによる競争優位性の向上、コアコンピタンス活用や外部連携による新領域への進出、経営基盤の強化、の3本柱で事業展開していく方針です。

「『もの造り企業』から『モノとコトを通じて顧客へ価値を届ける企業』へ」の成長を目指すNTNは、ESG課題への取り組みにも積極的です。事業面での成長だけでなく、環境や社会への影響も考慮した事業展開を行うことで、持続可能な社会に貢献する「社会で価値を発揮する企業」への成長を目指す姿勢です。

この「DRIVE NTN100」の根底にはNTNの企業理念が存在します。長期ビジョンにおいても、NTNの企業理念が世界中に浸透することが目指されています。中途採用でも「『DRIVE NTN100』を理解し、製品づくりを通じて国際社会に貢献できる人材」が求められていると言えるでしょう。したがって、採用面接に臨む際は中期経営計画「DRIVE NTN100」および企業理念をしっかりと理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要です。

NTNの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜNTNか」というものがあります。志望動機を問うことで面接官が知りたいのは「入社後に何がやりたいのか」「これまでのキャリアをどのように活かすつもりなのか」といったキャリアビジョン的要素を含め、「どれだけ企業研究をしてきたか」「どれくらい当社のことを理解しているか」ということであり、これらは入社への意気込みと今後の仕事への熱意を計る判断材料となります。

業界理解や職種理解の枠を超えて、NTNという企業についてしっかりと理解する。そのためには競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、ベアリング製造分野において競合する以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

• 日本精工株式会社
• 株式会社ジェイテクト

NTNが目指している方向性や、どういった人材を欲しがっているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。NTNの場合「年功序列な面もあるが、社員を守る制度が多く整備されるなど労働の安定を重視する社風」を意識して、「組織風土になじみつつ、NTNと社会の持続的成長のために働ける人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならこれらの質問にどのように答えるか、質疑応答シミュレーションの一環としてぜひ考えてみてください。

NTNの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

• 「年功序列な面もあるが、社員を守る制度が多く整備されるなど労働の安定を重視する社風」を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。


• NTNの中期経営計画「DRIVE NTN100」を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。


• 競合他社についての理解を深め、「なぜNTNなのか」に対する答えを明確にしておく。