サンドラッグの採用面接前に知っておきたいこと
■社風への理解
ドラッグストアチェーン大手のサンドラッグは、グループ全体で1100を超えるドラッグストアを運営しています。都市部では直営店を積極的に出店、また、地方を中心にフランチャイズ展開やM&Aを進めたことで、2019年3月時点での出店エリアは全国44都道府県に拡大。その結果、2010年3月時点で767だった店舗数は、2019年3月には1147まで増加しました。
こうして急速に店舗数を拡大させたこともあってか、同社の口コミからは慢性的な人手不足とそれに伴う業務の多忙ぶりがうかがえます。「作業自体がかなり多く、通常のやり方をしていたら終わらない」「朝の開店準備作業を一人で担当したことが大きな重圧でした」「休日が休日じゃないこともしばしば」など、労働環境についての口コミがかなり多くなっています。また、「一日の労働時間が長いため体力を必要とする仕事である」というように、店舗によっては長時間労働を余儀なくされているケースも見られます。こうした状況を受け、会社側は「社員の働く環境の改善」を重点課題に挙げて、今後取り組んでいくとしています。会社と転職者がお互いを知って、納得する場が面接ですので、労働環境について気になる点は、面接の場できちんと確認しておくことが大切です。
一方で、「お客さんが自分に付いてくれるとやりがいを感じる」「POPや陳列方法などを考えるのも楽しい」「自分で考えた価格戦略が実行できます」など、裁量を持った店舗運営にやりがいを感じる声も多数聞かれます。こうした業務を支えているのが同社の研修制度です。サンドラッグでは、平均月1〜2回程度の集合研修がおこなわれていて、その内容を現場で実践できる仕組みが用意されていてます。
サンドラッグの採用面接にあたっては、こうした環境や風土を理解したうえで志望動機を整理し、納得のいく面接がおこなえるようにしましょう。
■選考は何次まで?
サンドラッグでは現在、薬剤師と店舗運営職で中途採用が募集されています。
選考は、メール、電話、またはエントリーフォームからエントリー後、会社説明と面接がおこなわれ、1週間〜1ヶ月を経て採用通知が届くという流れとなっています。会社説明と面接は同日におこなわれますが、面接に進むかどうかは任意であり、本人の意志で決めることができます。なお、面接を別日に設定することも可能です。
入社は、原則として毎月月初となっていますので、前職とのスケジュール調整をしっかりおこないましょう。入社後は入社研修を経て、各店舗に配属となります。
■面接内容の傾向は?
薬剤師、店舗運営職、どちらの職種でも奇をてらった質問はなく、オーソドックスな内容が中心のようです。評価ポイントは、志望動機やキャリアビジョンはもちろん、接客という観点から「身だしなみ」「言葉遣い」「コミュニケーション力」なども見られます。こうした点を踏まえて、対策を講じておきたいところです。面接は「とても和やかな雰囲気だった」という声が聞かれますので、気負わず誠意も持って臨むと良いでしょう。
また、「転勤は大丈夫か?」という質問がたびたび出るようなので、自分や家族の状況を整理して、クリアに答えられるようにしておく必要があります。
サンドラッグの面接攻略法(面接対策)
■サンドラッグの経営戦略を理解した上で自己分析をする
サンドラッグは、2018年3月期まで28年連続で過去最高益を更新してきました。その原動力となっていたのが、積極的な店舗数拡大です。同社は新規出店をすることで売上を増やし、人件費の伸びを吸収する戦略により利益を伸ばしてきました。しかし、2019年3月期は出店数が計画を下回り、29期ぶりの減益を余儀なくされました。これを受けて、2020年3月期はさらなる新規出店ならびにM&A、フランチャイズ拡大や他業種との提携等で全国店舗展開を目指す考えです。
また、店舗スタッフをカウンセリングスタッフと店舗運営スタッフに分けた「1店舗2ライン制」と呼ばれる独自のオペレーションシステムは、同社の経営効率の良さに繋がっています。2020年3月期は店舗数拡大に加えて、こうしたローコストオペレーションを支える仕組みづくりや、高齢化社会を見据えた専門性の強化、インバウンドやインターネット販売などのビジネスチャンスの取り込みを最重点課題に挙げています。
2019年3月期の有価証券報告書から抜粋した具体的な施策は以下のとおりです。これらをしっかりと理解し、どの部分で自分の価値を発揮できるのか、自己分析に落とし込む必要があるでしょう。
①店舗オペレーション及び物流システムの効率化、情報システムの強化・活用
②店舗開発要員や薬剤師など人材の増員と指導・育成
③高齢化社会を見据えた調剤薬局の展開推進と健康サポート薬局への対応、かかりつけ薬剤師の育成など
④海外販売も含めたインターネット販売の強化
⑤プライベートブランド(PB)商品のアイテム拡充、高付加価値PB商品の開発と品揃えの充実
⑥インバウンド店舗の新規出店とインバウンド対応店の拡大
⑦小商圏化に対応するため、OTC医薬品(一般用医薬品)及び化粧品販売員の養成
⑧人口の少ない郊外立地に強いダイレックス業態の東日本での拡大
⑨社員の働く環境の改善
〜2019年3月期有価証券報告書より一部抜粋〜
■「なぜサンドラッグに転職するのか」の明確化には他社研究が必要
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜサンドラッグなのか」というものがあります。この質問を通じて面接官が知りたいのは、「入社後に何がやりたいのか」「これまでのキャリアをどう生かすのか」といったキャリアビジョンを含めた入社への熱意です。加えて、「どれだけ企業研究をしてきたか」という点が伝われば、入社への意気込みや仕事への意欲を理解してもらえる可能性は高くなります。
企業研究に際しては、競合他社との違いを明らかにして、「サンドラッグである理由」を語れるようにしておきましょう。少なくとも、以下のような競合について研究をしておく必要があります。
- 株式会社ツルハホールディングス
- ウエルシアホールディングス株式会社
- 株式会社マツモトキヨシホールディングス
- 株式会社コスモス薬品
サンドラッグの採用面接で実際に聞かれた質問内容
サンドラッグが目指している方向性や、求める人材が企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
サンドラッグの場合、これまで積極的な店舗展開により業績を伸ばしてきました。しかし、その影響もあって、慢性的な人手不足の状況にあると言われています。そうした環境の中、自分にどういった貢献ができるのかをしっかり考えておかないと、入社後に「こんなはずではなかった」という事態に陥りかねません。そのためには、同社の経営方針をよく理解したうえで自己分析を進める必要があります。また、労働環境について気になる点は、説明会の場でクリアにしておくとよいでしょう。
ここからは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、自分なりにシミュレーションしながら面接対策をおこなってください。
[20代後半・女性/薬剤師] 【結果:内定を辞退】
[20代前半・男性/店長] 【結果:入社】
[20代前半・男性/薬剤師] 【結果:内定を辞退】
[20代前半・男性/店長] 【結果:入社】
サンドラッグの採用面接に向けて
サンドラッグの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
- サンドラッグの労働環境や組織風土を理解し、その中で価値を発揮できる人材であることをアピールする。
- サンドラッグの経営方針や戦略を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
- 競合他社についての理解を深め、「なぜサンドラッグなのか」に対する答えを明確にしておく。
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