ワタミの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
1984年に、都内の一軒の居酒屋からスタートした「ワタミ」。現在では外食チェーンだけでなく、お弁当の宅配事業、再生可能エネルギー事業、「安心で安全な食材を提供する」ため、有機農場と製造工場を保有し自社生産を推進するなど、幅広い業務を展開しています。
外食産業というサービス提供の仕事柄か、店舗に勤務する社員の口コミを見ていくと、「多くの人との出会いは良い経験」「自分の力量次第で売上があがることにやりがいを感じる」といった意見が見受けられます。大手企業ならではの福利厚生や研修制度の充実を利点にあげる声も多くあります。
そうした中、勤務事情による「残業の多さ」「休日の不安定さ」「会社の業績が上がっても社員には還元されない」といった不満、そして経営者に対しては「理念・理想主義者」という意見もあり、近年は待遇面が改善されつつあるも、社員にはまだ届いていないといった口コミが見られます。
経営者のメッセージには「どれだけありがとうを集められるか」とあります。SDGs(持続可能な開発目標)日本一を目指す同社の理念は「人間性向上」。ここから読み取れるのは、「設定した目標に向け、成長と努力を続けていける」「感謝される心を集めるには何が必要かを考えていける」といった人材を求めているといえます。採用面接では、そのような企業風土にマッチする人材かどうかを見極められます。
■選考は何次まで?
ワタミの採用プロセスは、書類選考後に1〜2回の面接を経て採用という流れになっています。ただし、口コミの中には「面接は3回」「webでの適性検査、論文提出があった」という声もあり、選考プロセスは応募時期や職種によって異なってくるようです。
面接官は、管理部門、部長、役員、現場社員となり、選考期間はおおむね1週間〜1ヶ月程度となります。
コーポレートサイトの採用情報では、現在「外食事業」「お弁当の製造」「宅食事業」を募集しています。それぞれ必要資格や勤務地、待遇が異なりますので、応募前の確認が必要となってきます。
採用情報サイトには、経営者のメッセージ、社員のインタビュー、研修制度、独立支援制度などが掲載されていますので、あらかじめ目を通して「どのような職場なのか」など、雰囲気をつかんでおくのもよいでしょう。
■面接内容の傾向は?
志望動機、自己アピールなど、一般的な流れでおこなわれます。和やかな雰囲気の中進むようですが、ひとつの項目を深く掘り下げられることに対し、圧迫感を受けたという口コミがあります。ただしこれについては、接客業を中心とした業務ゆえに、ストレス耐性の有無を審査されているともいえ、張り詰めた空気に飲まれることなく、落ち着いて自分の意見を述べられるかが重要となってきます。
さらに「料理は得意か」「体力に自信があるか」など、飲食・サービス業ならではの質問もされます。これらに関しては、仕事への意欲や元気を持ち合わせているかを見られているので、明朗な人柄であることをアピールすることを心がけましょう。飲食という業務においては身だしなみも重要なので、併せて意識しておくとよいでしょう。
ワタミの面接攻略法(面接対策)
■ワタミの中期経営計画を理解した上で自己分析をする
ワタミの面接を受ける際に重要となるのは、同社の中期経営計画をしっかりと理解しておくことです。どのような方針であるかを読み解き、分析しておきましょう。
具体的な取り組みとしては、以下の4つの事業の強化をあげています。
宅食事業に関しては、既存モデルを軸に需要の拡大を目標としています。既存顧客への買い上げ点数の増加を促進、新規顧客としては健康面を気にする需要者の開拓を図り、介護施設など法人へ向けた販路拡大も視野に入れています。
次に、根幹となる外食事業では、インバウンド消費を意識したFIT(海外個人旅行)の取り込み、新規店舗の増加、既存業務の全体的な見直し、生産性の向上をあげています。
そして宅食工場や農場への投資をおこない、作業効率をアップさせることでの省人化、収益安定化、さらにM&Aによるパートナー増加での自社ブランド拡大を計画し、それらを独自で開発するオーガニックブランドに紐付け、新事業の展開まで進めるとなっています。
これらの事業計画は、そのひとつひとつが「社風への理解」の項で述べた「SDGsの達成」へ向けての成長戦略といえるでしょう。「明確な目標に向かって自分を成長させると同時に、世の中に貢献していきたい」との意欲を持つことが自己アピールにつながります。こうした中期経営計画を理解し、面接前にしっかりと対策をしておきましょう。
■「なぜワタミに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要
同社の面接でよく聞かれる質問には、「なぜワタミを選んだのか」というものがあります。それにより面接官は「入社後の明確なビジョンがあるか?」「これまでの経歴が当社にどのような利益をもたらすか」という回答を求めてもいますが、「当社について本当に理解しているのか」を見極められているといえます。
業界および職種理解の枠のみにとらわれることなく、ワタミという企業の理念、風土、中期経営計画、経営戦略をしっかりと理解し、その上で比較対象になりやすい他企業を知り、研究していくことも重要です。一例として以下の企業をピックアップしますので、研究の参考にしてみてください。
- 株式会社モンテローザ
- マルシェ株式会社
- 株式会社吉野家ホールディングス
- 株式会社ゼンショーホールディングス
ワタミの採用面接で実際に聞かれた質問内容
ワタミの採用面接を受ける前には、中期経営計画に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が重要です。そして面接の場では、「人間性向上のため、よりよい環境ときっかけを提供する」という社風を意識し、「目標に向かい成長と努力を継続できる」「人に感謝されるために、何が大切かを考えている」ということを印象づけられるよう、数多くのエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接を受けた方が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらを把握した上で、こういった問いにはどう回答するのが最善なのかをシミュレーションしてみてください。
30代前半・男性/店舗スタッフ関連職【結果:入社】
30代前半・男性/カウンターセールス【結果:入社】
20代前半・男性/その他【結果:最終面接を辞退】
20代前半・男性/店長【結果:入社】
ワタミの採用面接に向けて
ワタミの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- 「人間性向上のためのよりよい環境作りときっかけの提供」という社風を意識して、これにマッチした人材ということをアピールする。
- ワタミの中期経営計画を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
- 競合他社についても研究し、「なぜワタミなのか」に対する答えを明確にしておく。
以上についてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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