ナックの採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
1971年にダスキンのフランチャイズ加盟店としてスタートしたナック。現在では、飲食店や施設向けの環境衛生事業、クリクラで知られる宅配水事業、さらには住宅販売など、「コングロマリット企業(複合企業)」として多種多様なサービスを展開しています。
社員の口コミによると、「実力・成果主義」「数字がすべて」という言葉が数多く見られます。これは同社が、営業を根幹に置いた業務から成り立っているためでしょう。既存のルート営業もあれば、毎月のように新規開拓のノルマを課せられるなど、体力とコミュニケーション能力が必要とされる雰囲気がうかがえます。「営業力を身につけたい」「成績次第で給与・待遇がアップすることに魅力を感じる」という人には理想の環境といえそうです。
ただ、「朝礼で大声を出す」といった体育会系の雰囲気や、「新規顧客獲得のための飛び込み営業がつらい」といった意見も。全体として情報共有ができているにもかかわらず、細かな点で意思の疎通ができていないなど、社内システムを問題視する声もあります。
福利厚生および社内イベントに関しては、良い点も悪い点も複数あげられており、個人の受け取り方によって変わってくるようです。
コーポレートサイトの企業理念には「損得にとらわれず、常に善の道をすすみ、広く社会貢献を行うため、発展成長を第一義とする」と記載されています。ここから読み取れるのは、「自分の力で幅広く社会貢献をしていきたい」「周囲と団結し、同じ目標に向けて仕事ができる」といった人材が求められていることでしょう。面接では、このような企業風土にマッチしているかを見定められます。
■選考は何次まで?
ナックの選考プロセスは、書類選考後に筆記試験、SPI試験、1次〜2次面接を経ての内定となり、選考期間はおおむね1〜2週間となっています。面接官は現場社員、営業所長、エリアマネージャーなどさまざまです。なお、これらの事項は入社時期などにより異なるようです。
募集職種は、コーポレートサイトによると、クリクラ(宅配水)、ダスキン(レンタル商品)、with(環境衛生)、建築コンサルティング(工務店支援)、ビジネスプロダクト(太陽光・建築資材)、レオハウス(注文住宅、株式会社レオハウスで採用)の計6種となっています。採用サイトには、勤務地や必要資格、また実際の仕事内容や社員のインタビューも掲載されていますので、確認しつつ同社の雰囲気を掴んでおくことも必要です。
次項では実際の面接内容について紹介していきます。
■面接内容の傾向は?
志望動機、職歴、前職を辞めた理由など、オーソドックスな質問をされる傾向にあるようです。高圧的な雰囲気はなく、履歴書をもとにして穏やかに進むという口コミが見られます。
そうした中、社風の項で述べたように「営業」という仕事に関する質問を多くされるようです。これまでの営業経験の有無の他、「飛び込み営業ができるか?」「営業の武器とは何か?」、そして「今この場で当社の製品を営業してほしい」と、実務的なことを問われたという声もあります。常に人出不足で即戦力を求めている業界でもあることから、そのような傾向になるといえます。ここでは仕事への意欲を重点的に見られていますので、適した回答ができるよう、対策をしておきましょう。
口コミの中には、「元気でハキハキとした受け答えをし、やる気を見せることができれば採用される」との意見もあります。ルート営業や新規開拓に限らず、営業という職種では、いかに顧客に良い印象を与えられるかが最優先事項となります。あわせて、「今までの職務から活かせること」や「この会社に入って何をしたいか」といったビジョンも持った上で面接に臨みましょう。
ナックの面接攻略法(面接対策)
■ナックの中期経営計画を理解した上で自己分析をする
ナックの面接を受ける際に重要となるのは、中期経営計画をしっかりと把握することです。2020年1月現在、同社は中期経営計画の見直しを進めています。ここでは2017年7月のIR説明会の資料をもとに、最新の情報も踏まえつつ、どのような方針であるかを読み解いていきます。
2021年3月期にグループ連結売上高1500億、同営業利益100億を達成すべく、既存事業の収益安定化と共に、新たな事業の育成に向け戦略的な投資を行っていく。
同社の事業は大きく分けて5つのセグメントから構成されています。その内訳を見ていくと、
・クリクラ事業(宅配水の販売)
・レンタル事業(ダスキンFC店を軸にした衛生・清掃業)
・建築コンサルティング事業(工務店支援)
・住宅事業(レオハウスなどによる注文住宅業)
・通販事業(化粧品や健康食品の通信販売業)
となっています。2019年12月のIR説明会資料によると、住宅や健康事業においては伸びを示しているものの、クリクラやレンタルに関しては営業利益が低下しています。昨今の同業他社の参入による価格競争の激化、宅配料金の高騰、さらには人手不足による労働環境の悪化などが、前述した「中期経営計画見直し」に繋がっています。
一例をあげますと、レンタル事業においては下図のように、既存事業に加えさらなる業務の拡大が不可欠となっています。
同社はそれぞれの事業において「顧客単価の向上と販売促進」「ダスキン事業の拡大」「新商品開発と再生可能エネルギー商材の販売促進」「経営資源の適正な配分」「自社通販サイトの再開に向けた準備」を打ち出しています。
以上から見えてくることとして、大きく転換、そして変遷する時代に後れることなく業務の向上と拡大を目指し、顧客の満足度を高めていくという計画が読み取れます。こうした経営戦略を理解して自己分析に落とし込み、「顧客の拡大にはどのような営業戦略を持って臨むべきか」「広く社会貢献をおこなう際に必要なものは何か」といった自己アピールができるよう、面接前にしっかりと対策していきましょう。
■「なぜナックに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社の面接においては、「なぜナックを選んだのか」という質問をされることがあります。これは、「入社後のビジョンを持っているか」「これまでの経歴が当社にどのような利益をもたらすか」といった点を面接官が見るだけではなく、「当社について本当に理解しているのか」を見極めているといえます。
業界および職種理解の枠のみにとらわれることなく、ナックという企業の理念、社風、経営戦略もしっかりと把握する。そのためには、比較対象になりやすい他企業を知り、研究していかなければいけません。一例として以下の企業をピックアップしますので、研究の参考にするとよいでしょう。
- 株式会社トーエル
- 株式会社コスモライフ
- 株式会社サニクリーン
ナックの採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、ナックの採用面接を受ける前には、中期経営計画に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が必要となります。面接の場では、「広く社会貢献を行うため、発展成長を第一義とする」という社風を意識し、「個人の確かな考えを持ち、幅広く展開する業務の中でそれを実行していける人材」だと印象づけられるよう、なるべく多くのエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接を受けた方が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらを把握した上で、「このような質問にはどう回答すればよいか?」「働きたいという強い意欲を見せるにはどうすればよいか?」など、シミュレーションしてみてください。
20代後半・女性/コールセンタースタッフ【結果:入社】
20代前半・男性/ルートセールス【結果:内定を辞退】
40代後半・男性/研究開発【結果:1次面接で不採用】
20代前半・男性/財務【結果:1次面接で不採用】
ナックの採用面接に向けて
ナックの採用面接を受けるにあたり、押さえておきたいポイントをご紹介してきました。面接対策として以下のような準備をしておきたいところです。
- 「自身の持つ力と想像力を駆使し、同じ目標に向かって仕事に取り組める」「仕事を通じて社会貢献をしていく」という社風を意識して、これにマッチした人材ということをアピールする。
- ナックの中期経営計画を理解し、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜナックか」に対する答えを明確にしておく。
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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。