東京電力の採用面接前に知っておくべきこと
■社風への理解
首都圏を中心に電力を供給する東京電力ホールディングス(以下、東京電力)。電力事業においての国内売上高は全体の1/3を占め、名実共にシェアNo,1を誇ります。
そんな同社は事業の特性上非常に堅実な風土があり、「業務が細分化されすぎている」「マニュアル化が進み、全ての業務が型化されている」との口コミが散見されます。そのため自己裁量のもとバリバリと仕事を進めたい方にとっては、窮屈な環境になってしまう可能性も。一方で部署や役職問わずプライベートと仕事の調整が図りやすく、自己権限での早退が認められていたり土日のお休みも安定して取得することができるそうです。
事業面においては、東日本大震災の福島原子力発電事故を受け東京電力含め日本の電力企業全体がかつてない転換期に直面しています。独占売買であった電力事業においても、電力自由化を迎え新規参入企業が増えつつあります。
電力の安定供給と競争力向上に向け、同社では2016年4月にホールディングカンパニー制を導入。グループ全体の事業構造改革に努めています。事業環境の変化に伴う競争の激化や時代の流れに沿った顧客ニーズに、東京電力ホールディングスが今後どう応えていくか期待がかかるところです。
長年同社が培ってきたスピリッツ・技術を継承しながらも、みらい型インフラ企業を目指す。そんな社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
■選考は何次まで?
東京電力のキャリア採用の流れは次の通り。履歴書応募⇒筆記試験⇒リクルーター面談⇒本面接⇒最終面接。本面接では人事担当者と1対1の面談となります。また最終面接は、応募先の部門長や課長職と人事担当者で行われます。応募職種によって面接回数や面接官のポジションが変わることもありますが、どのプロセスでも専門的な知識や志望動機への深堀がなされるため企業分析や自己分析の事前準備は怠らないようにしましょう。
同社の採用は、新卒採用にリソースを割いています。一方キャリア採用は、退職に伴いポジションが空いた時だけ募集されます。そのためコーポレートサイトではキャリア採用の募集を見かけることはほぼありません。
また東京電力は知名度が高くニッチな業界でもあるため、同業からの転職が非常に多いという特長があります。ライバルに先を越されないためにも、まずはエージェント登録や中途採用イベントなどに足を運び、キャリア採用の情報収集に力を入れることが重要です。
■面接内容の傾向は?
東京電力のキャリア採用は、1つの募集枠に多くの方が応募します。そのため面接官は1人ひとりのこれまでの経験や技量、人間性を把握するため、回答に対して深く掘り下げた質問を重ねます。その場しのぎの回答では見抜かれてしまうので、専門知識の勉強・企業研究は徹底的に行いましょう。特に技術職希望の場合、部門担当者より知識についての質問が多く出ることも。関連する過去のニュースを見たり専門書を熟読し、知見を深めるようにしましょう。
また「福島県の原子力事故後の課題について問われた」という口コミが多く見られます。コーポレートサイト内にも福島原子力事故後の改革や取り組みが掲載されています。福島原子力事故についての質問は、東京電力への理解度を図る意味合いも含まれているため、事前の読み込みは必須。自分なりの考えを用意し意見できるようにしておくと面接官の印象に残り、他の応募者と一線を画すことができるでしょう。
東京電力の面接攻略法(面接対策)
■東京電力の中長期経営宣言「2020ビジョン」を理解した上で自己分析をする
東京電力の面接を受ける上では、中長期経営宣言「2020ビジョン」を理解しておくことが不可欠です。2020ビジョンでは下記の図のような持続的成長イメージを描いています。
中長期経営宣言「2020ビジョン」では、新たな社会・環境貢献の追求に加え、企業収益増大が目標に置かれています。その中でも注目すべき取り組みは、新エネルギーや新事業の開拓・エネルギー供給に伴う安全性の確立・海外事業展開の3つ。会社の成長を促す経営基盤の強化はもちろん、顧客からの信頼獲得と低廉な価格での電力供給が課題として掲げられています。
そのため東京電力のキャリア採用では、事前にリスクを見通す力・企画を実行するための関係各所との調整力・どんな困難なミッションにも立ち向かう挑戦力を持ち合わせたタフで能力が高い人材が求められます。「2020ビジョン」をしっかりと読み込み、同社が求めている人物像をイメージし、それに合致する人材であることをいかにアピールできるかが内定への鍵となります。
また国内のみならず全世界におけるエネルギー産業の競争時代を勝ち抜くため、大きなイノベーションの実行が急務とされています。同社の新卒採用で海外事業に関する戦略を体感するインターンシップが行われている点からも、同社がいかに海外への展開に力を入れているかは明白です。東京電力の海外事業関連の資料には目を通し、知識を深めておくようにしましょう。
■「なぜ東京電力に転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
東京電力の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ東京電力か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「どんな困難な課題にもチャレンジできるのか」「インフラ事業にやりがいを持ち、仕事に取り組むことができるのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点や、「本当に当社のことを理解しているのか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、東京電力という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
- 東京ガス株式会社
- 中部電力株式会社
- 関西電力株式会社
東京電力の採用面接で実際に聞かれた質問内容
このように、東京電力の採用面接を受ける前には、中長期経営宣言「2020ビジョン」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、長年培ってきたスピリッツ・技術を継承しながらも、みらい型インフラ企業を目指す社風を意識して、何が必要なのかを見通す力を持ち、挑戦心を持って行動に移せるタフな人材と印象付けられるよう、具体的な行動やエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
20代前半男性/設備関連職【結果:入社】
20代後半男性/研究開発【結果:選考辞退】
20代前半男性/その他【結果:入社】
10代後半男性/技術関連職【結果:1次面接で不採用】
東京電力の採用面接に向けて
東京電力の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下のつ3です。
- 長年培ってきたスピリッツ・技術を継承しながらも、みらい型インフラ企業を目指す社風を意識して、これに合致した何が必要なのかを見通す力を持ち、挑戦心を持って行動に移せるタフな人材であることを自分の言葉でアピールする。
- 中長期経営宣言「2020ビジョン」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
- 競合他社についても研究し、「なぜ東京電力で働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
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経営コンサルティング会社で採用コンサルやデータ分析を行いながらライターとして活動中。得意分野はスタッフ採用と教育。